カテゴリー「グループ」の79件の記事

2020年9月13日 (日)

Special EFX 「All Stars」(2020)

スペシャルEFXの、『Deep As The Night』(2017)に次ぐ新作です。

スペシャルEFXは、ギター奏者キエリ・ミヌッチによるコレクティブ・プロジェクトです。メンバーが流動的に集合して音楽作品を創るのがコレクティブというスタイル。この新作は「オール・スターズ」と名付けられた通り、ミヌッチが総勢18名におよぶトップ級のミュージシャンを迎えて創り上げた作品です。

ソロをフィーチャーしたアーティストは、リン・ラウントゥリー(トランペット)、ディビッド・マン(サックス)、エリック・マリエンサル(サックス)、ネルソン・ランジェル(サックス)、ラオ・タイザー(キーボード)など、過去作品やツアーでの共演を重ねた人たちが並んでいます。また、レジーナ・カーター(バイオリン)、アントワン・シルバーマン(バイオリン)、ミノ・チネル(パーカッション)、メイザ・リーク(ボーカル)といった逸材を起用しているのが興味を引かれます。

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2020年8月 9日 (日)

Under The Lake 「Your Horizon Too」(2020)

アンダー・ザ・レイクは、キーボード奏者ジェイソン・ティップ(Jayson Tipp)が率いるコンテンポラリー・ジャズ・ユニットです。ティップがこのユニットを結成したのは28年前、1992年に遡ります。

アルバムは、『Dive In』(1993)『Up For Air』(1996)をリリースした後、活動を休止します。10年のブランクを経て再結成、『People Together』(2007)を発表します。それからまた10年後に、『Jazz, Groove & Attitude』(2018)をリリース。今回の新作は、同ユニットの作品としては5作目となります。

ティップ以外は、アルバムごとにメンバー編成が変わっています。本作のメンバーは、ジェイソン・ティップ(キーボード)、ネーサン・ブラウン(ベース)、リチャード・セラース(ドラムス)、クワンタン・ジェラルド・W(サックス)に、パトリック・ヤンダール(ギター)が加わりました。ヤンダール以外は、3作目の『People Together』と同じメンバーです。ブラウンは、2作目にも参加していました。ジェラルド・Wとヤンダールは、それぞれソロとして活躍するミュージシャンで、ソロ・アルバムも多数リリースしています。

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2020年4月25日 (土)

The Smooth Jazz Alley 「Let's Ride」(2020)

ザ・スムーズ・ジャズ・アレイは、サンフランシスコを拠点に活動する2人組のユニットです。

キーボード奏者マルコ・モントーヤ(Marco Montoya)とギター奏者スタン・エヴァンス(Stan Evans)が、2016年に第1作『Been A Long Time Comin』をリリース。その後エヴァンスと入れ替わりに、ドラム奏者ケヴィン・ルイス(Kevin Lewis)が参加しました。第2作となる本作は、モントーヤとルイスによる新生ユニットの新作です。

ゲストは、キエリ・ミヌッチ(ギター)、ジョエル・デル・ロザリオ(ギター)、アンディ・スニッツアー(サックス)、レブロン(サックス)、エリック・マリエンサル(サックス)、トニー・ゲレロ(トランペット)、ロバート・バレー(ベース)、マット・ゴーディナ(プロデュース/ギター)など、スムーズジャズ・ファンには馴染みの深い代表的なアーティストが多数参加しています。
第1作のメンバーであったスタン・エヴァンス(ギター)も半数の曲で、共作と演奏に参加しています。

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2020年4月12日 (日)

Roman Street 「Balcony of the World」(2020)

ローマン・ストリートは、トンプソン兄弟(ジョシュとノア)によるギター・デュオです。フラメンコをベースに、ラテン系の音楽、ジャズやポップスを取り込んで、ギター2本で表現する気鋭の二人組。

現代的なフラメンコ、いわゆる「ニュー・フラメンコ」の世界には、ギター2本による達人デュオが何組もいます。例えば、ララ&レイズ(Lara & Reyes)、ヤング&ロリンズ(Young & Rollins)は、両組とも2000年初頭に活躍したユニット。ストランズ&ファラ(Strunz & Farah)は、現役で活動中の二人組。いずれもアメリカ出身ユニットで、2本ギター、フラメンコのクロスオーバーという音楽スタイルは共通で、ローマン・ストリートの二人にとっての”ロール・モデル”でしょう。

