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2012年12月の9件の記事

2012年12月31日 (月)

独断で選んだ2012年のベスト盤

独断で選んだ、今年ヘビロテ・ベストな5枚。フィル・デニーの「Crossover」は掘り出し物。アーバンなサウンドに乗って奏でる彼のサックスは聴けば聴くほど病みつきに。ヴィンセント・インガラの「Can't Stop Now」は、最高にホットな作品。全曲はずれ無しキャッチーでポップ。クリス・スタンドリングの「Electric Wonderland」は、彼のメローなフェンダーギターとシンセサウンドが独特の魅力。

やっぱりこの人の新作、待った甲斐ありのポール・ブラウンの「The Funky Joint」。もう聴けばググッと来てしまう、ファンキーなギター。本人自身の唄はちょっといただけないけど、やっぱり彼のギターとノリは最高。ユージ・グルーブの「House of Groove」は、当然のごとく大ヒット、彼にとっても内容最高の新作で、とにかくグルーヴィな作品。デイブ・コーズより、ビッグになってもいい人。

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2012年12月30日 (日)

Lee Ritenour 「Rhythm Sessions」(2012)

リー・リトナーも、60才。ジェントルソウツ(デイブ・グルーシン、ハービー・メイソン、パトリース・ラッシェン、アーニー・ワッツ、アンソニー・ジャクソン、スティーブ・フォアマン)を率いたキャプテンフィンガースも還暦。

彼の登場は、フュージョンの夜明けに颯爽と現れた騎士ような感じだったし、少年のような風貌でギブソンから繰り出される洗練された旋律はなにしろかっこよかった。ダイレクトカッティングで制作された「Gentle Thoughts」(1977)は、思えば、フュージョンから今のスムースジャズを超越するような名盤だった。

それから35年を経たこの新作は、円熟を増し、バチュオーゾの域に達したリーのプレイが堪能できる。「リズムセッション」を固めるゲストがすごい。チック・コリア、ジョージ・デューク、スタンリー・クラーク、デイブ・グルーシン、パトリース・ラッシェン、マーカス・ミラー、ピーター・アースキン、等々、フュージョン界のオールスター。

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2012年12月29日 (土)

Carl Stanley 「A Beautiful Thing」(2012)

カール・スタンレー、イギリスから注目のサックスプレイヤーの登場。このデビューアルバムは、UKソウルなスタイルで、スウィートでクールな12曲が並んでいる。

この人、14歳の時にナジーを聴いてサックスを始めて、グロバー・ワシントン・ジュニアを聴いて独学でサックスをマスターしたそう。ファンクジャズのロイ・エアーズや、UKソウルの歌手ミーシャ・パリス、と共演していたらしいので、米国のスムース系とは違う、このUKソウルなサウンドは納得。

曲間に1分未満の小品が4曲あり、ボーカル曲の同インストバージョンが2曲あるので、実質6曲なのだが、全て自作ということで、どの曲もメロディアスで作曲の才能も注目。サックスは、ナジーやグローバー・ワシントン・ジュニアを思い起こさせるけれど、さらっとブローする、クールな音が持ち味かな。

キーボードのオリ・シルクが客演した「Secrets」はスイートソウルな佳曲だし、ヒットチューンになりそうなメロディーの「The Way You Smile」はアーバンな感じのサックスがクール。タイトル曲「A Beautiful Thing」はベストトラック。ソプラノサックスの演奏で、テーマはちょっとひねったメロディで耳に残るし、ミッドテンポのバラードプレイが超クール。UKのスムースジャズは好みなので、この人も注目して行きたい。

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2012年12月24日 (月)

スムースなシングル盤 ⑦


クリスマスなシングル3枚。ジョー・リーダーのシングルはクリスマス定番の3曲入りEP。クリスマスムードにはソプラノサックスがぴったりということで、バラードの「Have Yourself a Merry Little Christmas」はケニーGと真っ向勝負。「White Christmas」はラップも入ってゴスペルムードがたっぷり。マライヤ・キャリーの「All I Want for Christmas Is You」は、はじけるサックスのパーティーチューン。3曲ともライブ音源で、でも観客の歓声をオミットしているようで、ちょっと違和感あり。どうせなら盛り上がる歓声をそのままにして欲しかった。

ジョー・プラスは、近作と同様に、サックスのアンディ・ウオールをフューチャーした「Jingle All the Way」。ファンキーなチョッパーベースが楽しい。

トランぺッター、ジャクソン・ライスの「Winter Wonderland」は、イントロがマイケル・ジャクソンの「あの」曲みたいな面白いアレンジ。トランペットプレイはジャージーなアドリブが聴きもの。

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2012年12月15日 (土)

Joe Plass 「After Hours」(2012)

ベーシスト、ジョー・プラスのソロ・デビュー・アルバム。この人、デビューといってもキャリアは充分で、ケニーGのバンドにいて、ケニーのヒットアルバム「Duotones」(1986)や「Shilhouette」(1988)にもベーシストで参加していた。このデビュー作にも、ケニーの「Tribeca」のカバー演奏が入っている。ベーシストのアルバムだけれど、自身のベースプレイをゴリゴリ押し付けることが無くて聴きやすい。

このアルバムは、彼自身のセルフプロデュースで、ベーシストとしてはリズムセクションの役割をキープして、サウンドプロダクションに徹している。曲もほとんどが共作を含めて自作で、どれもポップなR&Bタイプのキャッチーな佳曲が並んでいる。

