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2019年11月の3件の記事

2019年11月21日 (木)

聴き逃せないクリスマス・アルバム(2019)

この季節になると目立つのはクリスマス(もしくはホリデイ)アルバム。スムーズジャズ系アーティストの作品もリリースのラッシュだ。定番の曲の演奏集が多いので目新しさは無いかと思いきや、オリジナリティのある作品も多く注目に値する。この3作品は聴き逃せない秀作だ。

1. Dave Koz 『Gifts Of The Season』(2019)

デイブ ・コーズのクリスマス企画アルバムはこの新作で7作目となる。初めてのクリスマス・アルバム『December Makes Me Feel This Way』(97年)以来、「デイブ・コーズ・アンド・フレンズ」名義で3作品や、旧譜のコンピレーション『Ultimate Christmas』(11年)もあり、20年以上に渡り定期的にクリスマス・アルバムを出している。伝統的な曲を中心にクリスマス曲のカバーはおよそ40曲に及ぶだろう。コーズにとってクリスマス曲の演奏はライフ・ワークのようで、コーズの右に出る人は見つからない。

今作の選曲は、何度となくレコーディングしている「White Christmas」「Winter Wonderland」「I'll Be Home For Christmas」など外せない定番曲に加えて、オールディーズから近年のクリスマス・ポップスを取り上げたのが新機軸で、今まで以上にポップで洗練された作品になった。

「It’s Beginning to Look a Lot Like Christmas」(ペリー・コモ)「Last Christmas」(ワム!)、「All I Want for Christmas」(マライア・キャリー)、「Mary Did You Know」(クリスチャン歌手のマイケル・イングリッシュ)など、いずれも初めてカバーするポップス系の曲が新鮮だ。ゲストにジョナサン・バトラー、メリサ・マンチェスター、クリス・ウォーカーら豪華ボーカリストを起用している。

コーズはクリスマスをテーマにした自作オリジナル曲を入れるのも定番で、「December Makes Me Feel This Way」(97年の同名アルバム)、「Memories Of A Winter’s Night」(07年の同名アルバム)、「Beneath The Moonlit Sky」(01年の『Smooth Jazz Christmas』)など、クリスマス・アルバムでしか聴けない佳曲が多い。今作のオリジナル曲は「A Prayer for Peace」。ソプラノ・サックスで奏でるマイナーな美しい曲。

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2019年11月10日 (日)

Stephen Bishop 「We’ll Talk About It Later In The Car」(2019)

スティーヴン・ビショップは、長い沈黙を破って『Be Here Then』(14年)をリリースした後、ライブ盤やオリジナル・アルバム『blueprint』(16年)を続けて出すなど活発なカムバックを果たしたようだ。そんな復活を裏付けるように新作アルバムが出た。

ところで、ビショップは映画の主題歌や挿入歌を多く提供している。それらも優れた楽曲やヒット曲も多く、オリジナル・アルバムとはまた別の魅力がある。

ビショップがボーカルを担当した映画『Tootsie』(82年)の「It Might Be You」(作詞はアランとマリリン・バーグマン夫妻、作曲はデイブ・グルーシン)は、映画と共にヒットして代表曲になった。ビショップの作曲による「Separate Lives」(映画『White Nights』85年)はフィル・コリンズとマリリン・マーチンのデュエットで大ヒットした曲。ビショップの自作でボーカルも務めた「Somewhere In Between」(『The China Syndrome』79年)や、「One Love」(『Unfaithful Yours』84年)、「If Love Takes Away」(『Summer Lovers』82年)など、他多数の楽曲を残している。

オリジナル・アルバムの発表が途絶えていた期間、映画主題歌からも遠ざかっていたが、去年久しぶりに映画音楽の主題歌も発表した。

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2019年11月 3日 (日)

Spyro Gyra 「Vinyl Tap」(2019)

スパイロ・ジャイラの6年ぶりの新作はカバー演奏集。今作のメンバーは、不動の4人、ジェイ・ベッケンスタイン(sax)、トム・シューマン(key)、フリオ・フェルナンデス(g)、スコット・アンブッシュ(b)と、新加入のドラム奏者ライオネル・コーデュー。前任のドラム奏者リー・ピアソンは前作1作のみで交代となった。コーデューは、ラウル・ミドン、スペシャルEFX、キエリ・ミヌッチ、チャック・ローブなどのレコーディングに参加しているセッション・ドラマー。

前作『The Rhinebeck Sessions』(13年)はメンバー5人だけによるインタープレイがスリリングな作品だった。今作のライブ的な演奏も前作を凌ぐ続編を思わせる。著名なポピュラー曲を分解して再構築するアプローチは、オリジナル曲と遜色のない創意を発揮した秀作。ジャズ寄りに重点を置いたインタープレイも外連味など見せない情熱的な演奏だ。

アルバム・タイトルの<ビニール>が意味するように、かつてのアナログ・レコード時代をテーマに取り上げた選曲が並ぶ。「Sunshine Of Your Love」(クリーム)、「Can’t Find My Way Home」(ブラインド・フェイス)、「What A Fool Believe」(ドゥービーブラザース)、「The Cisco Kid」(ウォー)などの70年前後の骨太なロックを題材にしたのは、意外に見えてもソリッドな演奏には最適な選曲。

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