カテゴリー「グループ」の記事

2017年12月 9日 (土)

Pieces of a Dream 「Just Funkin' Around」(2017)

Funkin_around

この数ヶ月、ヘビー・ローテーションになって、飽きもせず聴いているのが、このピーセス・オブ・ア・ドリームの新作。タイトル通り、ファンクのバイブレーションが堪能できる傑作。ライブ録音的な演奏で、リアル感溢れるビートにガツンと来ること間違いなし。バンド結成以来のメンバー、ジェームス・ロイド(キーボード)とカーティス・ハーモン(ドラムス)に加えて、サックスのトニー・ワトソン・ジュニア、ベースがデビッド・ダイソン、ギターのランディ・ボーリング、この5人のアンサンブルによる演奏。クワイエット・ストーム的でメロウなスタイルが、このユニットの看板ではあるけれど、それが「静的」としたら、この新作は、骨太なグルーヴが発揮された、「動的」な代表作になりそうな秀作。「ファンク」は、最近のスムーズジャズのキー・ワード。ブライアン・カルバートソンはディープでダンス的なアプローチ、ジェフ・ローバーはハード・フュージョン。このピーセス・オブ・ア・ドリームは、彼らの原点フィラデルフィア・ソウルを下敷きにした洗練されたファンクというところかな。M1「Right Back Atcha」、M2「Just Funkin' Around」、M3「Shaken, Not Stirred」は、そんなファンク・グルーヴに浸れる怒涛の3曲。ジェームス・ロイドのスウィングするキーボードや、最近作品では常連のサポート・メンバーであるトニー・ワトソン・ジュニアのフレッシュなサックス・プレイ、それぞれのフレージングとパワフルなリズム・アンサンブルが爽快。M5「Fast Lane」は、この曲はシンセのオーバーダブを駆使した演奏で、ジェームス・ロイドらしいキャッチーなメロディーの、ヘビロテ間違いなしのポップ・チューン。カーティス・ハーモンの縦横無尽なドラミングが、リアルに録音されているところも、この作品の聴き処です。

2017年11月26日 (日)

Peet Project 「The Bad Boys of Budapest」(2017)

Peet_budapest

ハンガリーのスムーズジャズ・ユニット、ピート・プロジェクトの新作。バイオリン奏者ピーターが率いる5人組バンドは、見た目はボーイズ・ポップ・バンド風ではあるが、ボーカル曲もインスト曲も自らの演奏でこなす技量と、バンドとしてのまとまりはなかなかのもの。曲は、ダンシング・ビートのポップ・チューン中心で、ダンス・バンドのようでもあるけれど、フレッシュで健康的なグルーヴは、ヨーロッパ風にも聴こえて、新鮮。M6「Rosy Cheeks」は、デイヴ・コーズが客演した、キャッチーなハイライト曲。コーズのサックスと、ピーターのバイオリンの際立った掛け合いが必聴の曲。M4「Bring Me to Life」も、ゲストがジョナサン・フリッツェンのピアノと来れば、こちらもスムーズジャズ・ファン必聴の曲。ビートが堪能できる曲こそ、やっぱりこのバンドらしいところ。M1「Downtown Therapy」、M2「Don't Wanna Know」や、M5「Like a Kid」、M8「Shut the Door」、M11「River Cruise」、M13「Kill Your Monster」といった曲は、ボーカルだろうがインストだろうが、「ウキウキ」なダンシング・チューンの佳曲ぞろい。これが、このバンドの特徴的なスタイルで、いずれも二重丸。いつかそのうち、世界的なヒット曲を出すような「気配」、感じませんか。

2017年10月21日 (土)

The JT Project 「Another Chance」(2017)

