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2019年12月 7日 (土)

Najee 「Center of the Heart」(2019)

コンスタントに良質な作品をリリースするサックス奏者ナジーの新作。1986年のソロ・デビュー以来、オリジナル・アルバムは16作目。30年を超えるキャリアの持ち主でも、新作ではいつも新しい切り口を聴かせてくれる。『Poetry in Motion』(17年)に続く今作は、若手のアーティスト(ブレア・ブライアントなど)や、新鋭のプロデューサー(ダーレン・ラーン、グレッグ・マニングなど)とのコラボを新機軸とした傑作だ。

ナジーは、テナー・サックスをメインに、アルト、ソプラノのサックスとフルートをバランス良く持ち替えて演奏する。特にフルートの演奏は必ず数曲アルバムに入れている。今作も、10曲中3曲がフルート演奏の曲。冒頭を飾る2曲で演奏していることもあり、フルートの演奏が強く印象に残る。

1曲目「Bella Visata」は、滑らかに疾走するフルートが心地いいハイライト曲。作曲は、ナジーとプロデューサーのデモンテ・ポセイの共作。ポセイとは『The Morning After』(13年)以来のコラボレーションで、この新作の4曲をプロデュースしている。バカラック曲「Alfie」のカバーもポセイによるプロデュース曲。編曲はいわゆる<ウィズ・ストリングス>的にオーケストラをバックに、ナジーがフルートで演奏する。上品なストリングスと交わる、ストレート・ジャズ的なナジーのフレージングも素晴らしい。いつか、ウィズ・ストリングスのフル・アルバムを作ってほしいなあ。

「Speak Love!」は、グルーヴィーなビートのキャッチーなスムーズジャズ・チューン。グレッグ・マニングの作曲とプロデュース作品。今回マニングが3曲をプロデュースしているのも聴きどころ。「Sumthin’ Sumthin’」はマニングがプロデュースしたカバー曲。オリジナルは、ソウル・シンガー、マックスウェルの代表曲(96年)。ナジーのメロウなソプラノ・サックスで、アーバン・ムードに仕上げたアレンジが素晴らしい。

「Face to Face」は、サックス奏者ダーレン・ラーンとの共作曲で、ラーンのプロデュース。ナジーのフルートとラーンのサックスのインタープレイがスリリングな佳曲。「Center of the Heart」は、新鋭のベース奏者ブレア・ブライアントが作曲/プロデュースした曲。ブライアントの熱量溢れるベース演奏とナジーのテナーの交錯が聴きどころ。「One Note Love」は異色な1曲。ナジーのツアー・メンバーだというロッド・ボナーが作曲/プロデュースした、ラップ(スパーブ・クローソン)をフューチャーしたヒップな曲。かように、有名無名に関わらず才能ある若いアーティストとさりげなくコラボするところは、ナジーのチャレンジ・スピリットの現れだろう。

最後を飾る「Tonight We Say Goodbye」は、ナジーとポセイのコラボ曲で、ナジーの代表曲になりそうな佳曲。コンテンポラリーなメロディーと、ホーン・セクションの都会的なアレンジが素晴らしい。ナジーのアルト・サックスにたっぷりと魅せられるのに、フェード・アウトが何とも心残り。

ナジーならではの心地いいメロウ・グルーヴが発揮された秀作。

 

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コメント

Najeeは、フルートあっていいですね。
そのフルートのAlfie、ストリングスと交わって
いい感じです。私もウィズ・ストリングスができたら
いいなと思いました。
6曲目他のグレッグ・マニングは、Dance with YouのGreg Manningでしょうか?
(Dance with You 好きです)
Speak LoveはDance with Youみたいな感じがしました。

投稿: sugi | 2019年12月 7日 (土) 22時04分

コメントありがとうございます。
ナジーのフルート、いいですよね。全曲フルートでウィズ・ストリングスの企画アルバム作ってくれると嬉しいですね。
Dance with Youのグレッグ・マニングです。Speak Loveも、マニングらしいメロディとビートのいい曲だと思います。

投稿: UGASAI | 2019年12月 8日 (日) 14時41分

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