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2013年8月の6件の記事

2013年8月31日 (土)

Scott Allman 「Next Stop Home」(2013)

スコット・オールマンは、シカゴを中心に活躍しているキーボード奏者。プロとしてのキャリアは20年を超えるという。最近はラリー・カールトンのツアーバンドにも参加しているようだ。

彼のソロアルバムは、「Generations」(2011)がデビュー作で、この新作が2作目。彼自身のコメントによると、デビュー作は"Not Jazz"な仕上がりだったので、新作では「コンテンポラリー・ジャズ・ジャンル」を指向したという。そして、12の自作曲のテーマは、トラベルであり、"Home"はどんな場所にもある。どんな道もHomeにつながっている。そんなテーマが伝わってくるような、ドラマティックな曲想にあるれたアルバムだ。

サウンドとしては、パット・メセニーや、ブライアン・カルバートソンスティーブ・オリバーあたりの路線かな。情景を思い起こす奥行きの広いアレンジメントは、ムードミュージック的であったり、コンテンポラリージャズであったり、映画のサントラのようでもあり、この人のキーボード奏者より、アレンジメントとサウンドデザインの才能が発揮されている。

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2013年8月24日 (土)

Garry Goin 「Road Trip」(2013)

ギター奏者ゲリー・ゴーインのメジャーな仕事は、 BWBに参加しているサックス奏者カーク・ウェイラムとの共演だ。ウェイラムの作品「Into My Soul」(2003)と「Roundtrip」(2007)では、作品共作、プロデューサー、ギタリストとして参加していた。ゴーインのソロ新作は、2004年の「Goin' Places」、そしてこの作品がそれに次ぐ新作。サウンドは、R&Bソウルのテイストで、メンフィス・ソウル系。

プロデューサーとしてクレジットとされているデビッド・ポーターは、アイザック・ヘイズやサム&デイブの時代の超有名ソング・ライターで、そのデビッド・ポーターが、ゲリー・ゴーインを気に入って、ウェイラムとの共演などのプロジェクトに参加することになったらしい。ギタリストとしてゴーインは、曲によって、セミアコか、ガットギターを弾いているのだが、メンフィス・ソウル系のサウンドをバックに、ガットギターを弾いている演奏が、なかなかクール。

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2013年8月17日 (土)

The Brand New Heavies 「Forward」(2013)

猛暑の夏ならば、むしろパワフルなファンクやソウル、またはアシッド系の音が聴きたくなる。夏のそばやうどんに飽きた頃に、むしろステーキてな感じ。80年代のギャップ・バンドや、シャラマーあたりのディープな横揺れビートや、レベル42のアシッド・フュージョン・サウンドが懐かしい。昔の音もサイコーだけれど、このブログのテーマは、「今」の音源だから、このディスクを紹介したい。

ブラン・ニュー・ヘヴィーズの新作。彼らは、言わずと知れたイギリスのアシッド・ジャズ系のバンド。結成は90年代初期の長寿バンド。正直、まだやっていたとは知らなかった。結成時からの3人(Jan Kincaid、Simon Bartholomew、Andrew Levy)が、今でも中心のバンド。初期は、インスト・バンドで始まって、ボーカルのエンディア・ ダヴェンポートを迎えて評価が高まった。

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2013年8月 9日 (金)

Rob Tardik 「Limitless」(2013)

スムーズジャズ系のギタリストで、アコースティック・ギターを弾く人の中で、この人、ロブ・ターディックは個人的にベスト級のプレイヤー。スムーズジャズといっても、ポップス系の音と、フュージョンやコンテンポラリー・ジャズ系の流れがあるとすると、この人は最右翼のポップス系。自作メロディーは、キャッチーでポップだし、音作りもイージーリスニング風。こういうタイプのギタリストは、あまり評価されないかも知れないが、固いこと言わないで、聴いて欲しい、いいんだから。

前作「B.E.L.L.」に続く、新作アルバムは、ちょっと意表をつくような曲は何曲かあるけれど、先行して発表されたシングル「One World」を筆頭に、今回もいつも通り彼らしいポップな秀作。

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2013年8月 2日 (金)

Earl Klugh 「HandPicked」(2013)

アール・クルーの新作は、3曲のゲストとの演奏を除いて、他13曲ギターソロによるアルバム。アールのオリジナルが3曲入っているが、ほとんどがジャズやポップスの名曲をカバーした彼のフェバリット・ソング・ブックという感じの選曲。

それぞれの曲のオリジナルへの想いというより(かなり古い曲もあるからね)、彼が影響を受けたギターのジャイアンツのカバー演奏を振り返るような意味で、私的な思い入れの曲が選ばれているのかもしれない。ゲストが入る3曲もデュエットの演奏で、アルバムを通して、アールの柔らかいギター音色が堪能できる、なんだかほっとする新作。

1.Alfie(1966):バート・バカラックとハル・デビッドの名曲。パット・メセニーもソロギターアルバム「What's It All About」で演っていた。

2.Lullaby Of Birdland(1952):ジョージ・シアリングのジャズの名曲。チェット・アトキンスもレパートリーにしていたので、そのオマージュかもしれない。

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2013年8月 1日 (木)

「フレディ・マーキュリー 孤独な道化」レスリー・アン・ジョーンズ著

フレディ・マーキュリーが45歳で他界したのは、1991年11月24日。それから22年も経つというのに、彼の唄声は色褪せないし、史上最高のロックボーカリストの1人。とりたててクイーンのファンではなくても、「ボヘミアン・ラプソディ」や一連の名曲に魅せられない人はいない。

この本は、フレディ・マーキュリーの伝記であるが、偉大なロック・ボーカリストの業績を詳細に掘り起こす内容ではない。彼の残した作品にまつわる裏話などももちろん出てきて興味深いが、コアなファンなら周知かもしれないので、そういった興味だけで読む本ではない。

かくいう筆者も、クイーンはもちろん嫌いではないけれど、特にファンというわけではない。けれどこの評伝に引込まれてしまった。希代稀に見る成功の階段を駆け上がり、奇異に満ちた人生を最後は悲劇的に終わらせた、フレディ・マーキュリーというひとりの人間の姿に。

彼の死因がエイズだったことや、男性女性に限らない奔放な交友関係、または、金任せの豪遊癖など多々のゴシップなどは、彼がいなくなった今でも、時にはおもしろおかしいく流布されている事実である。そういった「事実」の裏側で、フレディという人間が、彼自身の性癖に戸惑い、いつも罪の意識に苛まれ、家族を求め続けた人間で、その苦悩の表現として、対極的な生命力のあふれた楽曲を作り出していたのだ。

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