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2013年2月16日 (土)

Duncan Millar 「Fresh Air」(2013)

UK出身のキーボードプレイヤー、ダンカン・ミラーの超クールなミュージック。アメリカのスムースジャズとは違う。アシッド・ジャズの香り、ビートよりムード、レイド・バックな脱力系、ダンス・クラブのグルーブ。

この人、ダンカン・ミラーは、80年代からUKのポップ・シーンで、幾つかのバンドへの参加やプロデュースをしたり、セッション・プレイヤーとしても活躍。スムースジャズ系のソロ作品は、「Dream Your Dream」(1998)、「Good to Go」(2001)、「Comin' Thru」(2002)にさかのぼるので、しばらくぶりの新作。

ピアノが主役だけれど、ユニークなのは、アコースティック・ピアノに加えてフェンダー・ローズやエレキ・ピアノが、縦横に交差する演奏。このエレキ・ピアノの音が、何となく、レトロで、ムーディなのだ。

フェンダーローズは、フュージョンやスムースジャズで今でも主流のエレキピアノ。かたや、ここで彼が使っているのは、ウーリッツアーピアノという、エレキピアノで、70年代にはカーペンターズやクイーンが多用していた鍵盤だそう。ウェッブで調べた「聞き」かじりによると、ローズは音叉を叩いて共鳴させる鍵盤で、ウーリッツアーは振動板を叩く構造で、ウーリッツアーのほうがローズに比べてピアノに近い、という違いがあるそう。これ以上専門的なことは分からないのだけれど、これで、レトロだと感じたわけか。

タイトルの「Fresh Air」は、ダンサブルでノリのいいハイライト・チューン。リゾートリズムを使う曲も印象的で、「Ilhabela」はカリプソ、「Buenas」はボサノバ、リズムにかぶさるアコピやエレピのアドリブが、どこか旅行的。「Get What You Give」はダンス・フロア系リズムに、キレのあるアコースティック・ピアノとフェンダーが交差する、アシッドな曲。メランコリックなエレピのメロディーと、ミュートのトランペットが、映画音楽のような「Autumn Mood」。「Blue Cool」は、メローだけれどアタックのあるアコピが、感傷的なムード満点。全10曲、やっぱりどこかロンドンの香りがするなあ。

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