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2014年2月の7件の記事

2014年2月23日 (日)

Lisa Stansfield 「Seven」(2014)

リサ・スタンスフィールドといえば、最大のヒット曲「All Around the World」(1989)が印象的で、その後も聴き続けている訳ではないけれど、彼女のようなUK出身の「ブルーアイド・ソウル」のシンガーがなぜか好みである。90年代のディスコブームでは、日本でもかなり人気があって、それ以降、女優もしていたようだが、作品もしばらく出てなかったのでニュースも伝わってこなかった。

忘れた頃に久しぶりにこの嬉しい新作。アルバムとしては、前作「The Moment」(2004)以来、およそ10年振り、オリジナル作品としては7枚目の新作で、タイトルも「Seven」。

先行シングルで出ていたM1「Can’t Dance」は、90年代を思わせるちょっとレトロなディスコ調チューン。ピッキング・ギターや、タイトなドラムス、ブラス・セクションのサウンドが、どこかマイケル・ジャクソンを思わせてかっこいい。そのはず、この曲のドラムスは、マイケルの作品で叩いていたジョン・ロビンソン(!)。

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2014年2月22日 (土)

Vandell Andrew 「Turn It Up」(2014)

ニューオリンズ出身のサックス奏者ヴァンデル・アンドリュー。デビュー作品「Years Later..」(2011)は、ハリケーン、カタリーナに襲われたニューオリンズに想いを馳せたということで、ちょっと「内省的」な作品だった。この新作は、5曲入りミニアルバムだが、いずれもプログラム系のアップテンポのダンス・ビートに、スカっとして弾けるサックスが明るい作品になった。

5曲の内、3曲が、ネイト・ハラシムのプロデュースで、これがさすがハラシムという感じで、緻密でタイトなサウンドと、アンドリューのサックスが生き生きとしたミックスは、他2曲と比べてクオリティが明らかに違う。

M1「Let’s Ride」、M3「Driven」、M5「Turn It Up」が、ハラシムのプロディース・トラック。ハラシムのワンマン・バンドの音をバックに、アンドリューのアルト・サックスが乗っかるという作り。アンドリューは、彼のサイトで、「スムーズジャズは、スーパーマーケットや歯医者で聞こえてくるエレベーター・ミュージック(BGMのこと)なんてレッテルが付いているけれど、この作品でそんなインストゥルメンタル音楽の垣根を壊したい。」と言っている。

スムーズジャズは、パーティーやドライブ、色々なシチュエーションで聴かれる使用頻度の高いBGM。それは、ビジネスの点で、重要な要素だが、音楽性の評価は注目されない。たとえスタイルがBGM的でも、アンドリューのようなアーティストの主張ある音楽に耳を傾けないのはもったいない。こんどは、ハラシムの全曲プロデュースでフルアルバムを期待したい。

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2014年2月16日 (日)

スムーズなシングル盤 ⑰

デイヴィッド・P・スティーヴンスは、ギタリストであり作編曲、プロデューサーをこなすマルチタレント。新曲シングル「Innocence」は、サックス奏者ジャネット・ハリスをフューチャーした、フィラデルフィア・サウンドのスウィート・ソウル・バラード。スティーヴンスのちょっと硬質なギターに、ハリスの泣くようなサックス、そしてコーラス、と来れば「オールド・スクール」タイプの「お決まり」のスタイルだけれど、沁みるなあ。

カル・ハリス・ジュニアのシングルは、アルバム「Shelter Island」の冒頭を飾っていたタイトル曲。でも、このシングルはアルバムと内容が違う興味深いバージョン。このシングルのサックス演奏はユージ・グルーヴ。アルバム・バージョンの方のサックスはクレジットが無いので、見抜けないのだが、このシングルでは、出だしから、いかにもグルーヴだと分かるフレーズが出てきて、終盤までサックス演奏が長く登場する。アルバムでは、中盤はハリスのピアノが中心のミックスだが、シングルのほうは、グルーヴのサックスが前面に出てきて際立っている。グルーヴのファンは聴かなくっちゃあ。

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2014年2月 9日 (日)

Willie Bradley 「Another Day & Time」(2014)

トランペット奏者、ウィリー・ブラッドリーのソロ作品。50才ぐらいの人で、10年以上も前から、ジャズやゴスペルを、自己のトリオなどで、出身地であるノースカロライナはフェイエットビルで演奏活動をしている。