先人の3組は、ギターの至芸をアピールする、まさにヴァチュオーゾの演奏が魅力ですが、ローマン・ストリートの二人はポップス寄りのソフィスティケートな音楽性が魅力です。わたしも、彼らの音楽には強く惹かれています。ポップなセンスもあり、ソフトな音像でもグルーヴを感じます。

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2020年4月 4日 (土)

Four80East 「Straight Round」(2020)

カナダのトロントを拠点に活動する二人組(ロブ・デボール、トニー・グレイス)、「Four80East(フォー・エイティ・イースト)」の新作です。1997年の『The Album』を皮切りに、エレクトロ系のコンテンポラリー・ジャズ・ユニットとしてユニークな作品を発表しています。

エレクトロ系と形容してもその音楽性は、一筋縄ではいかないところが、このユニットのユニークなところです。とりわけ前作『Four on the Floor』(5曲入りEP)では、全編ダンス・グルーヴが扇動する圧巻の“フロア・ミュージック”でした。

この新作は、前作のダンス・グルーヴは引きずらないで、本来のアバンギャルドな音楽性が発揮された作品です。一見(聴)、エレクトロ系のミニマリズムに覆われていますが、ソリッドなグルーヴが充実した秀作です。

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2020年1月28日 (火)

Brian Simpson & Steve Oliver 「Unified」(2020)

ブライアン・シンプソンとスティーヴ・オリヴァーのコラボレーション作品。二人の名義を冠した作品としては初めてですが、シンプソンの作品では共演を重ねてきた間柄。

Persuasion』(2016)では4曲。続く『Something About You』(2018)は、10曲中6曲で共作・共演。そして本作に至るという経緯です。シンプソンは、過去作品で多くのアーティストとコラボしていますが、その中でもオリバーとの「化学反応」がフル・アルバムを作るほどに相性が合ったということでしょう。

全11の楽曲は全て二人の共作とクレジットされています。ゲストは、リック・ブラウンが1曲(「Fired Up」)に参加していますが、ほとんどのトラックは2人を、アレックス・アル(ベース)、エリック・バレンタイン(ドラムス)、ラモーン・イスラス(パーカッション)のリズムセクションが支えています。

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2020年1月18日 (土)

Ramsey Lewis & Urban Knights 「VII」(2019)

60年を超えるキャリアを有するジャズ界のレジェンド、ピアノ奏者のラムゼイ・ルイスは御歳84才で、すでに引退表明をしています。この新作はキャリアの終点を飾る作品になるかもしれません。このアルバムのライナー・ノーツにも、自ら「このアルバムがリリースされる頃には、私はリタイアしているだろう」と述べています。

ルイスにとって記念碑的な作品ということに加えて、「アーバン・ナイツ」の名義を冠した作品としては、14年ぶりの7作目というのが大注目です。

アーバン・ナイツは、95年に『Urban Nights』(GRPレーベルから)をリリースしたスター・ユニット。ルイスを筆頭に、グローバー・ワシントン・ジュニア(サックス)、オマー・ハキム(ドラムス)、ヴィクター・ベイリー(ベース)という当時のジャズ/フュージョン界のトップ・スターが集結して、プロデュースはモーリス・ホワイト(アース・ウィンド・アンド・ファイアー)というドリーム・チームでした。

その後、アーバン・ナイツ名義のアルバムは、2005年の『VI』まで6作品が作られましたが、ラムゼイ・ルイス以外の1作目のメンバーが再び集結することは無く、作品ごとに参加メンバーが変わりました。97年の2作目『II』こそ、ジェラルド・アルブライトナジージョナサン・バトラーら、1作目に劣らない実力派の布陣でしたが、それも一度切り。

『III』以降はレーベルがナラダ・ジャズに移り、ケヴィン・ランドルフ(キーボード)やケニー・ギャレット(サックス)、カルヴァン・ロジャース(ドラムス)、シャレー・リード(ベース)など、作品ごとにメンバーが変わります。6作目『VI』(05年)では、ラムゼイ・ルイスも演奏に加わったのは2曲(全11曲中)のみ。ちなみに、ルイスの実息であるフレイン・ルイスが、2作目からプロデューサーとして制作を手掛けています。

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2020年1月 5日 (日)

The Rippingtons 「Open Road」(2019)

