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2019年3月12日 (火)

Phillip Doc Martin 「Colors」(2019)

Colorsサックス奏者フィリップ・ドック・マーティンは、現役の歯科医(だから愛称がドック)であり、演奏家でもあるという、ユニークな二刀流キャリアの人。前作「Pocket Love」(2016)は、小気味の良いサックスと、品の良いサウンドがとびきりに心地いい、繰り返し聴いた愛聴盤だった。待ち遠しかった新作が届いた。前作のムードを引き継いで、洗練されたサウンドとキャッチーな楽曲、何よりキレが増したようなマーティンのサックスが魅力を増した秀作だ。

前作同様、プロデュースはマーヴィン・トニー・ヘミングスで、サウンド作りのキー・マンだ。大半の曲のサポート・メンバーは、アーロン・バッキー・バッキンガム(dr)、ジャマール・アンドリューズ(b)、ダニエル・ケリー・ハワード(g)という布陣で、馴染みが無いミュージシャンだが、おそらく日頃の演奏メンバーなのだろう。クレジットは無いが、キーボードの演奏やその他楽器は、おそらく全てヘミングスが手がけたと思われる。大半のオリジナル曲も、前作同様、マーティンとヘミングスの共作に違いない。

ロボットような声で、「病気に打ち勝てるのは音楽だけ。。。」との囁きに続いて始まる、冒頭の曲「Colors」は、曲名が表すように色彩感豊なハイライト・チューン。シルキー・トーンでスウィングするマーティンのサックスが白眉。「Make You Feel」は、サックスと生ピアノがメロウな味わいのインタープレイを聴かせてくれる。ゲストのベースはジュリアン・バーン。「Groove Step」も、ファンキーだけどメロウなムードが満点の曲。こういう甘い曲調でも、マーティンのサックスは、ベタッと艶っぽくならず、上品なところがいいところ。今作はボーカルやコーラスを入れた曲が目立つのは、プロデューサーの狙いがあるのだろう。中でも「Deeper」(Uzorije Carterという男性ボーカル)が、ポップでメロウなR&Bバラードの佳曲。サウンドもボーカルもいいし、マーティンの洗練されたフレージングが光っている。

歯科医と、サックス奏者の二刀流のキャリアは、20年になるという。歯科医の仕事が忙しすぎて、次作のリリースが遅くならないように切に願いたい。


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