Filip Jers 「In The Spirit Of Toots」(2023)
ハーモニカのレジェンド、トゥーツ・シールマンスが94歳の生涯を終えて8年がたちました。そのうちに、敬愛するアーティストによる追悼作品が出るだろうと思っていました。
はたして、シールマンスのオマージュに取り組んだのは同じスウェーデン出身のハーモニカ奏者フィリップ・ヤースです。
ヤースは1986年生まれのアーティストで、本人のホームページの紹介によれば、18歳で2005年ドイツのハーモニカ・コンテストで金賞を受賞、2011年にスウェーデン王立音楽アカデミーを卒業した経歴の持ち主。
現在は、自身のカルテットやソロにセッション参加などの演奏活動に加えて、オンラインでハーモニカ奏法のレッスンも行っています。
本作は、シールマンスのレパートリーを中心に、自身のオリジナル曲も加えた演奏集。共演は、同じスウェーデン出身のピアノ奏者カール・バッゲ(Carl Bagge)がリーダーの、ベースはマーティン・ホッパー、ドラムスはクリス・モンゴメリーによるトリオがつとめています。バッゲ・トリオのリリカルな演奏もききどころです。