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2019年7月14日 (日)

Torcuato Mariano 「Escola Brasileira」(2019)

Tmarianoescolabrasileira

トルクアート・マリアーノはアルゼンチン生まれでブラジルで活躍するベテラン・ギター奏者。ソロとしては5枚の作品をリリースしている。

世界的な評価も高いブラジルのシンガー、カズーザ、イヴァン・リンス、ガル・コスタ、ジャバンなどとも共演。作編曲家でプロデューサーとしても、フラヴィオ・ヴェントゥリーニ(Flavio Venturini)、ファビオ・ジュニア(Fabio Junior)、パウリーニョ・ダ・ヴィオラ( Paulinho da Viola)、ベロ(Belo)といった、ブラジルの錚々たるシンガー/アーティスト達の作品に関わっている。

ギター奏者としても、スムーズジャズ系ミュージシャン、イエロージャケッツ、マイケル・リントン、ボブ・ボールドウィンらと共演も多い。最近ではボールドウィンの『The Brazilian-American Soundtrack』でも、マリアーノがフューチャーされていた。

 

過去のソロ作品は、『Estação ParaísoParadise Station)』(1994)、『AtelierLast Look)』(1995)、『Diary』(2004)、『Lift Me Up』(2006)、『So Far from Home』(2009)の5枚。この新作は10年振り6枚目となる作品。名付けられたタイトルは「ブラジルの学校」という意味。10代でブラジルに移住して40年になるのだという。ブラジル音楽から学んだ自身の音楽キャリアを振り返り、ボサノバやサンバに代表されるブラジル音楽へのオマージュが込められたと想像する。

楽曲は共作を含むオリジナル10曲。ゲストは、歌手のジャバン、ピアニストのセザル・カマルゴ・マリアーノ(Cesar Camargo Mariano)、ショーロ音楽の楽器バンドリンの名手アミルトン・ヂ・オランダ( Hamilton de Holanda)、ハーモニカ奏者ガブリエル・グロッシ( Gabriel Grossi)、女性シンガーのトニ・スクラッグス(Toni Scruggs)などが務めている。

特にマリアーノのピアノや、オランダのバンドリン、グロッシのハーモニカは、それぞれ達人達の演奏が必聴だ。多くの楽曲で、ブラス・セクションやストリングスのオーケストラを多用したアレンジも出色で色彩豊かな音楽世界が広がる。

1曲目「706 Night Club」は、ボッサのリズムが爽快なジャズ・ナンバー。マリアーノの流れるようなギターのフレージングが聴きどころ。「Cansei De Dor」は、ジャバンが歌うコンテンポラリーなボッサのハイライト曲。存在感のあるジャバンのスキャットとギターのユニゾンは聴き耳を立てずにいられない。セザル・マリアーノのピアノも美しく印象的。「Jobando Bola」、はアミルトン・ヂ・オランダのバンドリンがフューチャーされた曲。ブラス・セクションの伴奏とともに、スピード感のあるグルーブが爽快。

A Pata da Preta」は、ガブリエル・グロッシのハーモニカ演奏がフューチャーされた曲。スキャットやピアノが交差するボッサのリズムに、溶け込むような調べのハーモニカが美しい。「Ouro De Minas」のギターはパット・メセニーを彷彿とするドリーミーな演奏。「Sol do Sertão」は、メランコリーなガット・ギターを聴かせてくれる曲。

 ブラジルのコンテンポラリー・ジャズを堪能できるクオリティの高い秀作。

 

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