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2019年6月30日 (日)

Cal Harris Jr. 「Soulful」(2019)

Soulful

キーボード奏者カル・ハリス・ジュニアの新作。

父親はモータウン・レコードのレコーディング・エンジニアのカルヴィン・L・ハリスという人で、マーヴィン・ゲイ、コモドアーズ、ダイアナ・ロス、ナタリー・コール、ライオネル・リッチーなど名だたるアーティストの録音やミキシングを担当して功績を残した。昨年に他界したというその父親に、この新作を捧げている。その父親の影響で、ハリス・ジュニアは幼少の頃から音楽世界を体感していたのだろう。

この新作は、前作『Shelter Island』(2013)に続く3作目の自己プロデュースによるフル・アルバム。前作以降に発表されていたシングルの5曲とその内1曲のリミックス・バージョンを含み、初出の5曲の新曲を加えた全11曲の内容。共演者との共作も含む全曲がオリジナル楽曲だ。

この人の持ち味、メロウな楽曲と、リリカルなピアノやエレピが際立った演奏は、前作以上に洗練されたコンテンポラリー・ジャズの印象を残す佳作だ。ゲストは、ブレーク・アーロン(ギター)、ジェフ・ローバー(キーボード)、メル・ブラウン(ベース)らが固めている。中でも、サックス奏者テッド・ベレディン(Ted Belledin)は、8曲でフューチャーされて光った存在だ。

Closer」は、オーガニックなジャズ・アンサンブルの演奏で、ベレディンのサックスとハリス・ジュニアのピアノのインタープレイが美しい。「The Touch」も、ベレディンのサックスがフューチャーされたバラードで、ハリス・ジュニアのクールなピアノも聞きどころ。「Bella Nova」はボッサのメロウなリズム・アンサンブルが印象的な演奏曲。この曲でもベレディンのサックスが洗練された趣でいい感じ。「Airborne」は、シングルで発表されていた曲。エレキ・ピアノのフレーズの軽快さにグッとくる。プログラム系のサウンドでも爽快な視野が開ける。「Soulful」も、プログラム・サウンドをバックに、ベレディンのサックスとハリス・ジュニアの2人の演奏。リズム&ブルースのテイストを入れたインタープレイがクール。その他、既発表の「Timeline」や「Endless Summer」など、洗練された楽曲が並んでいる。

録音ミックスはハリス・ジュニア自ら担当して、父親ゆずりの才能を発揮している。

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