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2020年4月12日 (日)

Roman Street 「Balcony of the World」(2020)

ローマン・ストリートは、トンプソン兄弟(ジョシュとノア)によるギター・デュオです。フラメンコをベースに、ラテン系の音楽、ジャズやポップスを取り込んで、ギター2本で表現する気鋭の二人組。

現代的なフラメンコ、いわゆる「ニュー・フラメンコ」の世界には、ギター2本による達人デュオが何組もいます。例えば、ララ&レイズ(Lara & Reyes)、ヤング&ロリンズ(Young & Rollins)は、両組とも2000年初頭に活躍したユニット。ストランズ&ファラ(Strunz & Farah)は、現役で活動中の二人組。いずれもアメリカ出身ユニットで、2本ギター、フラメンコのクロスオーバーという音楽スタイルは共通で、ローマン・ストリートの二人にとっての”ロール・モデル”でしょう。

先人の3組は、ギターの至芸をアピールする、まさにヴァチュオーゾの演奏が魅力ですが、ローマン・ストリートの二人はポップス寄りのソフィスティケートな音楽性が魅力です。わたしも、彼らの音楽には強く惹かれています。ポップなセンスもあり、ソフトな音像でもグルーヴを感じます。

さて、そのローマン・ストリートの6作目となる新作。前作「Bohemia」から4年ぶり、全11曲(オリジナル9曲とカヴァー2曲)からなるスタジオ・アルバムです。

まず真骨頂はフラメンコ・スタイルの曲。「Find the Light」、「A Night in Soulfriere」、「Intrigue」での、ソリッドなギターで奏でるエキゾチックな曲想に釘付けになります。カヴァーの1曲「Navidad」はジプシー・キングスの曲(『Love & Liverte』所収、1993)で、ダイナミックなニュー・フラメンコ・スタイルの好演です。

ポップな表情を見せてくれるのは、「I’ll Be Around」。ザ・スピナーズのヒット曲(1972)のカヴァーで、フィラデルフィア・ソウルの名曲を「料理」するセンスの良さに脱帽です。オリジナルの「Two Steps」、「Turn It On」、「Rosemary Beach」、いずれも親しみやすいポップな曲で、活き活きとしたアンサンブルを聴かせてくれます。

「Island Time」は、前作「Bohemia」に入っていた曲。前作のインスト・トラックに、女性シンガー(Danise Small)が歌詞を付けて歌うバージョンです。個人的には、前作のインスト・バージョンが好みですが。

ラストの「Balcony of the World」は、二人のギター合奏がメインのドラマチックな曲想で、スケールの大きい景色を見せてくれます。

ニュー・フラメンコかニュー・エイジか、スムーズジャズかワールド・ミュージックか、そんなジャンル分けは無用の素晴らしい作品です。

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