« Philippe Saisse Trio 「On The Level !」(2017) | トップページ | Phillip Doc Martin 「Colors」(2019) »

2019年3月 3日 (日)

Al Turner 「This Is」(2018)

This Isベース奏者アル・ターナーは、アール・クルーのバンド・メンバー。クルーの、「Sudden Burst of Energy」(1996)以降のアルバムでは、常連のベース奏者。「The Journey」(1997)、「Peculiar Situation」(1999)でのほとんどの曲のベースは、この人。

90年代初めから、セッション・プレイヤーとして活躍。ボブ・ジェイムス、ティム・ボウマン、ジーン・ダンラップ、リン・ラウントゥリー、トム・ブラクストン、といったスムーズ・ジャズ系のアーティストとの共演や、アレサ・フランクリン、ウィル・ダウニング、といった大物シンガーの作品にも参加。ターナー自身のソロ・アルバムも、「It's Good To Have Friends」(2005)、「Movin'」(2009)、「Sunny Days」(2011)、「Simply Amazing」(2015)と、コンスタントにリリースしている。そして、この新作が、5作目のソロ・アルバム。

エネルギッシュで、スピード感満点、爽快なフュージョン・グルーヴを楽しめる作品だ。ターナーのベースは、速弾きパッセージを繰り出し、手練手腕のテクを聴かせる。ジャズ的インプロヴィゼーションの洗練されたパッセージや、メロディアスなフレージングも披露して、幅広い才能を発揮している。一曲目のタイトル曲「This Is」は、疾走するバンド・アンサンブルに乗って、縦横無尽に動き回るベースに引き込まれるハイライト・トラック。フェード・アウトして終わるのが口惜しい。「Sunrise」は、都会的でキャッチーな曲。ターナーのベースの、まるでギターのような繊細なフレーズや、オルガン演奏との対話など、初めから終わりまで緊張感が続く。「Divinely Created」は、ホーン・セクションやサックス・ソロが絡むビート・ナンバー。ターナーのパワフルなタッピング奏法にガツンと来るはず。「I Will」は、息もつかせない連続パッセージが聴きどころの、パット・メセニー的でドリーミーな曲。最後の曲、「Living Inside Your Love」は、ご存知アール・クルーの名曲のカバー演奏。ターナーにとっては、クルーのバンド・メンバーとして、手慣れたレパートリーの曲に違いない。クルーのギターで聴き慣れたあの哀愁的なメロディーを、ベースが主役でも違和感など無く、味わい深いフレージングが印象に残るバージョン。注目しておきたいベース奏者の佳作だ。

« Philippe Saisse Trio 「On The Level !」(2017) | トップページ | Phillip Doc Martin 「Colors」(2019) »

ベース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« Philippe Saisse Trio 「On The Level !」(2017) | トップページ | Phillip Doc Martin 「Colors」(2019) »

About This Blog

  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだ新譜を中心に紹介します。
    番外編は、ミュージック本の紹介など。

    Since 2011 by UGASAI