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2013年9月 8日 (日)

Pieces of a Dream 「In The Moment」(2013)

かつて、ピーセス・オブ・ア・ドリームが、グロバー・ワシントン・ジュニアに見出されてデビューしたのは、彼らがまだ10代の1976年だった。編成はジャズのピアノトリオで、出身であるフィラデルフィアのソウルや、ゴスペルのテイストを持った、新しいコンテンポラリージャズのバンドだった。

かつて、1970年後半からソウル系ラジオ番組から人気を博した「クワイエット・ストーム」なる音楽ムーブメントが、いわゆるメロウで都会的な音を指すジャンルになった。ジャズでは、CTIレーベルの音や、グロバー・ワシントン・ジュニアあたりが代名詞となったのは、その後のいわゆるスムーズ・ジャズの展開に続いたのかもしれない。日本のFM番組「クロスオーバー・イレブン」は、いわゆる「クワイエット・ストーム」を持ち込んだ先駆的な番組だったのだろう。アメリカでは今も「クワイエット・ストーム」な深夜の音楽番組が多くあるようで、そういった背景の違いが、スムーズ・ジャズの日米の人気の違いなのかもしれない。

さて、ピーセス・オブ・ア・ドリームのデビュー以来、長いキャリアを経たこの新作は、20作目を数える。現在のバンドの中心メンバーは、デビュー以来の、ピアニストのジェームス・ロイド、ドラムスのカーティス・ハーモンの2人。このサウンドは、まさに前述した「クワイエット・ストーム」のメインストリームでなかろうか。スゥイートなソウルテイスト、メロウで、シブくて、ジャズの艶っぽさもあって、ゴスペルやストレート・ジャズがブレンドされている。彼らの演奏する音やメロディーに、ラムゼイ・ルイスや、グローバーや、ルーサー・ヴァンドロスあたりがデジャブのように聴えるのは錯覚だろうか。20作目を経て、彼らの原点回帰の作品なのかもしれない。

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