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2020年6月 7日 (日)

Chris Standring 「Real Life」(2020)

ギター奏者クリス・スタンドリングの、13枚目のソロ・アルバムです。前作『Sunlight』(2018)の後、リミックス集『Best of Chris Standring Remixed』(2019)をはさんで、スタジオ作品としての新作です。

サポート陣は、前作にも参加していたアンドレ・ベリー(ベース)、クリス・コールマン(ドラムス)、デイヴ・カラソニー(ドラムス、ザ・リッピングトンズ)らのリズム・セクションと、ゲストはミッチェル・フォアマン(ピアノ)、マット・ロード(フェンダー)、ヴァネッサ・へインズ(ボーカル、インコグニートのシンガー)の顔ぶれです。

オリジナル9曲(1曲は共作)を含む全11曲の内容です。近年の、『Electric Wonderland』(2012)や『Don't Talk, Dance!』(2014)の、ラウンジ・ビートが際立った秀作に比べると、比較的にオーセンティックな味わいの作品です。ギターも従来のエレクトリックに加えて、アコースティックな音色が新鮮です。

「Is There A Doctor In The House ?」は、スタンドリングならではの、ビートが前面に出たハイライト曲。ハッピーな曲調に、オーバー・ダビングのコーラスのつかみがグッときます。「Shake You Up」でもコーラスやハンドクラップ、「Whatever She Wants」ではハンドクラップ、それぞれが効果的で、いずれもハッピーなサウンドなのが今回の特徴です。

「What Goes Around」は、おなじみのトークボックス・エフェクトをフィーチャーした曲で、このスタイルを愛聴するファン(わたしも)としては嬉しい曲です。
「Another Train」はアコースティックな弦音を使った、ドリーミーなムードの曲。「This Mess is a Place」も、アコースティックを使った浮遊感のある曲です。

「Tell Me A Bedtime Story」はカヴァー演奏で、オリジナルはハービー・ハンコックの名曲。ハンコックのアルバム『Fat Albert Rotunda」(1969)に入っている曲ですが、クインシー・ジョーンズが『Sounds... And Stuff Like That !』(1978)で演奏したバージョンが有名でしょう。今回のスタンドリングのカヴァーは、原曲をゴージャスにアップデートした名演です。ジャージーでクールなギター・パッセージが絶品です。

最後の曲「Prelude from Bach Cello Suite #1」は、バッハの無伴奏チェロ組曲1番のプレリュードのギター・ソロです。イギリスのクラシック・ギター奏者、スタンリー・イエーツによる編曲を演奏しています。この演奏は、スタンドリングが昨年ビデオで公開していました。弾いているクラシック・ギターが注目で、スペインのセルヒオ・ペレスという製作家の、”セゴビア”モデルというギターのようです。クラシック・ギターの巨匠アンドレス・セゴビアの名前を命名したモデルです。スタンドリングの、クラシック・ギター至芸にも魅了されます。

ところで、スタンドリングは最近、ギター奏者トム・ロテラとコラボを重ねています。ロテラの最新シングル、「Eddie's Ready」「Soul Kitchen(Live)」の2曲は、いずれも共作の楽曲で、スタンドリングのプロデュースによるものです。2人のセッションの模様も、ビデオで公開されています。ロテラのフル・アルバムを、スタンドリングのプロデュースで制作中のようです。期待しましょう。

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コメント

UGASAIさん、こんにちは。

「スムーズジャズを楽しむ50枚のアルバム」に書かれたアーディストを読みながら、やっと最初のサックス編の18人を聴き終えました。もともと、Najee(ちなみに、僕のハンドルネームは彼から)やEuge Grooveが好きで、紹介された中ではVincent Ingalaが気に入りました。

さて、Chris Standring、良いですね♪
ドライブしながらBGMにすると良い感じです!
新譜Real LifeではWhatever Sge Wantsが好きです。いまは前作Sunlightを聴いています。

投稿: Nojee | 2020年6月 9日 (火) 15時24分

コメントありがとうございます。
早速に<18人>を聴き終えられた!とは、紹介した甲斐があります。
ぜひ<50枚>の制覇をして、ご感想をお知らせください。

投稿: UGASAI | 2020年6月 9日 (火) 21時25分

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