カテゴリー「サックス」の記事

2017年7月17日 (月)

Jackiem Joyner 「Main Street Beat」(2017)

Joyner

ジャッキーム・ジョイナーは、レコードキャリア10年のサックス奏者。スムーズジャズファンなら、追いかけておきたい旬なアーティストの1人。デビュー作品「BabySoul」(2007)から、数えて6作目の新作は、自己ベストで、完成度の高い作品。ファンキーで、かつ唄うようなフレージングの音色が、この人の持ち味。洗練されたサウンドや、キャッチーな自作曲も秀逸で、全曲が非の打ち所がない都会的なビートに溢れた秀作。普段のバンド・メンバーという、ダリル・ウィリアムズ(ベース)、カイル・ボールデン(ギター)、カーネル・ハーレル(キーボード)、レイモンド・ジョンソン(ドラムス)ら、フレッシュなアーティストのアンサンブルも聴きもの。M1「Main Street」は、オーバーダビングのサックスがパワー・サウンドを作り上げて、リピート間違いなしのハイライト曲。M6「Southside Boulevard」や、M11「Get Down Street」は、いずれも疾走するファンク・ビートのサックスとリズム隊がガツンと来る演奏。M10「Don’t Make Her Wait」、M7「That Good Thing」は、打ち込みサウンドをバックに、ソプラノを吹く美メロの2曲。カバーも2曲、M8「Treasure」はブルーノ・マース、M3「Can’t Stop The Feeling」はジャスティン・ティンバーレイク。いずれも記憶に新しいヒット・チューンだけれど、オリジナルに負けないスケールが伝わるインスト演奏。今年のベスト級、イチオシの作品。ところで、ジョイナーは、去年小説家としてもデビュー。作品名は「Zarya: Cydnus Final Hope」という、SF作品。Zaryaという主人公の少女が、住む惑星の危機を救う、という内容のようだ。興味ある方はぜひ読んでみたら如何かな。

2017年6月12日 (月)

Marcus Anderson 「Limited Edition」(2017)

Malte

マーカス・アンダーソンの前作「AND Coffee」は、自身のコーヒー・ビジネスの宣伝(?)を兼ねて、リラックスしたムードの「企画作品」の趣だったから、この新作は、久しぶりに、都会的でヒップでパワフルな彼の持ち味がたっぷり堪能できる作品。M1「Limited Edition」は、未来的なトーク・ボックスのボーカルが印象的な、ヒップなビート・チューン。M2「Backseat Drivers」は、オーバー・ダビングのサックスがスリリングな、まるで「ザ・サックス・パック」のレパートリーになりそうな曲。M5「Understanding」は、ブライアン・カルバートソンが参加したスロー・バラード。カルバートソンのピアノと、アンダーソンのサックス、両者のフレージング交差にグッと来るメロウなハイライト曲。M10「The Art of Gold」は、あのプリンスのサックス奏者だったアンダーソンの「持ち味」が発揮された、と言えるような、ヒップなサックスが怪しげでドラマチックな曲。M14「Give Love」も、ポップなプリンスを彷彿させるようなキャッチーなボーカル・チューン。ボーカルは、アンソニー・サウンダースという人。アンダーソンの歌伴もクリーン・フレージングで、なかなかかっこいいボップ・チューン。M12「Stalker!」は、ゴキゲンなビート・チューンだけれど、ストーカーをテーマにドラマ仕立ての演出が面白い異色な曲。ボーカルとセリフもアンダーソン自身なのかな、コメディー的演技力は必聴です。

2017年6月 4日 (日)

Kirk Whalum 「#lovecovers」(2017)

