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2014年1月 1日 (水)

Thierry Condor 「Stuff Like That」(2013)

スイスのシンガー、ティエリー・コンドルの新作は、80年代の西海岸ポップスをオマージュした、あの時代を彷彿とする作品だ。

最近は、新しいAORもあまり聴けなくなったからといって、ノスタルジックというのではなく、このアルバムは生き生きとしたサウンドで、ピュアなAORなのが驚きであり嬉しい。なにしろ、コンドルのボーカルが、中性的というか、ちょっと女性的で、透明感のある中高音も伸び良くて、これは、AORにピッタリの声で、唄もうまい。ジャケットのフツーのオジさん風貌から(失礼)は、意外だけれど。

プロデューサーは、ウーズ・ウィーゼンダンガーという人で、デイブ・コーズやジェフ・ローバーとも共演している人で、この作品のクオリティの高さは彼の手腕によるものだろう。全12曲のほとんどが、80年代90年代のカバーで、選曲は隠れた名曲も並んでなかなかニクい。AORファンなら、歓喜するに違いない。

M1.「Blue Looks Good On You」:
ソング・ライター、トム・スノウの作品。未発表曲なのか、新曲なのか、いい曲。のっけから、TOTOあたりを彷彿とする西海岸サウンドで、ワクワクする。

M2.「Lucky Man」:
デイブ・コーズのアルバム「Luck Man」(1993)収録曲。オリジナルのボーカルは、チャールズ・ペティグリュー。プロデューサーのウィーゼンダンガーは、コーズのアルバム「The Dance」(1999)にゲストで参加している。

M3.「Lazy Nina」:
グレッグ・フィリンゲインズのアルバム「Pulse」(1984)に入っている曲。ドナルド・フェイゲンの作品だが、スティーリー・ダンか、フェイゲンのバージョンは無いようだ。

M4.「Memories」:
ライターのクレジットは、デイヴィッド・バトウ、ドナルド・J・フリーマン。
ザ・テンプテーションズ「A Song for You」(1975)収録に同名曲があり、ライターも同じなのだが、このアルバムのこの曲は違うように聴こえるのだが(?)。演奏に、ジェイ・グレイドン(ギター)が参加していて、ギターもコーラスも、80年代のウェストコースト・ソフト・ロック。

M5.「Where is the love」:
オリジナルは、ラルフ・マクドナルドのアルバム「Sound Of A Drum」(1976)に入っている、バカラックを思わせる名曲。マクドナルドはパーカッション奏者だけれど、なんといっても、グローヴァー・ワシントン・ジュニアの「Just the Two of Us」を共作した人で、素晴らしいメロディー・メーカー。

M6.「Lonely Weekend」:
イエロー・ジャケッツの「Samurai Samba」(1985)収録曲。ボビー・コールドウェルがボーカル。

M7.「If I Could Hold On To Love」:
ケニー・ロジャースが、アルバム「They Don’t Make Them Like They Used To」(1986)で唄った、スティーブ・ルカサーとランディ・グッドラムの共作。TOTOを思い出してしまう、美しいバラード。

M8.「All I Know」:
ライター・クレジットは、スコット・クロスと、ピーター・ロバーツ。先行シングルで出ていた曲。コンドルのオリジナルかな?スコット・クロスは、ボビー・コールドウェルの「Stuck On You」や、「Cry」「Without You」など、コードウェルと共作が多い。この曲も、ボビー・コールドウェル風の都会的バラード。コールドウェルより、透明感のあるボーカルがいいなあ。

M9.「Lite Me Up」:
ハービー・ハンコックの「Lite Me Up」(1982)のタイトル曲。ロッド・テンパートンが唄った。

M10.「We Will Dance」:
クリスチャン・ミュージック・シンガー、スティーブン・カーティス・チャップマンのアルバム「All About Love」(2003)に入っている曲。チャップマンの自作曲。イエロージャケッツのラッセル・フェランテのピアノだけで唄う美しいバラード。

M11.「Is It You」:
リー・リトナーの「Rit」(1981)に入っている、エリック・タッグが唄ったAORの隠れた名曲。

M12.「Malibu」:
この曲もリー・リトナー。リトナーのアルバム「Color Rit」(1989)で、フィル・ペリーが唄った曲。

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