Andy Snitzer 「Traveler」(2011)
音源:iTunes Store
レーベル:Native Language
新しいCDに針を落とすとき、とはもう言わないか。プレイのボタンを押すときか。今や、CDでもなくて、ダウンロードしたデーターを開く時代。いずれにしても、新しいアルバムは出来るだけ先入観無しに聴きたいもの。
アンディ・スニッツアーの新作。ストレート・アヘッド・ジャズもこなすサックス奏者。その他の先入観無しに、このジャケットから想像してみる。写真の表情からして、内省的で、ストレート・ジャズ寄りなのかなと。
聴いてみると、次から次へとバラードの大特集。ほとんどの曲が、スローかミディアムスロー。音も、シンセと打ち込みリズムが、ストレートジャズでなく、メローな雰囲気を作っている。どの曲も、都会的なメロディと、コンテンポラリーなアレンジと演奏、これぞスムースジャズ。
アンディのサックス・プレイは、熱い「泣き」のバラード・ブローをするのかと期待していると、予想に反して、その一歩手前で引き下がって、流れるよう。「メロディを聴いてくれ」、といわんばかりで、このアルバムの意図が見えてくる。例えば、雑踏の中。それもエアポートやメトロの流れていく群集の中で、一人ストレンジャーで居るときに、ふと聞きたい「静けさ」のようなメロディー。