Richie Cannata 「New York State of Mind」(Single)(2012)
リッチー・カナータは、ビリー・ジョエルのバックバンドのサックス奏者だった人。ビリーのヒットアルバム、「Turnstiles(ニューヨーク物語)」(1976)、「The Stranger」(1977)、「52nd Street」(1978)に、サックス奏者としてクレジットされている。「The Stranger」の裏ジャケにもビリーと一緒に映っている。
「Turnstiles」に入っている「New York State of Mind」は、もちろんビリーの代表曲で、いまやスタンダードになっている名曲。オリジナルは、切ない音色を奏でるサックスが印象的なトラックだった。そのサックスを吹いていたのがリッチーで、このソロバージョンは、オリジナルのアレンジにほぼ近いムードで、自身のサックスをフューチャーしたパフォーマンスだ。ビリーの歌より、あの時のサックスの音色にハートをわしづかみにされて、もっと聴きたいと思っていたファンとしては、このリッチーのバージョンで、やっと欲求不満が解消された感じ。切ないサックスの音色は、オリジナルそのままで、涙ものだ。
リッチーは、昨年ソロアルバム「Richie Cannata」を出しているこれど、このシングルトラックは入っておらず、今回ボーナストラックの体裁で追加されたようだ。ビリー・ジョエルは、この曲だけでなく、サックスを効果的に使った曲が多い。「Just the Way You Are(素顔のままで)」も名曲だけれど、この曲のオリジナルトラックのサックスはフィル・ウッズの客演。リッチーもライブではやっていたはずだから、今度は「素顔のままで」のリッチー版を出してほしいなあ。
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