Anotherchance

ザ・JT・プロジェクトは、トッド・シフリン(サックス)とジェイコブ・ウェッブ(キーボード)の2人によるユニット。トリッピン・リズム・レコードからの1作目「Moments of Change」(2016)は、新しいスムーズ・ジャズのスターを予感させる充実した傑作だった。この新作も、全15曲のボリュームで、前作以上に2人の力量に圧倒される力作だ。冒頭を飾る、M1「Another Chance」や、M2「Give Me the Heat」は、前作の方向性を踏まえた、キャッチーなビートのポップな、とびきりのスムーズジャズ曲。この辺りが、このユニットの代名詞で、M6「Open Your Eyes」、M10「Breath」、M11「Louisa」、M14「Pure Intentions」の各曲も、疾走するグルーヴがたまらない、JTプロジェクトらしい、ぐっとくるスムーズジャズ曲。一方で、技巧的なジャズ・パフォーマンスもこのユニットの特色。コンテンポラリー・ジャズのM4「Segue」は白眉な演奏で、この曲と、M9「Sunlight」の、シフリンの熱のこもったサックスのインプロビゼーションは必聴。ちなみに、この作品の演奏メンバーに、ランダル・ヘイウッド(トランペット)、エイプリル・メイ・ウェッブ(ボーカル)という人が参加しているのだが、この2人は、「Sounds Of A&R(略してS.O.A.R.)」というジャズ・ユニットを組んでいる2人。このS.O.A.R.も、JTプロジェクトと同じトリッピン・リズム・レコードから「Let’s Stay Forever」というアルバムが出ていて、そちらにはJTプロジェクトが客演している、という関係。女性ボーカルの、エイプリル・メイ・ウェッブという人、JTプロジェクトのジェイコブ・ウェッブと、ファミリー・ネームが同じだから、兄妹?姉弟?なのかな。

2017年8月13日 (日)

Special EFX 「Deep as the Night」(2017)

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現在のスペシャルEFXは、ギター奏者キエリ・ミヌッチのソロ・プロジェクトである。かつてのオリジナル・メンバー、ジョージ・ジンダが他界(2001年)した後、ミヌッチがバンド名を引き継いだ。前作「Genesis」(2013)に継ぐ新作で、アーティスト名義は「スペシャルEFX」と表示されていて、キエリ・ミヌッチの名前が無いが、実質的にはミヌッチの作品。1983年のデビュー作から数えて、バンド名義の作品としては21作品目。 M1「Deep as the Night」は、キャッチーな都会的なメロディーが、まさにジャケットの景色のよう。サックスはデヴィッド・マンで、ミヌッチとのアンサンブルが聴きもの。 M2「Another Day, Another Smile」は、アコースティック・ギターとバイオリン奏者アントワーヌ・シルバーマンの掛け合いが温かいムードを作り出す、フォーキーな曲。 M3「Lavish」はスペイン風のメランコリー・メロディーがポップで、リピートしたくなるハイライト曲。客演は、キーボード奏者ニコラス・コール、サックスはエラン・トロットマン。客演が入る冒頭の3曲以外の曲は、ほとんどがミヌッチのギター中心のワンマン演奏のおもむき。M5「Across the Seven Seas」は、ギター演奏はパット・メセニーを思わせる牧歌的な佳曲。M6「Night Shift」、M7「Garden of Eden」の2曲はミヌッチらしい、マイナーなムードのファンキーな音色で、いずれも打ち込み系のサウンドだけれど、ギターのフレージングがアーシーな感じで印象的。ミヌッチの技量的でドリーミーな音色で魅了するギター演奏、ドラマチックなアレンジメント、いつもの路線だけれど、これがファンとしては安心して浸れる、ミヌッチの音楽世界。

2016年9月11日 (日)

Tortured Soul 「Hot for Your Love Tonight」(2015)

