Marion Meadows 「Whisper」(2013)
スムースジャズはポップスのカラオケだ、なんて思っている人に、ぜひ聴いて欲しい。マリオン・メドウズの新作、これは最高のクオリティの「ポップス」アルバムだ。
マリオンは、ビックネームのソプラノサックス奏者で、過去のソロアルバムは11作。前作は2009年の「Secrets」だから、4年ぶり12作目のアルバムだ。
ラテン系のメランコリックなメロディーをボーカルのごとくメローに吹くソプラノがこの人の特徴。1曲目の「The Visitor」から「Whisper」「Black Pearl」と続くメローなソプラノ音色の3連発にうっとりしてしまう。もちろん唄を歌っているわけではないけれど、ボーカルがある無しに関わらず、いやそれ以上に「唄っている」マリオンのソプラノは、最高のポップスチューンだ。
一方で、ボブ・ボールドウィンが客演している「Bottoms Up」はコンテンポラリージャズで、「Sky Dive」(フレディ・ハバードのカバー)はビックバンドのアンサンブルで、それぞれメインストリームなソプラノサックスのアドリブプレイを演ってくれる。
「Wild Thing」はヒップなダンスチューンで、この当りの音を聴くと、ケニーGと持っているものが違うんだなと。ラストチューンの「Turn Up the Quiet」は、明るいミディアムバラードのポップスチューン。最後もやっぱり、メローなソプラノサックスが心地いい。
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