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2019年4月の記事

2019年4月28日 (日)

U-Nam 「Future Love」(2019)

Unam_futurelove

ギター奏者ユー・ナムは、2012年にスカイタウン・レコードを設立して、自身の作品だけでなく他アーティストの作品をリリースしている。フランス出身のユー・ナム(本名エマヌエル・アビテボール)が手がけるアーティストは、ほとんどがヨーロッパ出身者を集めた個性的なレーベルだ。所属アーティストは、キーボード奏者ヴァレリー・ステファノフ(ロシア出身)、キーボード奏者マティアス・ルース(スウェーデン)、サックス奏者アンドレイ・チェマット(ウクライナ)、サックス奏者アーノ・ハイス(ドイツ)、女性サックス奏者ニキ・サックス(ウクライナ)、女性サックス奏者マグダレーナ・チョバンコーバ(チェコ出身、ドイツのスリー・スタイルのメンバー)など、いずれも実力派だがアメリカでは無名という新鋭アーティスト。他のレーベルとは一線を画した音作りを追求するユー・ナムのプロデュース手腕にも目が離せない。

ソロ作品は近年の「Cest Le Funk」(2014)、「Surface Love」(2016)、ベスト曲集「The Essential Collection」(2017)とコンスタントに発表。他アーティストのプロデュースに加えて、ボブ・ボールドウィン、エラン・トロットマンらのアルバムにも客演するなど、精力的な活動に力を抜くような気配は微塵も感じられない。そしてこの新作は新曲13曲(プラス2曲の別バージョン)で、ギター奏者として圧巻の才能を聴かせてくれる。

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2019年4月21日 (日)

Lebron 「Undeniable」(2019)

Lebron_undeniable

サックス奏者レブロン・デニース(アーティスト名はレブロン)の新作。

レブロンは、実父はサックス奏者だったが、12才の時にアール・クルーのコンサートに行き、その時に聴いたサックス奏者マイケル・パウロに魅せられてサックスを始めたのだという。出身地アリゾナの消防隊員だったという異色の経歴で、救急救命士の資格を持っている。消防隊員を、スムーズ・ジャズ・アーティストに「発掘」したのはサックス奏者ダーレン・ラーン。ラーンが、レブロンをトリピン・アンド・リズム・レコードに推薦してデビューに至った。デビュー作「Shades」(2013)は、ラーンのフルサポートによるフレッシュな作品だった。2作目の「New Era」(2015)も、ラーンが協力した佳作。そしてこの新作が3作目。

今回は、ダーレン・ラーンのクレジットは見当たらず、マイク・ブルーニングがプロデュースを手がけた。ブルーニングの手腕によるメロウなサウンドに、レブロンのリリカルなサックスが印象的な作品。アルバム10曲中7曲を、ブルーニングが楽曲の作曲と共作、キーボード等の演奏、プロデュースを務めている。ブルーニングは、シンディ・ブラッドレイマリオン・メドウズマイケル・リントンなどのプロデュースや作編曲演奏でサポートしているキーマンだ。特に、シンディ・ブラッドレイの一連の作品には深く関わっている。(他3曲はマット・ゴディーナのプロデュース)

 

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2019年4月14日 (日)

あのポップス名曲のサックスは誰だ?

数多いポップス曲の中でも、主役のシンガーよりも前奏や間奏で聴こえてきたサックスの音色に耳が釘づけになる名曲がある。

えっ、このサックスは誰?

 

1. スティング : 「Englishman in New York」(1987)

Sting_nothing ソプラノ・サックスを吹いているのは、ブランフォード・マルサリス。 

マルサリスは、85年ごろスティングのバンドに所属して、同曲を含む「...Nothing Like the Sun」や、「Dream of the Blue Turtle」(1985)などのアルバムに参加している。

スティングは、ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団やニューヨーク室内合奏団と共演した「Symphonicities」(2010)をリリース。そこで同曲を再録している。

そのバージョンでは、ジャズ・サックス奏者アーロン・ハイクがクラリネットを吹いている。そのアルバム企画のツアーを収めたライブ盤「Live in Berlin」(2010)があり、そちらではマルサリスが客演した同曲が聴ける。

スティングは、新作「My Songs」を近日リリース予定。そのアルバムは、過去曲をリメイクしたもので、同曲も収録予定。どんなアレンジになるのか興味深い。

 

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2019年4月 7日 (日)

Neamen 「Moment Of Truth」(2019)

Mot_neamen ニーメン・ライルズは、「So Free」(2011)でデビューしたサックス奏者。デビュー作は、ギター奏者ジェイ・ソトがプロデュースと作編曲や演奏で、全面的にサポートした作品。そのデビュー作は、都会的でメロウな楽曲もいいし、ライルズのフレッシュなサックスが光った好印象の作品だった。

そしてこの新作は、デビュー作から8年ぶり、満を持しての2作目。今回も、ジェイ・ソトが、作曲編曲、ギターにキーボード演奏、プロデュースに至るまでサポートしている。前作のメロウなスムーズ・ジャズのムードとは変わって、楽曲もサウンドもかなりヒップな路線。ライルズのサックスも、ダイナミックにブロウする。曲も、ダンス・チューン、ファンク、ラップもあり、尖ったロックに、ブラコンありと多彩。半数を占める6曲がボーカル曲なので、デビュー作の印象で聴くと、戸惑ってしまう。

Flash Back Rhythm」は、キャッチーなダンス・チューン。ボーカルは、オースティン・カーステルという人。ファンキーなサックスと重なるラップがカッコいい。「This Love is Yours」も、上質な都会的アダルト・コンテンポラリー・ソング。ボーカルは女性R&Bシンガーのクリスタル・スターク。歌伴のソプラノ・サックスがメロウでいい感じ。他のボーカル4曲も、RBAOR、果てはロックと、異なる曲想で、別々に男女4人のボーカリストを迎えている。

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