Torturedsoul

トーチャード・ソウルは、ジョン・クリスチャン・ユーリック(ボーカル、ドラマー)、イーサン・ホワイト(キーボード)、ジョーダン・スカネラ(ベース)の3人によるバンドで、これは久しぶりの新作。2001年に、ユーリックが中心に活動を開始したバンドで、オリジナルメンバーのベース奏者は、Jason JKriv Kriveloffだったが、2010年に脱退して、スカネラに代わった。その音楽スタイルは、80年代のディスコを下敷きに、打ち込みやオーケストレーション無しに、3人の演奏のみでグルーヴするところが魅力。特に、ユーリックのドラムを叩きながらの、ブルーアイド・ソウルな歌声が魅力だし、ブラック・スーツで統一したトリオのルックスもクール。ダンス・ミュージックとはいえ、ファンク・ジャズやハウス系アシッド・ジャズのテイストもあって、ダンス・ビートだけの軟派な印象に惑わされなきよう。この小編成トリオが繰り出す演奏のキレの良さこそ、硬派なファンク・スピリットが魅力なバンド。コアなスムーズ・ジャズ・ファンにこそ聴き逃して欲しくない。リミックスなどを除くフル・アルバムとしては、6年ぶりで3作目となる待望の新作だが、直前にメンバーのイーサン・ホワイトが2015年3月に急死した直後のリリースとなった。クレジットにはイーサン・ホワイトの名前があるので、完成を終えての他界だったよう。初期の代表曲「Home to You」や、「Did You Miss Me」が今でも愛聴曲なファンとしては既視感を覚える曲が並ぶ。M1「I’ll Be There for You」のメランコリーなディスコ・チューンや、典型的なハンド・クラッピングが印象的なM4「Hot for Your Love Tonight」、キャッチーなM3「Don’t Lead Me On」など、踊らなくとも、トリオのグルーヴに感激するトラックが満載。スローなバラードなど無しの、12曲全曲ディスコ・ビートに終始する、これでもかという怒涛のダンス・ミュージック。これぞ、このトリオの主張を感じて爽快な佳作。

2016年7月17日 (日)

The Rippingtons 「True Stories」(2016)

Jazzcat

ザ・リッピングトンズ(下記リップス)の新作は、結成以来30年を超えて、アルバムは22作目となる作品。ギター奏者ラス・フリーマンの主役は変わらないけれど、久々にバンドとしてのアンサンブル・サウンドが活き活きとしていて、新鮮な秀作になった。サックス奏者は、ジェフ・カシワが退いて、今作品からのサックス奏者は、かつてのメンバーであったブランドン・フィールズが復帰。ブランドン・フィールズは、リップスのオリジナル・メンバーで、デビュー作品「Moonlighting」(1987)から、「Welcome to the St.James’ club」(1990)まで、初期の4作品でメンバーだった。フリーマンと、フィールズ以外の現在のメンバーは、デイヴ・カラソニー(ドラムス)、リコ・ベルド(ベース)、ビル・ヘラー(キーボード)。でも、このアルバムには、ビル・ヘラーのクレジットは無い。アルバムの10曲中、フィールズのサックスが参加しているのは7曲で、それ以外はほとんどフリーマンのワンマン・トラック。M5「Reach Higher」は、フリーマン、フィールズ、ベルド、カラソニーの4人がクレジットされた、唯一のバンド演奏曲。この演奏のアンサンブルはフュージョンのバイブレーションだし、ブランドン・フィールズのサックスは、骨太でファンキーなフレージングで、新鮮なリップス・サウンド。このアルバムで、フリーマンは、ガット・ギターを多用していて、M1「Wild Tales」、M10「True Stories」やM6「Dreamcatcher」で聴ける。ジェフリー・オズボーンの歌声がフューチャーされたキャッチーなポップ曲、M4「My Promise To You」でも、ガット・ギター。特にM3「Flamenco Beach」は、ワンマン演奏のトラックで、フラメンコ・スタイルのソロ・ギターが素晴らしい。M8「Kings Road」では、片やエレキ・ギターが印象的で、フィールズのサックスはパワフルだし、カランスキーのドラム・ソロが「珍しくも」フューチャーされている、ロックのノリを感じさせる、リップスとしての新機軸の演奏。聴きどころが多い多彩な作品だけれど、今度は、メンバーだけのバンド・アルバムを作ってほしいなあ。

2016年5月 8日 (日)

BWB 「BWB」(2016)