Lovecovers

カーク・ウェイラムの新作は、ゴスペルとポップスのカバー集。ウェイラムは、ソロに限らず、BWBユニットの活動など、スムーズジャズやコンテンポラリージャズのプレイヤーであるが、「The Gospel According to Jazz」シリーズを代表として、ゴスペル音楽をテーマにした演奏活動に取り組んでいる。今回の新作は、ゴスペルというのか、クリスチャン・ミュージックのカテゴリーに入るポピュラー曲集であり、全曲が歌入りのカバー集。クリスチャン・ミュージックというジャンル自体は、宗教的な違いもあり、日本では馴染みがないが、アメリカのポピュラー音楽界ではメジャーなカテゴリー。歌詞には信仰に基づいた啓示的なメッセージが強い内容ではあるが、カントリーやR&B、ジャズやロックなど多様なカテゴリーがクロスオーバーした音楽シーンで、その分野に特化したメジャー・アーティストも多い。 12曲中には、ビヨンセの「Love Top」(M1)や、スティービー・ワンダーの「Have a Talk with God」(M2)、マービン・ゲイの「God is Love」(M4)、ホイットニー・ヒューストンのカヴァーで有名な「I will Always Love You」(M10)など、ポップスの有名曲もセレクトされている。 参加ミュージシャンには、ゴスペルの名門ワイナンズ・ファミリーからビービー・ワイナンズ、同じくカルヴィン・ワイナンズ。男性歌手ドニー・マクラーキンや、女性歌手ニーア・アーレン、など、いずれもゴスペル音楽界のメジャー級アーティストが参加している。感動的で必聴のトラックは、M11「Tomorrow」。これはワイナンズの名曲(1984)で、メンバーでもあるカルヴィンがボーカルで参加したカバー演奏。過去のニュース速報が引用される演出で、マイケル・ジャクソン、モハメド・アリ、ホイットニー・ヒューストン、プリンス、スティーヴ・ジョブスなど、偉大な人たちの急逝をアナウンサーが伝える。ウェイラムのソプラノ・サックスのなんと美しい音色。ウェイラムがこのアルバムに名付けた「lovecovers」というタイトルは、聖書の言葉からの引用、「愛こそ多くの罪をおおう(cover)」に意味を込めている。つまりは、「love will cover」で、愛をテーマにした「カバー」曲集というわけ。この作品のウェイラムのサックスと演奏は、コンテンポラリーで、清々しく繊細なフレジージングとサウンドに満ちている。スムーズジャズの視線(いや聴線か)でも、ベスト級で魅力的な秀作。

2016年11月 6日 (日)

Euge Groove 「Still Euge」(2016)

Stilleuge

ユージ・グルーヴの近年作品では、「House of Groove」(2012)にしても、「Got 2 Be Groovin’」(2014)でも、ダンサブルなビート・チューンが魅力的だった。この新作は、そういったビート・チューンはほとんど無くて、ミディアムやスロウ・テンポの曲が並んだ、落ち着いたムードが全体像を占める作品。ソプラノ・サックスは3曲、M1「Twelfth Night」、M3「Coffee and a Kiss」、M8「Push It Forward」。やっぱり、この人のソプラノは極上で、リリカルな音色にうっとりしてしまう。「Twelfth Night」は、イントロからして、グルーヴ節を感じるベスト・チューン。テナーを吹く曲では、M9「Love, Passion and Joy」の明るいテーマ・メロディーのバラードが素晴らしい。静かなブラス・セクションのバックに歌い上げるような、グルーヴのテナーがドラマチック。ギター奏者ピーター・ホワイトが参加したM4「Another Perfect Moment」は、スウィート・ソウルなバラード。トーチ・ソング風のメロディーと、テナーの艶っぽいフレージングと、絡むホワイトのギーターが、なんとも切ないムードの曲。ボーカル曲は2曲。M5「Much Love」は、ソウル歌手ラザン・パターソンが歌う、シブいソウル・チューン。M10「Flower」は、ジャズ/ソウル歌手のオリータ・アダムスが歌う曲。どこか、バカラック曲を歌うディオンヌ・ワーウィックを想わせるアダルトな佳曲。個人的には、グルーヴならグルーヴィーなビート曲が好みだけれど、艶っぽい音色が堪能できるこの作品も、聴くたびに魅力を増す佳作。ファンならフェバリット・ディスク当確でしょう。

2016年10月30日 (日)

Gerald Albright 「G」(2016)