「Loco Mojo」ではファンキーな早弾きのベースプレイが印象的だし、ジェフ・ローバーとの共作「Cup-O-Jpe」はフュージョンビートをバックアップするチョッパーで、ベースプレイヤーとしての技量も聴かせてくれる。

サックスを吹いているのはアンディ・ウオールという人で、曲も3曲共作していて、クセの無いスムースなサックスプレイが注目に値する。アンディの近作シングルを紹介したが、近いうちにフルアルバムが出るようなので期待したいサックスプレイヤー。タイトル曲「After Hours」は、そのアンディ・ウオールのサックスが都会的でメランコリーなハイライト曲。しばらくヘビロテになる、通好みのアルバム。

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2012年12月 8日 (土)

第55回グラミー賞ノミネート

第55回グラミー賞のノミネートが発表された。最優秀賞の決定は、来年2013年2月。残念ながら、「スムース・ジャズ」のジャンルは無いのだが、「ベスト・ポップ・インストゥルメンタル・アルバム」に注目したい。ノミネートされたのは、次の5アルバム。

(追記:受賞作★印)

1.「24/7」Gerald Albright & Norman Brown

2. ★「Impressions」Christ Botti

3.「Four Hands & A Heart Volume One」Larry Carlton

4.「Live At The Blue Note Tokyo」Dave Koz

5.「Rumbadoodle」Arun Shenoy

スムースジャズファンにはおなじみのアーティストが並んでいる。いっその事、スムースジャズの賞を作って欲しいものだ。

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2012年12月 2日 (日)

Art Garfunkel 「The Singer」(2012)

敬愛するアート・ガーファンクルの2枚組ベストアルバム。アートのベストは、今までも数多く、今回も新曲2曲を除くと新しい音源はないのだけれど、本人が選んだ珠玉の全34曲はマストディスク。

もう71才になるらしい。最近はのどを壊したとかで、もう歌えないのではと心配していたから、このアルバムに入った新曲2曲が嬉しい。どちらの2曲も、マイア・シャープがプロデュースしたトラック。マイア・シャープは、2002年のアルバム「Everything Waits to Be Noticed」で共演したシンガー・ソング・ライター。

その新曲、「Lena」が白眉。問題を抱えた主人公、レナ。彼女の哀れみを歌う、ジーニアスなアートの歌声のなんと美しいこと。もう一曲の新曲、「Long Way Home」は、マイア・シャープの作品で、アートが彼女の作品を敬愛しているのが伝わってくる。

このベストアルバム、ポール・サイモンが去年出したベスト「The Songwriter」に答えるように、タイトルは「The Singer」、まるで対をなしているよう。CDに封入されたブックレットに映っている、小学生かと思う肩を組んだ2人の写真が微笑ましい。

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Bobby Caldwell 「house of cards」(2012)

ボビー・コードウェルの新作。AORの名作で、今も色褪せない、あのデビューアルバムの大ファンとしては、あのボビーよもう一度の期待が膨らむ。なにしろ、最近はジャズシンガーの趣きで、スタンダードを歌うエンターテイナーという感じだったから。ボビーも61才だし、それも良し。それでも、あと一枚でいいから、デビュー盤からセカンド「Cat in the Hat」(1980)、サードの「Carry On」(1982)で展開した名作AORの復活のようなアルバムを長いこと待っていた。

そこでこの新作。ジャケットのボビーが広げるカード、意味深で挑戦的な視線が意味するところ。カードの中身が分かるかい。色々なジャンルに彩られた11曲が、ボビーが持っているカードなのだ。

なんとカントリーな2曲、「Dinah」と、初期のイーグルスのような「Heart's on Fire」。4ビートのジャズ「It's all Coming Back to Me Now」と、ブルースの「Dear Blues」は、ジャズを歌って養った表現力の結晶かな。「Dance With Me」はタンゴと来て、「Mazatlan」はウエストコーストロックで、これはまさにTOTO。

そして5曲が、AORの趣きで、どれも嬉しい。その1曲、「What About Me」は、低音階で歌う歌声が、ボビーと分からず驚き。「Blue」はどこか哀愁的なメロディが耳に残るし、客演したデイブ・コーズのサックスが入るだけで、この曲が輝いてしまう。このボビーの新作の驚きは、タイプの違う全曲だけれど、どの曲も円熟した歌のうまさに脱帽。

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2012年12月 1日 (土)

Eight 02 「Drive」(2012)

新生フュージョン・バンド、エイト02の5曲入りミニアルバム。硬派な音のフュージョン・アンサンブルが心地いい。

ギター、ドラム、キーボード、サックスの4ピースバンド。メンバーの2人(ドラム、サックス)は、80年代のフュージョンバンド「キリマンジャロ」のメンバー。方やの2人(ギター、キーボード)は、90年代にデビューした「ピクチャー・ディス」というフュージョンバンドのメンバー。

残念ながらいずれのバンドの音源を聴いた事がなかったのだけれど、インターネットで漁った情報によれば、パットメセニー、スペシャルEFX、イエロージャケッツ当りの影響受けたバンドらしい。というわけで、この新作の音も、イエロージャケッツを思い起こすビート感があって、フレッシュなフュージョンサウンドが嬉しい。

1曲目の「Chocolate Amber」は、先のピクシャー・ディスの2007年同名アルバムに入っていた曲の再演ので、2曲目の「Tell It」も、「Tell It Like It Is」とタイトルされている同アルバムからの再演。パーカッションとベースのサポートが入ったキレのいいリズムセクション。耳障りの良い美メロディは聴けないけれど、フュージョンジャズのキャリア十分なメンバーが繰り出すアンサンブルは、聴けば聴くほど味が増す。次回のフルアルバムを期待。

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