カテゴリー「グループ」の記事

2016年9月11日 (日)

Tortured Soul 「Hot for Your Love Tonight」(2015)

Torturedsoul

トーチャード・ソウルは、ジョン・クリスチャン・ユーリック(ボーカル、ドラマー)、イーサン・ホワイト(キーボード)、ジョーダン・スカネラ(ベース)の3人によるバンドで、これは久しぶりの新作。2001年に、ユーリックが中心に活動を開始したバンドで、オリジナルメンバーのベース奏者は、Jason JKriv Kriveloffだったが、2010年に脱退して、スカネラに代わった。その音楽スタイルは、80年代のディスコを下敷きに、打ち込みやオーケストレーション無しに、3人の演奏のみでグルーヴするところが魅力。特に、ユーリックのドラムを叩きながらの、ブルーアイド・ソウルな歌声が魅力だし、ブラック・スーツで統一したトリオのルックスもクール。ダンス・ミュージックとはいえ、ファンク・ジャズやハウス系アシッド・ジャズのテイストもあって、ダンス・ビートだけの軟派な印象に惑わされなきよう。この小編成トリオが繰り出す演奏のキレの良さこそ、硬派なファンク・スピリットが魅力なバンド。コアなスムーズ・ジャズ・ファンにこそ聴き逃して欲しくない。リミックスなどを除くフル・アルバムとしては、6年ぶりで3作目となる待望の新作だが、直前にメンバーのイーサン・ホワイトが2015年3月に急死した直後のリリースとなった。クレジットにはイーサン・ホワイトの名前があるので、完成を終えての他界だったよう。初期の代表曲「Home to You」や、「Did You Miss Me」が今でも愛聴曲なファンとしては既視感を覚える曲が並ぶ。M1「I’ll Be There for You」のメランコリーなディスコ・チューンや、典型的なハンド・クラッピングが印象的なM4「Hot for Your Love Tonight」、キャッチーなM3「Don’t Lead Me On」など、踊らなくとも、トリオのグルーヴに感激するトラックが満載。スローなバラードなど無しの、12曲全曲ディスコ・ビートに終始する、これでもかという怒涛のダンス・ミュージック。これぞ、このトリオの主張を感じて爽快な佳作。

2016年7月17日 (日)

The Rippingtons 「True Stories」(2016)

Jazzcat

ザ・リッピングトンズ(下記リップス)の新作は、結成以来30年を超えて、アルバムは22作目となる作品。ギター奏者ラス・フリーマンの主役は変わらないけれど、久々にバンドとしてのアンサンブル・サウンドが活き活きとしていて、新鮮な秀作になった。サックス奏者は、ジェフ・カシワが退いて、今作品からのサックス奏者は、かつてのメンバーであったブランドン・フィールズが復帰。ブランドン・フィールズは、リップスのオリジナル・メンバーで、デビュー作品「Moonlighting」(1987)から、「Welcome to the St.James’ club」(1990)まで、初期の4作品でメンバーだった。フリーマンと、フィールズ以外の現在のメンバーは、デイヴ・カラソニー(ドラムス)、リコ・ベルド(ベース)、ビル・ヘラー(キーボード)。でも、このアルバムには、ビル・ヘラーのクレジットは無い。アルバムの10曲中、フィールズのサックスが参加しているのは7曲で、それ以外はほとんどフリーマンのワンマン・トラック。M5「Reach Higher」は、フリーマン、フィールズ、ベルド、カラソニーの4人がクレジットされた、唯一のバンド演奏曲。この演奏のアンサンブルはフュージョンのバイブレーションだし、ブランドン・フィールズのサックスは、骨太でファンキーなフレージングで、新鮮なリップス・サウンド。このアルバムで、フリーマンは、ガット・ギターを多用していて、M1「Wild Tales」、M10「True Stories」やM6「Dreamcatcher」で聴ける。ジェフリー・オズボーンの歌声がフューチャーされたキャッチーなポップ曲、M4「My Promise To You」でも、ガット・ギター。特にM3「Flamenco Beach」は、ワンマン演奏のトラックで、フラメンコ・スタイルのソロ・ギターが素晴らしい。M8「Kings Road」では、片やエレキ・ギターが印象的で、フィールズのサックスはパワフルだし、カランスキーのドラム・ソロが「珍しくも」フューチャーされている、ロックのノリを感じさせる、リップスとしての新機軸の演奏。聴きどころが多い多彩な作品だけれど、今度は、メンバーだけのバンド・アルバムを作ってほしいなあ。