G

ジェラルド・アルブライトの新作は、超ゴキゲンなビートとメロディーの「Taking Control」から始まる、傑作。「Taking Control」の、ファンキーなブラス・セクションとベースは、いずれも、アルブライトによる多重録音だけれど、この生き生きとしたグルーヴは、リアルなライブ感が満ちている。フェイドアウトしてしまうのが、残念なハイライト・チューン。前作「Slam Dunk」も、マルチプレイを駆使した傑作だったけれど、今作はそのスタイルにさらに磨きがかかったよう。ほとんどの曲で、メインのサックスと、バックの多重ブラスと、ベース演奏が、アルブライトの演奏。M9「We Came to Play」では、サックスより、重厚でさりげないチョッパーのベース・ランニングに耳を奪われてしまう。曲は、いくつか共作もあるが、アルブライト自身のペンによる曲は、コンテンポラリーで、ポップなメロディーが特徴の洗練された曲ばかり。M5「Frankie B.」はスロウで哀愁を感じさせる秀作だし、M7「I Miss You」はポップなバラード曲で、歌ものにしたらヒットしそう。M6「Funkism」は、題名どおりファンキーなビート・チューン。M4「Lovely Day」は、ビル・ウィザースの名曲のカバーで、ボーカルはマイケル・マクドナルド。マクドナルドのソウルフルな歌声もいいけれど、アルブライトのアルト・サックスの軽快な演奏だけでも、完成度が高いのに。ラストのM10「Closure」は、共同プロデュースのクリス・デイビスのキーボードをバックに、アルブライトのアルト・サックスだけで奏でるヒューマンなムードのバラード。ゴスペルを思わせて、アルブライトのフレージングが沁みるような演奏。

2016年8月 3日 (水)

Rock Hendricks 「Can't Let Go」(2016)

Rockh

ポール・ハードキャッスルの最近作品、「Hardcastle 6」(2011)、「同7」(2013)、「Jazzmasters 7」(2014)で、ほぼ30曲に及ぶトラックでフューチャーされているサックス奏者は、ロック・ヘンドリックス。ハードキャッスルお気に入りのサックス奏者というわけで、そのサックスは、ハードキャッスル特有のエレクトロな音世界にあって、時にまったりとして、時にファンキーであったり、エコーの効いた浮遊するフレージングがなんとも特徴的な音色だ。そのロック・ヘンドリックスの初のソロ作品。全12曲、たっぷりとヘンドリックスのサックス・フレージングが堪能できる傑作。M1「Can’t Let Go」は、上質なポップ・チューン。この曲で、この人の魅力が伝わるヘビロテ必須のリード・トラック。M3「Mr.Marcus」や、これもキャッチーなM7「Bumpin」では、ハードキャッスルを思わせるエレクトロ・ファンクというような曲調でも、熱っぽく奏でるサックスに魅了される。ソプラノを吹いているM6「God’s Nature」や、M8「In the Morning」、鳥のSEも入るM10「The Island」などは、自然讃歌のようなヒーリング・ムードの曲。ヘンドリックスは、長年ハワイに住んでいるというから、こんな曲想も生まれるのだろう。バラード曲M2「Smooth Ride」は、ピアノとのユニゾンで始まる「ハスキー」な音色のサックスに、耳を奪われる。アコースティックなサウンドも、アルバムの他曲とは違って新鮮な演奏。今年のベスト級作品の一枚。ちなみに、ポール・ハードキャッスルの息子である、サックス奏者ポール・ハードキャッスル・ジュニアも、ソロ作品を製作中とか。こちらも、期待したい。

2016年7月18日 (月)

Elan Trotman's Tropicality 「Double Take」(2016)