皆さま、明けましておめでとうございます。今年も、グッと来たスムーズ・ジャズ作品を紹介していきますので、引き続き読んで頂けると嬉しいです。

さて、昨年の初めにリリースされていたが、聴きそびれていたザ・リッピングトンズ(以下リップス)の新作アルバムです。リップスは、デビュー以来30年を超えるキャリアのベテラン・ユニットで、良くも悪くも、聴く前からそのサウンドが想像できてしまう、という思い込みがあって時間が経ってしまいました。

近年は、ラス・フリーマンのワンマン・バンドの傾向がさらに増して、ワン・パターンと酷評も目にします。一方で、根強いファンもいるからこそ、コンスタントに新作をリリースして、必ずチャートに入りますから、さすがです。この新作は通算23作品目、前作『True Stories』(16年)から3年ぶりのオリジナル・アルバムです。

例によって、ほとんどの演奏はフリーマンによるワンマン・トラック。ドラムスはデイヴ・カラソニー、数曲でサックスはブランドン・フィールズが参加しています。ツアー演奏のリップスは、カラソニーとフィールズに、ベースのリコ・ベルドが加わったメンバーのようですが、レコーディングは徹底してフリーマンが一人でこなしています。前作では、同じ4人のメンバーによるアンサンブルも聴けたのですが、今作品では見当たらないのはちょっと残念。

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2019年11月 3日 (日)

Spyro Gyra 「Vinyl Tap」(2019)

スパイロ・ジャイラの6年ぶりの新作はカバー演奏集。今作のメンバーは、不動の4人、ジェイ・ベッケンスタイン(sax)、トム・シューマン(key)、フリオ・フェルナンデス(g)、スコット・アンブッシュ(b)と、新加入のドラム奏者ライオネル・コーデュー。前任のドラム奏者リー・ピアソンは前作1作のみで交代となった。コーデューは、ラウル・ミドン、スペシャルEFX、キエリ・ミヌッチ、チャック・ローブなどのレコーディングに参加しているセッション・ドラマー。

前作『The Rhinebeck Sessions』(13年)はメンバー5人だけによるインタープレイがスリリングな作品だった。今作のライブ的な演奏も前作を凌ぐ続編を思わせる。著名なポピュラー曲を分解して再構築するアプローチは、オリジナル曲と遜色のない創意を発揮した秀作。ジャズ寄りに重点を置いたインタープレイも外連味など見せない情熱的な演奏だ。

アルバム・タイトルの<ビニール>が意味するように、かつてのアナログ・レコード時代をテーマに取り上げた選曲が並ぶ。「Sunshine Of Your Love」(クリーム)、「Can’t Find My Way Home」(ブラインド・フェイス)、「What A Fool Believe」(ドゥービーブラザース)、「The Cisco Kid」(ウォー)などの70年前後の骨太なロックを題材にしたのは、意外に見えてもソリッドな演奏には最適な選曲。

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2019年10月20日 (日)

Tom Grant and Phil Baker 「Blue Sapphire」(2019)

トム・グラントは、70年代後半のデビューからフュージョン/クロスオーバーの音楽シーンで活躍してきたキーボード奏者。ソロ・アルバムは20作を超える。ライトでコンテンポラリーな音楽性はスムーズジャズの先駆者の1人といえる。近年は、自己のレーベル、nu-Wrinkle レコードから定期的に作品を発表している。アンビエントな作品を出したり、コマーシャルな路線とは一線を画す姿勢で音楽を追求しているようだ。この新作は、ベース奏者フィル・ベイカーとのコラボ・アルバム。

フィル・ベイカーは、サイド・マンとしてジノ・バレリなどとの共演を経て、2003年からはジャズ・オーケストラのピンク・マルティーニのメンバーである。グラントの作品にも長年、演奏や制作に参加していた。中でもグラントのアルバム『Tune It In』(2000)は、2人が楽曲の共作と共同プロデュースをコラボとして手がけた作品だった。今回の新作は、両名の名義を冠した初めてのアルバムで、<リユニオン>がコンセプトになっていると想像する。

2人の共通点は、オレゴン州ポートランド。ポートランドはグラントの出身地で、ベイカーが所属するピンク・マルティーニの活動拠点でもある。今作のゲストの多くがポートランドのミュージシャンで、ポートランドの音楽シーンから、グラントとベイカーの旧知の音楽家が一堂に会したよう。

 

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