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リック・ブラウン(トランペット)、カーク・ウェイラム(サックス)、ノーマン・ブラウン(ギター)、3人によるユニットBWBの3作目となる強力な新作。2002年にデビュー作「Groovin」を出して、フルアルバムの2作目「Human Nature」はなんと10年後の2013年リリースだった。「Groovin」も、「Human Nature」もカバー演奏中心の作品だったけれど、この新作はなんと10曲すべて、オリジナル作品というから、待ち焦がれたファンは狂喜せずにいられない。7曲が3人の共作で、残り3曲はそれぞれが各1曲を作曲。過去のカバー演奏も良かったけれど、楽曲としても佳曲揃いのオリジナル曲を並べたこの新作こそ真骨頂。3人の生み出すグルーヴは、パワービートにあらず、リラックスムードに溢れていて、いやはや何ともカッコいい。そして今作の特色は、3人がコーラスを担当していて、そのコーラスを配した曲が新機軸。M2「Bust a Move」や、M6「Lemonade」、M8「Hey Baby」、M10「Turn Up」は、いずれも、そのコーラスが聴ける曲で、コーラスの効果もあってどれもポップな佳曲。3人のコーラスは、ハモるようなテクニックもなく、荒削りだけれどリラックスしたムードが伝わる、ピュアでハートフルな魅力に溢れている。もちろん、演奏に徹した曲も当然に聴き逃せない。M1「Triple Dare」は、3人のソロとインタープレイが光るスムーズジャズ・チューン。M7「Memphis Steppin’」は、オールドスクール的なソウル・メロディがキャッチーな曲で、ブラスセクションをバックに、3人のチェイスするような交差するアドリブは鳥肌もの。M3「BWB」はレゲエのリズムを、M4「Bolly Bop」ではインド風のメロディーを織り込んだ曲、というように曲ごとにアレンジやサウンドデザインも彩色豊かで素晴らしい。次の作品もオリジナルで作ってほしいけど、何年後だろう。

2016年4月30日 (土)

Yellowjackets 「Cohearence」(2016)

Cohearence

イエロージャケッツの新作は、お馴染みのボブ・ミンツァー(kb)、ラッセル・フェランテ(sax)、ウィリアム・ケネディ(dr)に、新メンバーのベーシスト、デーン・アルダーソンが加わった新体制での初作品。イエロージャケッツは、1981年結成で、オリジナルメンバー、ラッセル・フェランテを筆頭に、他メンバーもおそらく全員60代だろう。新加入のアルダーソンは、30代前半の若さというから、新しい化学反応が起きるのだろうか。ジミー・ハスリップが、「Timeline」(2010)を最後に脱退。その後、「A Rise in The Road」(2013)で、フェリックス・パストリアスが加入。フェリックスは、ジャコ・パストリアスの息子だから、当然話題になったのだけれど、1作を残してわずか1年で脱退してしまった。「A Rise in The Road」は、正直、ハスリップの抜けた穴は大きい印象の作品だった。話題のフェリックスも、父親譲りの才能の片鱗を見せられたのかどうか。遠慮がちのプレイにも聴こえたし、バンドに溶け込めていない感じがしたのだが。という訳で、当然のごとく、デーン・アルダーソンのベース演奏に耳が行ってしまう。M2「Guarded Optimism」では、オーソドックスなフォービートのランニング・ベース。M3「Anticipation」では、ミッドテンポの流れるようなフレーズが魅力的だ。M5「Trane Changing」は、フェリックス・パストリアスがラッセルと共に作曲も共作者としてクレジットされている作品。フェリックスが在籍中の、置き土産だろうか。曲想はオーソドックスなジャズだけれど、皮肉にも、アルダーソンのアドリブは、一番生き生きとしていて、トラックの出来もアルバム中秀逸。ジャコばり、とは言いすぎだけれど、必聴のプレイを聴かせてくれる。作品のムードは、曲想も演奏も、伝統的でモードなジャズ路線。ミンツァーやフェランテのインプロビゼーションは枯れた味わいがあるし、4人のアンサンブルも隙が無くて完璧で、これはこれでいいのだけれど。ジミー・ハスリップがいた頃の、複雑系リズムやダイナミックな曲展開は聴けないのは残念。ロベン・フォードがいたデビュー作「Yellowjackets」(1981)のスピード感全開のフュージョンも懐かしい。

2016年4月10日 (日)

The JT Project 「Moments of Change」(2016)