このデビュー作品のプロデュースは、18才の気鋭キーボード奏者、ニコラス・コール。コールによるサウンドデザインは、レイドバックなムードが満点で、彼のデビュー作品「Endless Possibilities」に通じる、コールならではのサウンド・カラー。コールのアコースティックピアノはリリカルで美しいし、ブラッドリーのホーンサウンドは、どの曲でもソフト&メローに響いて、包容力にあふれている。ゲストも、マーカス・アンダーソン、ジェフ・カシワリン・ラウントリーなど、注目だ。

M2「I’m Ready」は、ブラッドリーとアンダーソンの絡むホーンセクションが、クラッシックなスウィート・ソウルの雰囲気な佳曲。M8「All Said and Done」はバラードで、カシワのサックスと、ブラッドリーのトランペットがメローに絡んで、いい感じなのだが、フェイドアウトしてしまうのが残念。

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2014年2月 8日 (土)

Magnus Lindgren 「Souls」(2013)

マグナス・リングレンは、スウェーデンのサックス奏者(フルート、クラリネットも吹く)。作編曲家でもあり、才能溢れるジャズ・アーティストだ。スウェーデン・グラミーなど多くの受賞歴もあり、スウェーデン・ジャズ界を代表するアーティストの1人。ハービー・ハンコック、ジェイムス・イングラム、ニコラス・コンテなど、世界的なミュージシャンとも共演している。同じスウェーデンのミュージシャンで、「スウェーデンのクインシー・ジョーンズ」と呼ばれている(らしい)、トロンボーン奏者ニルス・ラングレン主催のファンク・バンド「ニルス・ラングレン・ファンク・ユニット」のメンバーでもある。ちなみに、この「ファンク・ユニット」は必聴!新譜が出たら紹介したい。

さて、リングレンのこの新作は、ボーカリストを迎えて、リングレンが「歌伴」にまわるという企画的な内容。複数のボーカリストが参加しているので、アルバムの統一感より、コンピレーションのようだが、それぞれカラーが違っても完成度の高い楽曲ばかり。

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2014年2月 2日 (日)

第56回グラミー賞の結果(2014)

第56回グラミー賞が発表された。「ベスト・ポップ・インストゥルメンタル・アルバム」の受賞は、ハーブ・アルパートの「Steppin’ Out」

カテゴリー名に付いている「ポップ」という捉え方なら、この作品はバラエティに富んだ内容だし、広い層のリスナーを魅了する点では、文句無し。でも、他のノミネートの4作品が、今の時代の「スムーズ・ジャズ」であったから、選ばれなかったのはちょっと残念ではある。中でも、ジェフ・ローバーの「Hacienda」は、ポップ・インストゥルメンタル、いやスムーズ・ジャズと呼ぶより、フュージョン・ジャズと呼びたい、最も近未来的なグルーヴの作品だから、ノミネートされただけでも、これらの周辺音楽の潮流を示しているようで、「快挙」だったのかもしれない。

何度か書いたように、グラミー賞に「スムーズ・ジャズ」というカテゴリーが無いのは、まだ「市民権」が得られてないのかな。日本はまだしも、このブログで紹介しているように、本場の米国発アーティストも作品も人気とクオリティは、もう充分だと思うのだが。

グラミー賞の「カテゴリー」というのも、変遷があって面白い。「ベスト・ポップ・インストゥルメンタル・アルバム」というのも2000年から「新設」されたカテゴリーで、受賞作品はこのようになっている。

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2014年2月 1日 (土)

Level 10 「Vector」(2014)

レベル10、先日紹介したシングル「Imagine That」、に続いてのこれが新作アルバム。過去作品は、「Together」(2009)、「Crossover」(2011)があって、この新作は3作目。

彼らの音楽は、「フュージョン」なのだが、下敷きというか、フォーマットというか、イエロージャケッツや、リッピングトンズ、スパイロジャイラといったフュージョンバンドを彷彿とする「音」。いずれも老舗のフュージョンバンドは、今も活躍しているけれど、見渡せば彼らぐらいなもので、80年代初めの頃のフュージョン・スタイルは、モダン・ジャズ同様に、いずれクラッシック化、レトロ化してゆく音なのかもしれない。そんなところに、このレベル10登場。なんと、その「レトロ化」して行くかもしれないフュージョンを、ひねらずに、ストレートなバンドサウンドでやってくれる。それも、かなり巧者の「音」と「グルーヴ」に、嬉しくなってしまう。

中心人物でキーボードがLevy DeAndrade、サックスがRex Freligh、ベースがYovannis Rogue、ドラムスがIvan Diaz Avila、の4人編成のバンドで、リズムはタイトでシャープだし、ベースの「うねり」も聴きものだし、サックスやキーボードもダイナミックだ。

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