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2011年11月23日 (水)

Acoustic Alchemy 「Roseland」(2011)

音源:CD(輸入盤)
レーベル:Onside Records

アコースティック・アルケミーは、1987年にデビューしたギター・デュオ。オリジナル・メンバーは、ニック・ウェブとグレッグ・カーマイケルの二人。1990年の「Reference Point」はフュージョンの名盤の一枚。耳に心地よいアコースティックギターを中心にした演奏が、当時主流だったエレクトリック・フュージョンの中で異彩で新鮮だった。

オリジナルメンバーのニック・ウェブは、1998年43歳の若さでガンで夭折してしまう。その後、マイルス・ギルダーデイルが加わり、ツインギターをメインにしたバンド編成になっている。

デビューから数えれば25年を経てのこのニュー・アルバムは、ポップ、ロック、フォーク、レゲエ、ジャズといったコンテンポラリーミュージックの万華鏡のようで、過去の作品を超える「代表作」と呼べる完成度の高い作品。

ナイロン弦のグレッグ・カーマイケルと、スチール弦とエレキギターのマイルス・ギルダーデイルの2人が中心となり、13曲の全曲がこの2人の共作。CDのライナーノーツで書いているように、このアルバムは彼らが自身のスタジオを作り、自分達のレコード会社(「オンサイド」)を立ち上げてリリースした初めての作品。曲と演奏の心地よさからそういった思い入れが伝わってくる。

演奏パターンは、ナイロンかスティールの主旋律から始まり、盛り上げるところでエレキが絡んでくる。アコースティックギターと、エレキギターの音色が対極的で、70年代のロックバンドがアコースティックギターを取り入れていたような雰囲気。カテゴリーで定義できないこのバンドの音楽性の広さがどの曲にも現れている。

全13曲が、様々なタイプの曲調と演奏でありながら、ひとつの組曲のような統一感がある。印象的なのは、M-11「Stealing Hearts」で、なんとスリーフィンガーで始まる。サイモン&ガーファンクルかと思うようなフォークスタイルで、エレキが始まるとこれがスライド演奏で西海岸のフォークロックバンド風。そして一転、M-12「Right Place, Wrong Time」は、ジャズのアドリブインタープレイが3分半に収まる佳曲。

リラックスするバックグランドミュージックやイージリスニングにぴったりだけれど、聴き込むに値する、いいアルバム。

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