2016年5月 8日 (日)

BWB 「BWB」(2016)

Bwb_2

リック・ブラウン(トランペット)、カーク・ウェイラム(サックス)、ノーマン・ブラウン(ギター)、3人によるユニットBWBの3作目となる強力な新作。2002年にデビュー作「Groovin」を出して、フルアルバムの2作目「Human Nature」はなんと10年後の2013年リリースだった。「Groovin」も、「Human Nature」もカバー演奏中心の作品だったけれど、この新作はなんと10曲すべて、オリジナル作品というから、待ち焦がれたファンは狂喜せずにいられない。7曲が3人の共作で、残り3曲はそれぞれが各1曲を作曲。過去のカバー演奏も良かったけれど、楽曲としても佳曲揃いのオリジナル曲を並べたこの新作こそ真骨頂。3人の生み出すグルーヴは、パワービートにあらず、リラックスムードに溢れていて、いやはや何ともカッコいい。そして今作の特色は、3人がコーラスを担当していて、そのコーラスを配した曲が新機軸。M2「Bust a Move」や、M6「Lemonade」、M8「Hey Baby」、M10「Turn Up」は、いずれも、そのコーラスが聴ける曲で、コーラスの効果もあってどれもポップな佳曲。3人のコーラスは、ハモるようなテクニックもなく、荒削りだけれどリラックスしたムードが伝わる、ピュアでハートフルな魅力に溢れている。もちろん、演奏に徹した曲も当然に聴き逃せない。M1「Triple Dare」は、3人のソロとインタープレイが光るスムーズジャズ・チューン。M7「Memphis Steppin’」は、オールドスクール的なソウル・メロディがキャッチーな曲で、ブラスセクションをバックに、3人のチェイスするような交差するアドリブは鳥肌もの。M3「BWB」はレゲエのリズムを、M4「Bolly Bop」ではインド風のメロディーを織り込んだ曲、というように曲ごとにアレンジやサウンドデザインも彩色豊かで素晴らしい。次の作品もオリジナルで作ってほしいけど、何年後だろう。

2016年4月30日 (土)

Yellowjackets 「Cohearence」(2016)

Cohearence

イエロージャケッツの新作は、お馴染みのボブ・ミンツァー(kb)、ラッセル・フェランテ(sax)、ウィリアム・ケネディ(dr)に、新メンバーのベーシスト、デーン・アルダーソンが加わった新体制での初作品。イエロージャケッツは、1981年結成で、オリジナルメンバー、ラッセル・フェランテを筆頭に、他メンバーもおそらく全員60代だろう。新加入のアルダーソンは、30代前半の若さというから、新しい化学反応が起きるのだろうか。ジミー・ハスリップが、「Timeline」(2010)を最後に脱退。その後、「A Rise in The Road」(2013)で、フェリックス・パストリアスが加入。フェリックスは、ジャコ・パストリアスの息子だから、当然話題になったのだけれど、1作を残してわずか1年で脱退してしまった。「A Rise in The Road」は、正直、ハスリップの抜けた穴は大きい印象の作品だった。話題のフェリックスも、父親譲りの才能の片鱗を見せられたのかどうか。遠慮がちのプレイにも聴こえたし、バンドに溶け込めていない感じがしたのだが。という訳で、当然のごとく、デーン・アルダーソンのベース演奏に耳が行ってしまう。M2「Guarded Optimism」では、オーソドックスなフォービートのランニング・ベース。M3「Anticipation」では、ミッドテンポの流れるようなフレーズが魅力的だ。M5「Trane Changing」は、フェリックス・パストリアスがラッセルと共に作曲も共作者としてクレジットされている作品。フェリックスが在籍中の、置き土産だろうか。曲想はオーソドックスなジャズだけれど、皮肉にも、アルダーソンのアドリブは、一番生き生きとしていて、トラックの出来もアルバム中秀逸。ジャコばり、とは言いすぎだけれど、必聴のプレイを聴かせてくれる。作品のムードは、曲想も演奏も、伝統的でモードなジャズ路線。ミンツァーやフェランテのインプロビゼーションは枯れた味わいがあるし、4人のアンサンブルも隙が無くて完璧で、これはこれでいいのだけれど。ジミー・ハスリップがいた頃の、複雑系リズムやダイナミックな曲展開は聴けないのは残念。ロベン・フォードがいたデビュー作「Yellowjackets」(1981)のスピード感全開のフュージョンも懐かしい。

