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2012年10月の5件の記事

2012年10月27日 (土)

Four80East「Off Duty」(2012)

フォー・エイティ・イースト(Four80East)は、ロブ・デボール(Rob DeBoer)とトニー・グレース(Tony Grace)という2人が中心のプロジェクト・バンドで。彼らの音楽は、ジャンルとしては、"Nu Jazz”と綴るいわゆる「ニュー・ジャズ」。

今や、ジャズの名の下に、派生しているジャンルは多々あって、ファンクだったり、アシッドや、ジャズトロニカともなると定義が良く分からない。シンセ音のエレクトロニックを、ジャズのフォーマットで、複雑系リズムとアドリブ演奏を中心にしたスタイルを、ニュー・ジャズと呼ぶのだろうか。ヒップ・ホップやヘビーなファンクが混ぜ合った、これもアシッド・ジャズと呼ばれるようなスタイルも最近の潮流で、あまりそっち方面のコアな音楽になると、好みから外れてしまう。

このフォー・エイティー・イーストは、比較的コンテンポラリーなユニットで、サックスやギターのアコースティックな楽器の演奏と、エレクトロなプログラミングをブレンドした、何ともクールな音を聴かせてくれる。

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2012年10月21日 (日)

Nils 「City Groove」(2012)

ニルスのギターは、ヴァレイアーツというアメリカのギターで、今はギブソン傘下のモデル。かつて、ラリー・カールトンやリー・リトナーが弾いていたギターとして有名で、フュージョン最盛期には典型的なギターモデルとして人気を博した。

その抜けのよさとか、歯切れのいいストロークの音は、ウエストコーストの景色やハイウエイの疾走感のイメージにピッタリで、ファンキーなフュージョンの代名詞のような音だ。

ハイトーンのチョーキングや、ファンキーなコードストローク。ロックだったり、フュージョンだったり。どこかレトロな感じの音でもある。そう、ウェストコーストのAORやフュージョンが流行っていた80年代の雰囲気。

この新作タイトル、そのままに、シティムードたっぷりなまさにアーバンミュージック。前作のバイブレーションは、まるで続編のようにこの新作でも変わらない。こんなにハッピーなプレイをしてくれるギタリストは、いそうでいない。

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2012年10月14日 (日)

Marc Antoine 「Guitar Destiny」(2012)

コンテンポラリー・ジャズでの、お気に入りナイロンギター奏者と言えば、アール・クルーと、ピーター・ホワイト、そしてこのマーク・アントワン。

マーク・アントワンは、純血ジプシーの家系で、彼のプレイは伝統的なマヌーシュジャズの継承者なのだ。そこが、アール・クルーやピーター・ホワイトと違う、マークならではの魅力。マヌーシュジャズといえばジャンゴラインハルト。マークのスタイルは、ジャンゴのダイナミックなスウィングとは違うけれど、独特な哀愁のプレイは、間違いなくジャンゴに通じている。

この新作も、そんなマヌーシュなムードに溢れいているのは、原点回帰という意図なのだろうか。加えて、どの演奏もジャズっぽい。9曲目「Jazz It Up !」は、マークがセミアコに持ち変えて、題名そのまま、ニュージャズ的なアンサンブルを聴かせてくれる。

その他の曲は、いつものガットギターでの演奏で、タンゴ、フラメンコやマヌーシュのテイストのスムースな佳曲ばかりだが、どの曲でもマークのアドリブがたっぷり聴けるのがうれしい。

1曲目の「Like It Once Was」は、キャッチーなボサノバの曲。サックスが絡むあたりが、スタンゲッツとジルベルトのような魅力の曲、でも、そうだ「ゴンチチ」風なのが「大発見」。

ポール・ブラウンと組んだ「Foreign Exchange」はキャッチーな曲ばかりで今でもヘビロテ盤だけれど、このソロ新作も硬派なマークが堪能できる好盤。

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2012年10月 7日 (日)

スムースなシングル盤⑤


3tracの「D-Phunked」は、ソリッドでファンキーな1曲。3trac(スリートラック)は、サックスのブラッド・ランブール、キーボードのグレッグ・マニング、ベースのジェームス・イーストが組んだ新しいユニット。3人はいずれもスムース系ジャズの才能あふれる若きアーティスト。ランブールは、2010年のデビューアルバム「Can't Put It Down」は正当派スムースジャズの好盤。マニングの、同年の「The Calling」もコンテンポラリーな好盤。ジェームス・イーストは、なんと、フォープレーのベーシスト、ネイザン・イーストの弟である。ひさびさに硬派な演奏に脱帽。これぞフュージョン。これぞクロスオーバー。このユニットのフルアルバムが早く聴きたい。

カル・ハリス・ジュニアは、ロサンゼルスのキーボードプレイヤー。新曲シングルの「Smooth」は、エラン・トロットマンのサックスをフューチャーしたテーマメロディーと、カルのエレキピアノが印象的で、チル・ムードな佳曲。

ローマンストリートは、アラバマ出身のギタリスト兄弟2人と、友人のバーカッションの3人組ユニット。この新曲「Caravan」も、フラメンコスタイルのギターデュオが、素朴でなぜか新鮮。ピュアなフラメンコやスパニッシュではないけれど、こういった若いアーティストがやると、古いのが新しくてかっこいい。

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2012年10月 1日 (月)

Euge Groove 「House of Groove」(2012)

最近のスムースジャズは、チルアウトが大流行りで、その傾向の新譜に少し食傷気味。ユージ・グルーブのこの新作は、チルアウトなんて関係無いという感じで、ポップスのゴールデン・ルールを踏まえた全曲に、ほっとする。

ユージのサックスプレイは、いつも通りハートフルに「歌っている」のが、感動的ですらある。バラードは、スウィートソウルの定番ような、「泣き」のサックスプレイでムードを盛り上げてくれるし、リズミカルなチューンは、どこか懐かしいスウィング感に溢れている。

この彼の8枚目のリーダーレコーディングは、まるでグレーテストヒットアルバムのような珠玉の10曲で、前作にも増して最高の作品。前作のバイブレーションを引き継いだような曲想で始まる1曲目の「Knock Knock! Who's There?」や、「Fellowship Hall」はソプラノが軽快にスウィングするし、スウィートバラードの「Indian Summer」のソプラノは涙腺が緩む「泣き」。ソプラノは、ケニーGよりユージ・グルーブだぞ。

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