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2011年12月10日 (土)

Yellowjackets 「Timeline」(2011)

音源:CD(日本盤)
レーベル:Mack Avenue Records

イエロージャケッツは、今、最も「進化」したジャズを演奏するバンドだ。3年ぶりのこのアルバムは、デビュー30周年の最新作。メンバーは、ボブ・ミンツアー(サックス)、ラッセル・フェランテ(キーボード)、ジミー・ハスリップ(ベース)に加えて、ドラマーがかつてのメンバーだったウィル・ケネディに変わった。

彼らの演奏はけっして聴きやすくはない。なんたって何拍子なのか分からないような複雑系のリズムの曲が多くて、聴いていると緊張が高まる。ドラムとベースはお決まりの4ビートバックアップのリズム隊ではなく、リズムもインプロビゼーションの一部と化して、メカニカルなビートで疾走するのがこのバンドの持ち味だ。リズムが複雑系でも、ボブの奏でるサックスのストレートな音色はファンキーで、ラッセルのアコースティック・ビアノはリリカルで本当に美しい。

オープニングから4曲目のタイトル曲「Timeline」にいたるまで、怒濤のように、5拍子や7拍子の変拍子の曲が続く。それでも不思議とスイング感を感じる。特にタイトル曲の演奏後半、サックスとピアノのインタープレイは、7拍子でもスイングして素晴らしくファンキー。

M-6「A Single Step」は、ラッセルのピアノソロが美しく印象的なミディアムバラード。M-7「Indivisible」も変拍子だけど美しいバラード。M-8「Like Elvin」は7拍子のスインギーなナンバー。M-10「Numerology」は、モダンな解釈の4ビートジャズ(始まりはおやっと思ってしまうが)で、ラッセルのストレートジャズなアドリブにほっとする。

M-11「I Do」は、ゴスペル風のボブのバラードプレイが沁みる。日本盤ボーナストラックのM-12「Shine」は、曲調もポップで4人のアンサンブルが楽しい。最後の2曲が、アルバムを通してメカニカルな演奏の緊張感を癒してくれる。

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