2016年4月10日 (日)

The JT Project 「Moments of Change」(2016)

Change

トッド・シフリン(sax)とジェイコブ・ウェッブ(kb)の2人による「ザ・JT・プロジェクト」は、前作「Under the Covers」を聴いて、これは只者ならないユニットだと。ルックスもスター性を感じるし、そのうちにビッグになりそうだと注目したが。やはり、早くも、この新作は、メジャーレーベル「トリッピン・リズム・レコード」からの第1作で、内容も傑作だ。キャッチーなメロディーが印象的で、ビート感覚に溢れた曲、M1「Overdrive」、M6「Moments of Change」、M3「Talk About It」、M9「Don’t Blink」、はどの曲も、そのグルーヴが魅力にあふれる、白眉なスムーズ・ジャズ・チューン。「Don’t Blink」は、サックスとキーボードがユニゾンで主メロを「歌う」あたりに、まるでデュエットのような佳曲。これらのスムーズ・ジャズ・チューンは、「トリッピン・リズム・レコード」らしいポップな楽曲だし、このユニットの代表的なスタイルとして、リスナーに支持されるはず。片や、M10「Love Passion Correspondence」や、M12「Talia」、M13「Sng for Kg」は、インプロビゼーションを中心にしたコンテンポラリー・ジャズの演奏で、こちらもこのユニットの真骨頂。こんな硬派で技巧的なジャズの裏付けがあるところが、このユニットの魅力。「Talia」を聴けば、シフリンのサックスに、グイグイ引っ張られるような引力を感じるはず。今年のベスト級の1枚。

2016年3月 5日 (土)

Jeff Lorber Fusion 「Step It Up」(2015)

Stepitup

新生「ジェフ・ローバー・フュージョン」の作品は、「Now Is The Time」(2010)から、 「Galaxy」(2012)、「Hacienda」(2013)と続いて、この「Step It Up」が最新作。「Hacienda」までは、ジェフ・ローバーと、ベース奏者ジミー・ハスリップ、サックス奏者エリック・マリエンサル、の3人のアンサンブル演奏が中心で、ジャケットにも、3人並んでのポートレートが写っていたので、その3人によるパーマネント・バンドだと思っていたけれど。この新作では、エリック・マリエンサルが抜けて、ローバーとハスリップの2人による作品となった。「Galaxy」から「Hacienda」へ至るに従い、プロデュースからアレンジ、作品の共作と、サウンド作りの中核は、ローバーとハスリップ2人になっていたので、この新作が2人による「完成形」なのかもしれない。この新作でも、ローバー特有のめまぐるしく変わるコード・チェンジや、ハスリップの疾走ベース、サックスも、エリック・マリエンサルに代わって、ゲーリー・ミークという人がほとんどの曲に参加しているので、サウンドのカラーは変わらない。「Hacienda」で、かなり尖ったグルーヴが、このユニットの「頂点」を極めたような演奏作品だったが、それに比べると、この新作はクールでレイドバックした「ノリ」が新しい方向性かもしれない。M1「Get Up」や、M3「Mustang」は、そういったクールなグルーヴが新鮮な演奏で、どこか70年代のスティーリー・ダンを思い出してしまう。ローバーとハスリップの共作、M7「Starfish」と、M8「Tenth Victim」は、ゆったりとしたミディアム・テンポで、それでも重量感を失わないハスリップのベースや、ローバーのポップなフレージングが、それまでのJLFサウンドに比べて新鮮な作品。M6「Right On Time」や、M10「Soul Party」は、ローバーが狙うおそらくこのユニットのテーマである、ファンク・フュージョンの回帰を再現するような、ヘビー級のリズムとホーン・セクションが爽快な演奏。ところで、ジミー・ハスリップは、「Timeline」(2011)を最後に、イエロージャケッツを抜けたけれど、それが残念でならない。後任のベース奏者フェリックス・パトリアスが参加した「A Rise In The Road」(2013)では、正直なところ失速感は否めない。M3「Mustang」は、イエロージャケッツの盟友ボブ・ミンツアーが参加した曲で、ミンツアーのフレージングが主役のコンテンポラリー・ジャズの秀作になっている。こんな音作りをイエロージャケッツもやって欲しいなあ。

