Richard Elliot 「In The Zone」(2011)
音源:iTunes Store
レーベル:Mack Avenue Records
ミュージックを聴いて、思い浮かぶイメージはリスナーに委ねられているけれど、このジャケットを見てから聴けば、どの曲も夜のハイウエイで聴きたいドライビング・ミュージック。
M-7「Just A Taste」のようなミディアムスローも、車窓を流れる夜のシティライツを見ながらの車中のしずけさ。タイトル曲のM-8「In The Zone」のサックス・プレイは、スピードを上げていくドライブ。M-2「Boom Town」は、右と左に定位しているカッティングギターが左右の車輪で、センターで熱くブローするサックスはスピードを操るハンドル。
とはいえ、もしも、このリチャード・エリオットの新作のジャケットが、夏の海であっても、冬の雪山であっても、白紙のジャケットだとしてもだ。彼のサックスと、サウンドのバイブレーションから思い浮かぶイメージは、変わらない。
おおらかに吹き捲くる彼のサックスは、疾走感あふれいているし、共同プロデューサーのジェフ・ローバーのサウンドプロダクションは、乾いた空気感とクールなファンクムードに酔わせてくれる。それに、サウンド・ミックスが秀逸で、音の定位がしっかりしていて、サックスの際立ちはもちろんだけれど、その他のサポートプレイの音がとてもクリア。大音量で聴いたら気持ちいいだろうなあ。
リチャード・エリオットは、タワー・オブ・パワーのサックス奏者(1982年〜1988年)で有名になり、その後ソロに転じて、今やスムースジャズ界の人気サックス奏者。この新作の意図を、かつて70年代から80年代初頭にインストルメンタル・ミュージックでありながら、ヒットチャートをにぎわしたボブ・ジェイムスやグロバー・ワシントン・JR、デビット・サンボーンらのような音楽を作りたかったと、公式サイトやYou Tubeで披露している。
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