Nicholas Cole「Endless Possibilities」(2012)
今やスムースジャズ界のメジャーレーベルとなったトリッピン・リズム・レコード。その傘下に、新しいレーベル「カットモア・レコード(Cutmore Records)」が生まれた。コンテンポラリージャズの若いアーティストを発掘することをコンセプトにしたレーベルだ。その第一弾が、ニコラス・コールの本作品。
ニコラスは、18歳の若きキーボード奏者。過去に1枚アルバムを出しているが、このメジャーデビューアルバムは、全14曲、自己プロデュースで、自作自演の才能を発揮した、スムースジャズのピアノファンとしては見逃せない1枚だ。
ピアノのスタイルとしては、ブライアン・シンプソンや、ブライアン・カルバートソンの影響大で、同系の若手ジョナサン・フリッツエンを、アタックを押さえてもっとマイルドにした感じ、と言えばいいか。
アルバムを通して、マイルドなチルアウト・ムードが漂い、コンテンポラリーなアコースティックピアノの旋律が堪能できる。バックリズムがほぼ打ち込み系で、個人的にはちょっと好みではないので、そこだけが残念。けれど、スティーブ・コールやジュリアン・バーン、ヴィンセント・インガラ、ティム・ボウマン、スティーブ・オリバーなどビックネーム客演のサウンドは豪華で、期待を裏切られることはない。
ジャケットの本人写真、チンピラ風?、ちょっとイケてないなあ。でも、内容を聴けば、これはいずれビックになりそうな可能性を秘めているアーティストだ。
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