2016年2月14日 (日)

Jazz Funk Soul 「More Serious Business」(2016)

Jfs

ジェフ・ローバー、チャック・ローブ、エヴァレット・ハープ、3人のスーパー・ユニット、「ジャズ・ファンク・ソウル(JFS)」の、新作。前作はセッションで終わるかなと思いきや、2作目が出たのは嬉しい。ジェフ・ローバーは、ベース奏者ジミー・ハスリップとのユニット、「ジェフ・ローバー・フュージョン(JLF)」の近年作品で聴かせてくれる、グルーヴたるや、白眉で極上の域だ。その他のアーティストの、ローバーのプロデュース作品や、ゲスト参加した作品でも、フェンダーの演奏やリズムアレンジは、聴いただけでもう「ローバー節」と分かる。このJFSでも、ローバー節は当然だけれど、ローブとハープとのコラボが魅力だ。JLFの作品では、サックスはエリック・マリエンサルやボブ・ミンツアー、ギターはポール・ジャクソン・ジュニア、といったところが常連だったので、ローブとハープとの共演自体が新鮮。この新作でも、ローバーの作曲作品、M1「Our Thing」、M5「Gamblin’」、や、ローブとの共作M10「Crusher」では、ホーンセクションはJLFでおなじみのデヴィッド・マンなので、JLFの「続編」の様相ではある。このユニットの特色というか、違いを顕著にしているのは、ハープの存在。ハープの作曲作品、M3「Tuesday Swings」はハイライト作品で、「ポップ」なところに注目。ハープのサックスと、ローブのギターがユニゾンする主題が魅力的だし、抜けのいいサックスに、オクターヴ奏法でスウィングするギター、ローバーのエレピが爽快に飛び交うインタープレイは聴きもの。M6「Timmerdorfer By the Sea」も、ハープの作曲作品で、ラテンムードのポップな曲。ローブも曲調に合わせて、ナイロン弦を弾いている。3人名義の共同作品は1曲、M8「The Love」。この曲もポップな楽曲。ローブがメンバーである「フォープレイ」のような、メロー・ムードの曲。ローバーもアコピを弾いているので、なおさらにそう感じる。ハープのサックスは、この曲でもクリアで爽快な音色が美しい。M4「Fall Departs」は、フォープレイのベース奏者ネーザン・イーストが参加した作品。作曲も、ローバー、ローブとイーストの共作。イーストのベース演奏も存在感があるし、ローバーのアコースティックピアノと、全員のインタープレイが素晴らしい演奏。前作「Jazz Funk Soul」同様、飾り気のない3人のポートレートが微笑ましい。写真の並び順と、それぞれの名前の表記順が、変わったのは、なぜかな。

2015年12月 7日 (月)

Fourplay 「Silver」(2015)

Silver

フォープレイの新作は、25周年を記念する作品。ギタリストは、今のチャック・ローブが3人目だけれど、結成以来、ボブ・ジェームス、ネイザン・イースト、ハービン・メイソン、不動のユニット。全員がバチュオーゾといってもいい個性的な巧者にもかかわらず、4人が奏でるサウンドは、まさに無比なフォープレイ・サウンド。隙の無いアンサンブルに、洗練されたグルーヴは、いつもながら、上質で、上品。 M1「Quicksilver」で聴ける、イーストのスキャットと、ローブのギターのユニゾン、これがまさにフォープレイ・サウンド。チャック・ローブが入ってからのフォープレイは、インプロビゼーションに比重を置いたコンテンポラリー・ジャズのアンサンブルが色濃い。M3「Sterling」は、一体感のあるジャズ・アンサンブルが秀逸な7分超の大作。M5「Silverdo」は、かつての2代目ギター奏者ラリー・カールトンが参加して、ローブとの掛け合いが、鳥肌ものの演奏。この二人でアルバムを作って欲しいなあ。初代ギター奏者リー・リトナーも客演したのは、M10「Windmill」で、アコースティック・ギターと、ゆったりとしたグルーブは、初期のフォープレイを思い起こせてくれる。ちなみに、「Windmill」は、リトナーの「Portrait」(1987)に入っていた曲。M6「Mine」は、ボブ・ジェームスのピアノがエレガントな、映画音楽のようで情景的な佳曲。M10「Aniversario」は、イーストのスキャットと、ダイナミックでファンキーなベース演奏が主役の演奏で、ファンとしては嬉しい曲。初めから終わりまで、贅沢で至福の音世界の秀作。結婚記念なら、25年がシルバー・ウェディング。30年は、パール(真珠)ウェディング。5年後の30周年アルバムは、「Pearl」に間違いない。