Change

トッド・シフリン(sax)とジェイコブ・ウェッブ(kb)の2人による「ザ・JT・プロジェクト」は、前作「Under the Covers」を聴いて、これは只者ならないユニットだと。ルックスもスター性を感じるし、そのうちにビッグになりそうだと注目したが。やはり、早くも、この新作は、メジャーレーベル「トリッピン・リズム・レコード」からの第1作で、内容も傑作だ。キャッチーなメロディーが印象的で、ビート感覚に溢れた曲、M1「Overdrive」、M6「Moments of Change」、M3「Talk About It」、M9「Don’t Blink」、はどの曲も、そのグルーヴが魅力にあふれる、白眉なスムーズ・ジャズ・チューン。「Don’t Blink」は、サックスとキーボードがユニゾンで主メロを「歌う」あたりに、まるでデュエットのような佳曲。これらのスムーズ・ジャズ・チューンは、「トリッピン・リズム・レコード」らしいポップな楽曲だし、このユニットの代表的なスタイルとして、リスナーに支持されるはず。片や、M10「Love Passion Correspondence」や、M12「Talia」、M13「Sng for Kg」は、インプロビゼーションを中心にしたコンテンポラリー・ジャズの演奏で、こちらもこのユニットの真骨頂。こんな硬派で技巧的なジャズの裏付けがあるところが、このユニットの魅力。「Talia」を聴けば、シフリンのサックスに、グイグイ引っ張られるような引力を感じるはず。今年のベスト級の1枚。

2016年3月 5日 (土)

Jeff Lorber Fusion 「Step It Up」(2015)

Stepitup

新生「ジェフ・ローバー・フュージョン」の作品は、「Now Is The Time」(2010)から、 「Galaxy」(2012)、「Hacienda」(2013)と続いて、この「Step It Up」が最新作。「Hacienda」までは、ジェフ・ローバーと、ベース奏者ジミー・ハスリップ、サックス奏者エリック・マリエンサル、の3人のアンサンブル演奏が中心で、ジャケットにも、3人並んでのポートレートが写っていたので、その3人によるパーマネント・バンドだと思っていたけれど。この新作では、エリック・マリエンサルが抜けて、ローバーとハスリップの2人による作品となった。「Galaxy」から「Hacienda」へ至るに従い、プロデュースからアレンジ、作品の共作と、サウンド作りの中核は、ローバーとハスリップ2人になっていたので、この新作が2人による「完成形」なのかもしれない。この新作でも、ローバー特有のめまぐるしく変わるコード・チェンジや、ハスリップの疾走ベース、サックスも、エリック・マリエンサルに代わって、ゲーリー・ミークという人がほとんどの曲に参加しているので、サウンドのカラーは変わらない。「Hacienda」で、かなり尖ったグルーヴが、このユニットの「頂点」を極めたような演奏作品だったが、それに比べると、この新作はクールでレイドバックした「ノリ」が新しい方向性かもしれない。M1「Get Up」や、M3「Mustang」は、そういったクールなグルーヴが新鮮な演奏で、どこか70年代のスティーリー・ダンを思い出してしまう。ローバーとハスリップの共作、M7「Starfish」と、M8「Tenth Victim」は、ゆったりとしたミディアム・テンポで、それでも重量感を失わないハスリップのベースや、ローバーのポップなフレージングが、それまでのJLFサウンドに比べて新鮮な作品。M6「Right On Time」や、M10「Soul Party」は、ローバーが狙うおそらくこのユニットのテーマである、ファンク・フュージョンの回帰を再現するような、ヘビー級のリズムとホーン・セクションが爽快な演奏。ところで、ジミー・ハスリップは、「Timeline」(2011)を最後に、イエロージャケッツを抜けたけれど、それが残念でならない。後任のベース奏者フェリックス・パトリアスが参加した「A Rise In The Road」(2013)では、正直なところ失速感は否めない。M3「Mustang」は、イエロージャケッツの盟友ボブ・ミンツアーが参加した曲で、ミンツアーのフレージングが主役のコンテンポラリー・ジャズの秀作になっている。こんな音作りをイエロージャケッツもやって欲しいなあ。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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