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2019年8月 4日 (日)

Walter Beasley 「Going Home」(2019)

Goinghome_beasleyウォルター・ビーズリーの新作は全11曲、数曲を除いて、ほぼ同じメンバーによるグルーヴィーな演奏が光る秀作。キー・パーソンは、キーボードのフィル・デイビスと、ドラムスのジョン・ロバーツ。ビーズリーは、ほとんどの曲でソプラノ・サックスを吹いている。

何より5曲のカバー演奏に惹かれてしまう。グローヴァー・ワシントン・ジュニアや、ウィルトン・フェルダー、ジョージ・ハワード、ロイ・ハーグローヴらの楽曲を演っているのだが、いずれも80年から90年代をピークに活躍した、スムーズジャズの先駆者と言える偉大なミュージシャン。ビーズリー自身のヒーロであり、オマージュなのだろう。自らが継承者であることをアピールするような、ビーズリーの演奏が素晴らしい。

そのカバー曲は5曲。「Strasbourg / St.Denis」は、トランペット奏者ロイ・ハーグローヴの曲で、クインテット名義のアルバム『Earfood』08年)所収されている。「Moonstreams」はサックス奏者グローヴァー・ワシントン・ジュニアの曲で、『Feel So Good』75年)に入っていたメロウ・バラード。「No, No」は、サックス奏者ジョージ・ハワードの曲、『A Nice Place to Be』87年)に所収。「Jo Jo」は、マーカス・ミラーの曲で、マイルス・デイヴィスの『Amandla』89年)に収められていたファンキーな曲。ビーズリーと共演するトランペットはデレク・キャノン。「My Name Is Love」は、ジョー・サンプルの曲で、ウィルトン・フェルダーのソロ・アルバム『We All Have A Star』78年)所収。キャッチーなメロディーのバラード曲だが、ビーズリーのグルービーなアドリブが際立っている。

ビーズリーのオリジナル曲も聴きごたえのある楽曲揃いだ。「Its Alright」と「House of Sax」は、ビーズリーらしいファンク・チューンで、ベテランらしい味のある即効フレージングと骨太のビートに魅了される。「Aqui」は、マイナーなカリプソ・メロディーが魅了的で、意表を付くような力強いソプラノ演奏が聴きどころ。「En La Noche (In The Evening)」は、サルサのマイナー・バラードという感じだろうか、こういう美メロディーも作曲するビーズリーの才能が光る。「Feeling Good」は秀逸な楽曲と演奏のグルーブは、カバーをした過去のレジェンド達に勝るとも劣らないベスト・トラックだと思う。

ビーズリーこそキャリア30年のレジェンドといっていい人。今作もそのクオリティは変わらずベスト級です。

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