第54回グラミー賞
話題はポップスやロックなどの大衆音楽が中心になるけれど、ジャズやニューエイジ、カントリーまたはプロデュースやプロダクションといった広範囲な楽曲やアーティストを対象にしているのは、さすが多角化されたアメリカの音楽業界の最高栄誉賞である。残念なことに、いまだ「スムースジャズ」というカテゴリーはない。「ベスト・ポップ・インストルメンタル・アルバム」部門が、ジャンル問わずのインストが対象なので、注目したい。今回の、ノミネートは下記5作品。(★は受賞作品。)
(1) Daniel Ho 「E Kahe Mallie」
ハワイのウクレレ奏者、ダニエル・ホーのピアノソロアルバム。日本ではジェイク・シマブクロが有名だけど、ダニエルは過去ウクレレソロCDでもグラミーにノミネートされている。マルチプレイヤーで、今回ピアノソロアルバムまで作ってしまった。
(2)Jenny Oaks Baker 「Wish Upon A Star」
ジェニーオークスベイカーは、クラシックのバイオリニストで、このアルバムは題名通り、ディズニー曲のトリビュート・アルバム。
(3)★ Booker T.Jones 「The Road From Memphis」
ブッカージョーンズといえば、60年代のMG’s。おそらく68歳ぐらい。2009年に、20年ぶりのソロアルバムを出したのが話題になり、この作品はその後の最新作で、グラミーを受賞。
(4) Dave Koz 「Hello Tomorrow」
われらがスムースジャズのスター、デイブ・コーズの大ヒットアルバム。プロデュースとベースプレイは、あのマーカス・ミラーだし、サポート陣はスムースジャズのビックネームばかりで、クオリティの高さは保証付きのアルバム。発売以来、ヘビーローテーションで聴いてきたので、グラミー賞取って欲しかった。残念。
(5)Brian Setzer 「Setzer Goes Instru-Mental !」
ロカビリーロック・ギタリストのブライアン・セッツアーの、初めての全曲インスト・アルバム。
「ベスト・ジャズ・インストルメンタル・アルバム」部門には、イエロージャケッツ「Timeline」(本ブログ記事参照)がノミネートされたけれど、受賞は逃した。受賞は、コリア・クラーク&ホワイトの「Forever」。その他、「ベスト・ニューエイジ」部門も興味深いが、受賞はパット・メセニーのソロ・アルバム「What's It All About」だった。パットのアルバムでも、ニューエイジになってしまうのか。確かに、ジャズでもないし。
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