Doubletake

エラン・トロットマンの前作「#liveanduncut」は、「エラン・トロットマン・グループ」と名付けたバンド・メンバーとの作品だった。自身の出身地バルバドスのルーツに回帰するような、トロピカルなリズムとアンサンブルが溌剌とした佳作。この新作は、その時以来のメンバーと作ったスタジオ録音。バンド名も、「エラン・トロットマンズ・トロピカリティ」と改名して、パーマネントとして活動するのかな。曲は、トロットマンの過去作品からのナンバーの再演奏。新曲は無いものの、トロピカルでクールな演奏で、どの曲も新しく生まれ変わった。メンバーは、エラン・トロットマンに、スティールパン奏者カリム・トンプソン、キーボード奏者マーク・コープランド、ドラム奏者アンソニー・スティール、ベース奏者ザック・ロチェスター、の5人。トロットマンの過去アルバム「This Time Around」(2009)から3曲、「Love and Sax」(2011)から3曲、「Tropicality」(2013)から2曲、シングル発表だった2曲の10曲が、アルバム発表順に並んだベストな選曲。「This Time Around」と「Love and Sax」は、当時の路線で、都会的なムードのアルバム。そのアルバムからのM3「Lil’ too Late」や、M5「Rain」、M6「Last Dance」などの、ミディアム・スローなR&B曲が、トロピカルなテイストを加わえて、グッとクールでアダルトなムードの曲にアップデイト。そして、どの演奏もオリジナルに比べてロングな演奏が嬉しい。M1「Lovely Day」は、ビル・ウィザースのカヴァー。「This Time Around」の時はインストだったが、今回の演奏では、トロットマンのボーカル入りが新鮮。圧巻は、M9「Smooth N’Saxy」で、10分を超えるバージョン。過去にシングルと「#liveanduncut」でも聴けた演奏より、洗練されたアンサンブルと、中盤からのピアノとスティールパンのアドリブが耳をひきつけるベスト・トラック。先行シングルで発表されていたM10「Thoughts of Summer」は、ウィル・ダウニングがボーカルを務めた曲。こちらもシングルより、ボーカルが入る前に、トロットマンのサックス演奏が入る長いバージョン。ところで、ビデオに映るメンバーは、出身国の国旗を付けていて、すべてカリブ海の国々。トロットマンが、バルバドス。他メンバーは、キューバ(キーボード)、ジャマイカ(ドラムス)、ガイアナ(ベース)、トリニダード・トバゴ(スティールパン)。ルックスはちょっとC調(死語かな)だけれど、もう直ぐオリンピックだから、応援なのかな。

2016年6月12日 (日)

Kim Waters 「Rhythm and Romance」(2016)

Rhysm

キム・ウォーターズの新作は、いつもの路線とは言え、メロウなサックスとサウンドのキレの良さに磨きがかかった佳作。ウォーターズのサックスが、「予定調和」と分かってはいても、出るたびの新作を聴くのは、間違いなく彼のストレス・フリーな音色とサウンドに魅了されるから。ましてや、毎作、完成度の高い作品を作り出す貴重なプレイヤー。今作品は、ほとんどの楽器はウォーターズによるワンマン・サウンドで、ドラムやベースのリズムも生き生きしたビートに耳を澄ましてしまう。M1「Bring It」のメロウなサックスとサウンドは、これぞウォーターズの定番的ベスト・トラック。メロウ・サウンドならこれも双璧なトラック、M3「Rhythm and Romance」は、ロマンティックなソプラノ・サックスと、ウォーターズ自身の演奏だろうピアノのインタープレイが必聴。M5「Morning Star」や、M7「Smoothness」のサックス演奏は、グローヴァー・ワシントン・ジュニアを彷彿として、代名詞にグローヴァーを挙げるのははばかれるほど、素晴らしいフレージングに、ちょっと感動してしまう。いずれも佳曲なオリジナル7曲に加えて、3曲のカバー演奏が入っている。M2「No Sleep」は、ジャネット・ジャクソン、M6「Time Will Reveal」はデバージ、M10「I’m Not The Only One」はサム・スミス、といずれもポップスのヒット・チューン。特に、80年代の「Time Will Reveal」とは懐かしく、上質なインスト・ポップスに生まれ変わって、ヘビー・ローテーション間違いなし。

2016年5月22日 (日)

Michael Lington 「Second Nature」(2016)

