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2013年12月 8日 (日)

Jamie Cullum 「Momentum」(2013)

ジェイミー・カラムは、ブルー・アイド・ソウルなその唄声が魅力だし、ピアノ・マンとして、ビーバップやスウィングも弾きこなすピアノ・プレイも大きな魅力。ポップな曲もやれば、ジャズのコンボからビック・バンドまでこなしてしまうクロスオーバーなアーティスト。小柄で少年のような風貌は、見る度に、マイケル・J・フォックスを思い出してしまう。

ずっと追いかけている訳ではないけれど、「Everlasting Love」(2004)や、「Mind Trick」(2005)の、ポップなヒット曲はヘビー・ローテーションだったし、映画「グラントリノ」の主題歌の、ピアノ弾き語りのソウルフルなバラードも感動的だった。「Twentysomething」(2004)のように、ジャズやR&Bを下敷きにした、アダルトオリエンテッドで、ボーカルに加えて、たっぷりジャージーなピアノも披露してくれるのがこの人の持ち味、というのが個人的な評価。

さて、この6枚目のアルバムは4年ぶりの新作。もう、固定的なジャズ路線から大きく飛躍して、音楽性バラエティな曲が満載で、この人の才能の大きさを感じるアルバムだ。のっけから、ポップス路線で始まるM1「The Same Things」や、続くM2「Edge of Something」は、マイナーなメロディーやアレンジと、ソウルフルなボーカルが、どこか、あのアデルを思い出してしまうのは、「ねらい」なのかな。実際、プロデューサーに、アデルの「19」を手がけたジム・アビスが参加している。

M3「Everything You Didn’t Do」も、ドウ・ワップを新しく解釈したような曲調で、これもヒットねらいかな。UKラッパーのルーツ・マヌーヴァをゲストに迎えたM5「Love For $sle」は、新境地のヒップな曲だが、ジェイミーのエレキ・ピアノのアドリブに耳が引きつけられる。M6「Pure Imagination」は、「グラントリノ」のような雰囲気を持った曲で、個人的にはこういう曲が、ジェイミーの魅力だと感じられて、このアルバムの中でも光っている曲。彼のピアノも美しいベスト・トラック。

M10「Save Your Soul」も、同様のムードを持った佳曲だし、最後の曲M12「You’re Not the Only One」は、ビリー・ジョエルのような、ドラマティックな雰囲気のポップ・チューンだ。その2曲は、傑作「Mind Trick」を共作した兄弟のベン・カラムとの共作。いつか、ピアノ・トリオのジャズ・アルバムを作って欲しいなあ。

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