カテゴリー「ベース」の記事

2014年12月23日 (火)

Mitchell Coleman Jr. 「Soul Searching」(2014)

Coleman

ベース奏者ミッチェル・コールマン・ジュニア、の今作がデビュー作品というから恐ろしい。これが才能の片鱗だとしたら、なんとも期待が膨らむな強力な新人の登場。彼のチョッパー・ベースが全曲に渡って縦横無人に躍動する、現代的なファンク・ジャズのアルバム。冒頭のMCトラックは別にして、13曲が収めれられているが、いずれのファンクなビート・ヴァイブレーションが魅力。チョッパー・ベースだからといって、単に、ソウル・ビートのそれにあらず。M4「Come up」、M8「Secrets」は、ピアニストのデロン・ジョンソンが加わった、ジャズ寄りの演奏で、ジョンソンの知的なピアノ演奏と、バックでチョッパー奏法でファンク・リズムを刻むコールマンのベースが素晴らしい。デロン・ジョンソンは、マイルス・デイビスのバンドで演奏していた人で、さすがのジャズ・スピリットが光っている。シェリル・リンの名曲で、レイ・パーカー・ジュニアがプロデュースした「Shake It Up Tonight」(1981)という曲があって、その作者は、元モータウンのアーティストのマイクとブレンダのサットン夫婦。その、マイケル・B・サットンという人が、3曲を共同プロデュースして、この作品に関わっている。(ちょっとしたトリビア。)その中の一曲、M2「Flow」は、懐かしくて新しいファンク・リズムが炸裂のハイライト・チューン。ジョンソン・ブラザースを彷彿とするチョッパー・ベースが爽快な演奏。ディープなファンク・ビートの曲群に埋もれて、これはなんとも嬉しい、M9「That’s the Way of the World」は、アース・ウィンド&ファイヤーの名曲カバー。オリジナルよりさらにメロウに仕上げた秀逸なヴァージョンで、この辺りにこの人の音楽嗜好が現れているようで、(カビラ風に)ムムっ!と叫びたいほど。

2014年4月26日 (土)

Nathan East 「Nathan East」(2014)

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ベース奏者ネイザン・イーストの初めてのソロ・アルバム。フォープレイの1990年結成以来のオリジナル・メンバーで、数々のアーティストの作品に参加してきた40年にもなるというキャリアでの活躍は、スムーズ・ジャズ・ファンならず広く音楽ファンの周知のプレイヤーなので、初めてのソロ・アルバムと聞いて、そうだったのかと意外。満を持してのこの作品、彼の今までの人脈からビッグなアーティストの参加と、ベーシストに留まらない広範囲な音楽性が、花咲いている素晴らしい作品。ネイザンのベースももちろん聞き所だけれど、他のベース・プレイヤーのソロ作品と違って、ベース・プレイを主張している作品ではない。参加アーティストとのコラボレーションは、ネイザンとの意思疎通が伝わる暖かい演奏だし、カバーで取り上げた曲のセレクトや、アレンジや構成など、ネイザンのプロデュース力を発揮した個性あふれる作品。でも、ポピュラーな作品として、ジャンルを超えて多くのリスナーが気に入るに違いない秀作。 スムーズジャズ・ファンとしては小躍りしてしまう1曲目M1「101 Eastbound」は、フォープレイのデビュー作「Fourplay」(1991)に入っていた曲。個人的には、リー・リトナーがいた結成時のフォープレイのデビュー作と、2作目の「Between The Sheets」(1993)は、エバーグリーンな愛聴盤なので、この1曲目はうれしい。 M2「Sir Duke」はスティーヴィー・ワンダーの名作、ネイザンがリード・プレイ取るベースが聴きもの。スティーヴィー作品はもう1曲、M10「Overjoyed」が入っていて、なんと彼自身のハーモニカ演奏がフューチャーされている、アルバムのハイライト。スティーヴィーはハーモニカ演奏のインスト・アルバムを出していて、変名のEivets Rednow(スティーヴィーの逆綴り)名義の「Alfie」(1968)というアルバム。いつか、またハーモニカだけのインスト・アルバムを作って欲しい、なんて叶わぬ夢かなあ。 ヴァン・モリソンのマイケル・マクドナルドが歌で参加しているのは、M4「Moondance」で、言わずと知れたヴァン・モリソンの名曲で、マイケル・マクドナルドのシブくてパワフルなボーカルが聴きもの。マイケル・マクドナルドの作品の、M5「I Can Let Go Now」が入っていて、彼のソロ・デヴュー作「If That’s What It Takes」(1983)の曲。でも、歌っているのはサラ・バレリスで、しっとりとした唄声がいいなあ、マイケル・マクドナルドとデュエットしたら最高なのに。 M8「Can’t Find My Way Home」(スティーヴ・ウィンウッド作)は、伝説のバンド、ブラインド・フェイスの「Blind Faith」(1969)に入っていた曲で、なんとブラインド・フェイスのひとりであった、エリック・クラプトンがギターとで、ネイザンのボーカルというコラボだから、これは驚愕の1曲。M7「Sevenate」は、チャック・ローブ、M9「Moodswing」はボブ・ジェイムス、それぞれフォープレイの盟友との共演。 日本盤のボーナスに入っているM12「Finally Home」は、小田和正の曲に、ネイザンが詩を付けて歌った曲。ネイザンの優しい唄声がしっとりして心地いい。昔、オフコースが、全曲英語で唄った「Back Streets of Tokyo」(1985)というアルバムがあったけれど、小田さんの楽曲に英語詩はなかなかハマって、コンテンポラリーな作品だった。日本語詩の世界観はちょっと感傷的だからね。 バラエティに富んだどの曲も聞き逃せないアルバムだけど、ここはやっぱり、ネイザンのベースとスキャットがフューチャーされた、スムーズ・ジャズかファンクなタイプのインスト曲にググッときてしまう。その点では、M1「101 Eastbound」、M2「Sir Duke」、M6「Daft Funk」(共作のマイケル・トンプソンのギターも必聴)、が個人的ベスト・オブ・ベストかな。

