« Keith McKelley 「Liquid Smoke」(2020) | トップページ | Skinny Hightower「Blue Moon」(2020) »

2020年5月10日 (日)

Nils 「Caught In The Groove」(2020)

ニルスの新作は、非の打ちどころがない傑作です。10作目となるソロ・アルバムは、全12曲、カヴァー曲なし、自作オリジナルで固めた会心の作品。

演奏陣は、ミッチ・フォアマン(キーボード)、ジョニー・ブリット(キーボード、コーラス、ホーン・セクション)、ダリル・ウィリアムス(ベース)、クリデン・ジャクソン(コーラス、キーボード)、オリバー・C・ブラウン(パーカッション)など、前作『Play』(2018)でも参加していた布陣が中心です。

演奏陣の創るサウンドは隙がなく緻密ですが、今回はゲストの独奏はほとんどなく、終始にわたりニルスのギター演奏が主役として躍動します。オーガニックなリズム・セクションに、ホーン・セクションやシンセを配したアレンジは絢爛で、ヒット・ポップスのように均整のとれたサウンド。ニルスのギターは、派手にテクニックをひけらかすのではなく音色の変化を繰り出して魅力的です。シャープな音粒や、スイングするコード・ストローク、エコーによるトリップ感など、惹き込まれるディテールが途切れません。

「Caught In The Groove」はハイライト・トラックで、ファンクな味付けのハッピー・グルーヴが絶品。
「Good Times Are Better」は、アルバム中唯一のゲスト独奏が入る曲。終盤のピアノ(フォアマン)とコード・ストロークの交錯がダイナミックです。

「I Like The Way You Do It」は、キャッチーなポップ・ソングです。ホーン・セクションとブリッジの歌詞付きコーラスが溶け合うサウンドは至福の味わい。「Above The Clouds」も、70年代の王道ポップスを思わせます。センスのいいコーラスやホーン・セクションにうなされます。「Stratmosphere」も、ベイビーフェイス風のスウィート・ソウル・コーラスが隠し味以上の存在感。この3曲いずれも、コーラスとホーン・セクションは、ジョニー・ブリットが担っています。

「Finally Here」は、タイトなワンツーのリズムに乗って、ストロークを混ぜたプレイはさりげなくとも、聴きこめば超絶な演奏が分かるはず。
「My Mornings With You」はメロウなバラードで、ギターのダビング重奏が聴きどころ。ブルージーなソロで、硬派な表情を見せてくれます。

新作が出るたびにベストだと思うけれど、本作はニルスの「ベスト・オブ・ベスト」と挙げたい秀作です。

|

« Keith McKelley 「Liquid Smoke」(2020) | トップページ | Skinny Hightower「Blue Moon」(2020) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« Keith McKelley 「Liquid Smoke」(2020) | トップページ | Skinny Hightower「Blue Moon」(2020) »