2015年12月 5日 (土)

Pieces of a Dream 「All In」(2015)

Allin

ピーセス・オブ・ア・ドリームの、新作。ジェームス・ロイドとカーティス・ハーモンのこのユニットは、バンドに変遷はあっても、この2人が結成からのメンバー。結成以来40年のキャリアでも、前作「In The Moment」(2013)や、ロイドのソロ「Here We Go」(2015)の近作の、どちらも活き活きした内容が、新鮮な秀作だった。この新作は、その近作にも増してベストな内容。フィラデルフィア・サウンドを原点とするこのユニットの、メロウなメロディーや洗練されたフレージングは、長いキャリアを経た完成形。M1「Turn It Up」は、まさにこのユニットらしい、キャッチーな演奏のスムーズジャズ・トラックで幕を開ける。ロイドがソロを出した後なので、もう一人のメンバー、ハーモンがプロデュースしたトラック4曲に目(耳か)がいってしまう。いずれも彼の作曲作品で、ポップなメロディーとカラフルな演奏に注目。M2「All In」、M6「Caribbean Nights」、M8「Up Til Dawn」の3曲が、ハーモン作品で、採用しているサックス奏者トニー・ワトソン・ジュニアという人の、どこかグローバー・ワシントン・ジュニアを彷彿とする演奏が光った秀逸なトラックで、「All In」はベスト・トラック。トニー・ワトソン・ジュニアは、他2曲でもフューチャーされていて、このアルバムの聴きどころ。ロイドの作品、M3「Quiet Night In The City」、M9「Dream On」は、彼のアコースティックピアノ演奏が堪能できるバラード。曲想に合わせたムーディーなインプロビゼーションを聴くと、ジョー・サンプルを思い起こさせて安心感が湧いてくる好演奏。M1「Turn It Up」は、ギター(ローン・ローレンス)のフレーズがキャッチーな、リピート必須のベスト・ソング。ピーセス・オブ・ア・ドリームのベスト作品はもちろん、今年のスムーズジャズ盤ベスト候補。

2015年9月27日 (日)

Groove Ltd. 「First Class」 (2015)

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ユー・ナムの新作は、女性サックス奏者シャノン・ケネディと組んだユニット、その名も「グルーブ・リミテッド」のファースト・フルアルバム。以前にも、シャノンをフューチャーしたプロジェクト、「Nino Deux」名義で、シングル「Love’s No Distance」(2013)、シングル「C’est Le Funk」(2013)、ミニEP「Open Beta」(2013)を出していた。今回の「Groove Ltd.」は、その「Nino Deux」の発展形だろう。グループ名であっても、ユー・ナムはプロデューサーとして、シャノン・ケネディをフロントに打ち出して作り上げた作品。ユー・ナムならではの、ゴージャスなサウンドはもちろん、シャノンをビジュアル的なアイコンに仕立てた演出に、ユー・ナムのサウンド・クリエイターに留まらないコマーシャルな手腕が見える。やり手のビジネス・マンなのかな。M1「First Class」から始まる全12曲(ミックス違いが2曲)、怒涛のビート・チューンの連続は爽快。シャノン・ケネディのサックスは、どの曲でも、ルックスに反してパワフルでファンキーだし、ユー・ナムのギターのグルーヴは、「ベンソン節」にさらに磨きがかかって、本家(ジョージ・ベンソン)よりかっこいい、かもしれない。ドイツ出身のユニット、スリー・スタイルと、カブるスタイルだけれど、サウンドのパワーは断然にこちらですね。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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