2013年11月10日 (日)

Roberto Vally 「Boom Boom Boom」(2013)

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ロバート・バレーは、かつてスパイロ・ジャイラの「Stories Without Words」(1987)にも参加したベース奏者。マイケル・フランクス、ボビー・コードウェル、ジェシー・ジェイ、ポール・ブラウン、ピーター・ホワイト、ユージ・グルーブなど多くのアーティストのレコーディングやツアーに参加している。最近では、デイブ・コーズ「Summer Horns」のほとんどの曲でベースを弾いている。20年を超えるキャリアを持つ売れっ子ベーシストだが、この作品がおそらく初めてのソロ・アルバム。詳細なクレジットは不明だが、グレッグ・アダムス(トランペット)、ポール・ブラウン(ギター)、スパイロ・ジャイラのトム・シューマン(キーボード)、エンリク・マルチネス(アコーディオン)などのアーティストが参加している。全編、ゆったりとしたリズムに、アコーディオンや、スパニッシュ・ギターの音、ミュート・トランペットのプレイ、すべて哀愁的な雰囲気に満ちていて、ボヘミアン的とでも言うのか、どこか無国籍な音世界が広がる。スムーズジャズのチル・アウトはちょっと食傷気味だから、このアルバムのような音楽は新鮮だ。オルタナティブな音楽だけれど、人間的で、情景的なヒーリングに浸れる。M1「Jazz Trance」は、ミュート・トランペットが哀愁的なメロディーを奏でるアルバムの象徴的なナンバー。M2「Gypsy Dream」は、アコーディオンとスパニッシュ・ギターが情景的な美しい曲。M6「Boom Boom Boom」は、パット・メセニーを思わせるエレキ・ギターと、フェンダーのコードバッキングが幻想的で、休まる気持ちになれる曲。アップ・ビートの曲もいいけれど、たまには落ち着きたいならこのアルバムはオススメ。このジャケットのような、どこかの海岸を歩いている気分になれるかも。

2012年12月15日 (土)

Joe Plass 「After Hours」(2012)

Jp ベーシスト、ジョー・プラスのソロ・デビュー・アルバム。この人、デビューといってもキャリアは充分で、ケニーGのバンドにいて、ケニーのヒットアルバム「Duotones」(1986)や「Shilhouette」(1988)にもベーシストで参加していた。このデビュー作にも、ケニーの「Tribeca」のカバー演奏が入っている。ベーシストのアルバムだけれど、自身のベースプレイをゴリゴリ押し付けることが無くて聴きやすい。このアルバムは、彼自身のセルフプロデュースで、ベーシストとしてはリズムセクションの役割をキープして、サウンドプロダクションに徹している。曲もほとんどが共作を含めて自作で、どれもポップなR&Bタイプのキャッチーな佳曲が並んでいる。「Loco Mojo」ではファンキーな早弾きのベースプレイが印象的だし、ジェフ・ローバーとの共作「Cup-O-Jpe」はフュージョンビートをバックアップするチョッパーで、ベースプレイヤーとしての技量も聴かせてくれる。サックスを吹いているのはアンディ・ウオールという人で、曲も3曲共作していて、クセの無いスムースなサックスプレイが注目に値する。アンディの近作シングルを紹介したが、近いうちにフルアルバムが出るようなので期待したいサックスプレイヤー。タイトル曲「After Hours」は、そのアンディ・ウオールのサックスが都会的でメランコリーなハイライト曲。しばらくヘビロテになる、通好みのアルバム。

2012年9月 8日 (土)

Julian Vaughn 「Breakthrough」(2012)

Julianvaughn
ジュリアン・バーン、カンサス・シティ出身のベーシストである。メジャーレーベルのトリピン・リズム・レコードからの第一作である。見たことのあるような風貌は、ホワイト家族のダンテ・カーヴァーのよう。彼のベースプレイは、リズム隊の役割のベースというより、ギタープレイのようにフロントでメロディを縦横無尽に奏でる。比較的ハイトーンを多用する旋律は、ベースの重厚なイメージを覆すほど、繊細で美しいプレイ。スタイルとしては、2009年に他界してしまった希代のベースプレイヤー、ウェイマン・ティスデールを思い起こさせる。ウェイマンは、NBAのプロバスケットプレイヤーであったので、2メーターを超す巨体の人であったが、このジュリアンも2メーターを超す人で、そんなところも似ている。ビデオで見ると、ジュリアンは、かなりスレンダーな感じだけれど、プレイはダイナミックだ。このアルバムは、R&Bの佳曲揃い。M-10「Right On Time」や、M-2「J's Jammin」、M-8「Rock Steady」のような、キャッチーで、どこか80年代風のジャンピングナンバーがいい(曲名からしてそれ風)。派手ではないけれど、チョッパープレイがさらりと出てくるあたり、やっぱりベースはチョッパーでしょう。

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  • スムーズジャズは、最高のコンテンポラリーミュージック。ググっとくるアーティストのバイブレーションを、リアルタイムで聴きたい。独断で選んだスムース系の新譜を紹介します。Since 2011。UGASAI
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