Secondnature

マイケル・リントンの前作「Soul Appeal」は、ソウルな躍動感が伝わる傑作だった。個人的にも、かなりヘビーローテーションしたので印象深いベスト級の作品だった。この新作も、前作に続いて、メンフィス・ソウルに、リズム&ブルースのバイブレーションが炸裂する爽快な作品。リントンのサックスは、パワフルなだけなく、洗練されたフレージングも聴けるし、前作超えの秀作と言っていい。この2作のプロデュースは、バリー・イーストモンドで、アレサ・フランクリンやホイットニー・ヒューストン、アニタ・ベイカー、アル・ジャロウらを手がけたプロデューサー。前作同様、今作もほとんどの曲をリントンとイースモンドが合作している。カバー曲は1曲、バーケイズの名曲 M7「Soul Finger」を演っているけれど、そのメンフィス・ソウルの名曲に負けず劣らず、11曲のオリジナル曲が秀作で素晴らしい。M1「Beale Street」は、ブッカー・T・ジョーンズが参加した曲。メンフィス・ホーンをバックにパワフルなリントンのサックスがガツンと来るハイライト・ナンバー。M3「Slick」は、まるでジェームス・ブラウンのカバー曲のような、これがオリジナル曲というから驚き。トロンボーンのソロ演奏は、なんと、ブライアン・カルバートソンで、リントンとの掛け合いは必聴。M4「Memphis Strut」は、懐かしいロカビリーのような曲。M5「Some Kinda Wat」は、女性歌手サイ・スミスが歌うソウル・バラード。スミスは、ブランド・ニュー・ヘヴィーズでリード・シンガーを務めたキャリアのある人。前作で、ケニー・ラティモアが歌った「Gonna Love You Tonite」を彷彿するキャッチーな曲。歌伴もうまいリントンの演奏を再認識。M11「Wooh」は、レイ・パーカー・ジュニアがギターで参加した曲。作曲は、パーカーとリントンの合作。ツイストも思わせる懐かしいビート・チューン。ハッピーなコーラス、いや掛け声も楽しい、ロケンロールな曲。M12「Midnight Drive」は、アーバンな曲で、パワフルなメンフィス・ムードのフィナーレに、なんともメロウなムードがかっこいい。伸びのいい、リントンのサックスのフレーズがしびれますぞ。

2016年4月24日 (日)

Phillip Doc Martin 「Pocket Love」(2016)

Pocketlove

フィリップ・ドック・マーティンは、ワシントンDCで現役の歯科医でもあるユニークな経歴のサックス奏者。つまり、愛称”ドック”は、正真正銘のドクターというわけ。サックス奏者として、この新作は5枚目の作品。収められた全11曲は、ほとんどが3分から4分の長さの曲で、マーティンの小気味の良いサックス演奏と、ポップで上品なR&Bグルーヴの作品が並ぶ。派手なところは無いけれど、曲も演奏も、好印象が後を引く、心地の良い作品。M3「Just the Two of Us」は、ご存知グルーヴァー・ワシントン・ジュニアの名作のカバー。フィリップのサックスは、気負わず、淡々と、グローヴァーの名演を習作のように吹くところが、むしろ好意的な印象を残す、なかなかのカバー名演になっている。M11「All of Me」もジョン・レジェンド作品のカバー演奏、こちらもオリジナル・メロディーを忠実に奏でるフレージングが美しい演奏。マーティンのサックスは、そこかしこに、グローヴァー・ワシントン・ジュニアが見え隠れするけれど、小気味のいいフレージングは、彼自身の魅力的な演奏スタイルだ。M1「Club Life」とM2「Pocket Love」は、両曲とも都会的で洗練されたメロディーがキャッチーな佳曲。続く「Just the Two of Us」まで冒頭3曲は、そのまま繰り返しリピートしたいベスト曲だ。M5「Hip Today」も、ファンキーなメロディーの佳曲で、中低音域のフレージングから一転、高域を力強く吹くマーティンの演奏は必聴。プロデューサーは、マーヴィン・トニー・ヘミングスという人で、作曲でも、5曲をマーティンと共作している。ヘミングスは、R&B男性シンガーのモンテル・ジョーダンの作品プロデュースもした人で、マーティンの過去作品や、ダーレン・ラーンの作品にも関わっている。この作品の出来は、プロデューサーのヘミングスのサウンド・デザインによるところが大きいのだろう。歯医者で治療中でも、この作品を聴いていれば、痛みも忘れてリラックスできる、というオチかな。冗談はさておき、今年のベスト級作品の一枚。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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