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2020年4月 4日 (土)

Four80East 「Straight Round」(2020)

カナダのトロントを拠点に活動する二人組(ロブ・デボール、トニー・グレイス)、「Four80East(フォー・エイティ・イースト)」の新作です。1997年の『The Album』を皮切りに、エレクトロ系のコンテンポラリー・ジャズ・ユニットとしてユニークな作品を発表しています。

エレクトロ系と形容してもその音楽性は、一筋縄ではいかないところが、このユニットのユニークなところです。とりわけ前作『Four on the Floor』(5曲入りEP)では、全編ダンス・グルーヴが扇動する圧巻の“フロア・ミュージック”でした。

この新作は、前作のダンス・グルーヴは引きずらないで、本来のアバンギャルドな音楽性が発揮された作品です。一見(聴)、エレクトロ系のミニマリズムに覆われていますが、ソリッドなグルーヴが充実した秀作です。

「Around The Corner」は、反復するビートに見え隠れする音の断片に既視感が。隠し味は、「ホール&オーツ」でしょうか。
「Ba Ba Brazil」は、サンバをテーマにしたメロウな曲。エレキ・ピアノとフルート(ビル・マクバーニー)の掛け合いが聴きどころ。

「Slinky Joe」で登場するハーモニカ(スティーヴ・マリナー)には意表を突かれます。ブルース・スタイルの演奏で、ディープなシカゴ・ブルースといったムードです。「The Outlaw」にも、そのハーモニカがフィーチャーされていますが、こちらはヘビーなカントリー・ブルースのおもむきで、再び意表を突かれます。スティーヴ・マリナー(Steve Marriner)は、同じくトロントを拠点とするシンガーであり、ブルース・ハープの名手です。

「After Tonight」は、生ギターとエレキ・ピアノ、トランペット(ウィリアム・スペランディー)をフィーチャーした曲。メランコリーなトランペットが印象的な、アーバンなムードの曲です。

一連のアルバムで聴けるスタジオ・ワークも素晴らしいですが、ライヴ・ギグでの演奏ではバンドとしての真価を発揮しています。ライブ映像や、ライブ録音アルバム『Four80east Live』(2014)を聴くと、フュージョン/コンテンポラリー・ジャズ・バンドとしての好演に、認識を新たにするはずです。

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コメント

ソリッドでタイト、まさに言われる通り。小生のヘビィーローテーションになりました。ソロがそこそこ長くて嬉しい、特筆できるのはバックである屋台骨のリズム陣が、あれこれ打ち方や合の手?を変えて飽きさせません。そんなところを聞いている人にはかなり良いのでは。個人的には、S-Tone Inc.「Lost & Found」(2013)、ROMAN ANDREN「RAIN KING」(2016)を思い出しましたがこの2枚はややボーカルをフィーチャー。この「Straight Round」はすべてインストで、そこが良いところ。

投稿: yama_chan | 2020年5月 2日 (土) 22時29分

コメントありがとうございます。
ビートのループが中毒的でたまりませんね。
ロマンアンドレンとの共通性とは、なるほどです。
S-Toneは初耳なのでぜひ聴いてみます。ご紹介ありがとうございます。

投稿: UG | 2020年5月 3日 (日) 14時07分

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