Lebron 「Shades」(2013)
新人サックス奏者、レブロン(本名レブロン・デニス)のデビュー作。彼のサックスプレイも、サウンドも、好感の持てる作品。アーバンなサウンドで、カラッとしたR&Bテイスト。中間音を中心に柔らかな音色に終始するサックスプレイも、耳に心地いい。思い浮かぶのはジェフ・カシワや、ダーレン・ラーン、ユージ・グルーブ、時にはケニーG、といったメジャーなサックスプレイヤーだし、サウンドはいかにもの黄金律のスムーズ・ジャズ・バイブレーション。デビュー作にしてこの完成度だから注目のアーティスト。
シングルのM3「Groove City」のようなキャッチーなハイライトチューンもあって、アルバム全10曲が、心地よいバイブレーションで繋がっている。アルバム全体がスムーズに同期しているサウンドデザインに、このアーティストのコンセプトが感じられる。あえて、ジャズ的なアドリブや感情移入を押さえて、リスナーに心地いいサウンドとバイブレーションを届けてくれる。
プロデューサーはダーレン・ラーン。「Groove City」では、ポール・ブラウンがギターで客演。同じレーベル(カットモア・レコード)のニコラス・コールが参加しているのはM5「Kiss and Tell」。ほとんどの作曲はダーレン・ラーンによるもので、3曲がレブロンとの共作。ダーレンのサックスもM2「Double or Nothing」で参加していてレブロンとのファンキーなデュエットプレイが聴ける。最後のM10「Turn It Up」が、アルバムの中では一番ファンキーでパワフルなナンバー。この路線で、次回の作品はもっと弾けたサックスが聴きたい。
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