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2019年9月 1日 (日)

Kim Scott 「Free To Be」(2019)

Freetobe

スムーズジャズ界のトップ級女性フルート奏者といえば、アルティア・ルネレーガン・ホワイトサイド、キム・スコットの3人。いずれも巧者の3人だが、なかでもスコットの演奏はフルートの特性が際立ったフェミニンなフレージングが特徴。この新作は、前作「Southern Heat」に比べて、そんなフェミニンなムードが漂っていて自然体で作られたことが伝わる秀作。

前作に続いてプロデューサーは、ケルビン・ウートン。ウートンは、R&B系プロデューサー/アレンジャー/マルチ・ミュージシャンとして、R&B/ソウル界の男性歌手アンソニー・ハミルトン、女性歌手のジル・スコット、アース・ウインド&ファイアーなどのメジャー・アーティストのアルバムに参加している。このアルバム全9曲中7曲が、ウートンがプロデュース/キーボード演奏で関わっている。

タイトル曲「Free To Be」は、注目の新人女性サックス奏者ジャズミン・ジントが参加。ジントのファンキーな音色と、清涼感のあるスコットのフルートの対比が印象的な演奏。「Emerge」は、ピアノ奏者ジョナサン・フリッツェンがスコットと共作した楽曲で、もちろんフリッツェンのメランコリーなピアノ演奏が聴けるキャッチーな曲。「Take It To The Rink」は、ウートンとスコットの共作曲で、上品なビート・チューン。

いずれのウートンのプロデュース曲は、相互に共演の多いリズム・セクション(キーボードがウートン、ドラムスがジェームス・PJ・スプラギンズ、ベースがショーン・マイケル・レイ、ギターがエリック・エシックス)をバックに、華麗に飛び回るスコットのフレージングが美しい。

「No Worries」は、ピーセス・オブ・ア・ドリームのジェームス・ロイドとコラボ(共作と演奏)した曲で、ロイドのピアノとスコットのデュオ演奏が聴きどころ。「The Prayer」は、デビッド・フォスターの名曲で、セリーヌ・ディオンやアンドレア・ボチェッリなど男女のデュオ名唱で有名な曲。スコットはサックス奏者キャメロン・ロスを迎えて、サックスとフルートのデュオによるカバー演奏を聴かせてくれる。力強いロスのサックスは男性ボーカル、華麗なスコットのフルートは女性ボーカルを思わせるドラマチックな演奏で、ボーカル・デュオに勝る「名唱」といえる。

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コメント

始めまして。
スムースジャズの新譜情報として、何年も前から楽しく読ませて頂いておりました。
詳しい音楽知識に脱帽です!
私も久しぶりにブログを再開しました。
今後ともよろしくお願いいたします。

※もしよかったら、リンク貼らせて頂いても宜しいですか?

投稿: Musicman | 2019年9月 3日 (火) 08時54分

いつも私のブログを読んでいただきありがとうございます。
時々スムーズジャズから「脱線」しますが、引き続き読んで頂けると嬉しいです。
「リンク」、どうぞ貼って下さい。

投稿: UG | 2019年9月 3日 (火) 11時50分

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