Fourplay 「Esprit de Four」(2012)
前作から、チャック・ローブを加えたメンバーでの第2作目。チャックが加わったメンバーの成熟度が増したアンサンブルが聴きもの。四人のテクニックはもちろんだけれど、相互のインタープレイにお互いの信頼の深さが伝わってくるようなパフォーマンスに感激してしまう。アルバムジャケットからして、きずなのような精神性を感じる深みのあるアルバムだ。
「Venus」や「Put Our Hearts Together」のボブのピアノとチャックのギターは美しく、静謐だし、このあたりが新しいフォープレイと言えるかもしれない。「Espit de Four」の、聴きやすいテーマメロディは、今までのフォープレイ十八番のポップなテイストだけれど、視界が広がるような演奏表現に感動。いつものソリッドなリズムセクションも、チャックが加わってさらに磨きがかかっている。「Sonnymoon」や「Firefly」の、複雑系でかつスウィングしているリズムアンサンブルには、もう脱帽。
NHKのドキュメンタリーでも取り上げられていたが、ボブは、東北の震災後に地元のアマチュアプレイヤーと親交を深めたり、仙台でコンサートをしたり、日本のファンへの「想い」を強く持っている人だ。「Put Our Hearts Together」は、そのような過程で作られた曲だそう。最後のボーカルトラックは松田聖子が歌っていて、日本盤だけのボーナストラックかなと思いきや、正式盤にも入っている。彼女の歌はうまいし、このボーカル曲が最後を占めているのが、今回のアルバムの最大のメッセージだろう。
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