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2014年4月16日 (水)

Citrus Sun 「People of Tomorrow」(2014)

シトラス・サンは、インコグニートのブルーイがプロデュースしたプロジェクト・バンド。シトラス・サン名義では、2000年に「Another Time Another Space」をリリースしている。

今回の新作は、フューチャーされているギタリストがジム・マレンだというから、80年代のUKフュージョンに魅了されたファンとしては、何とも懐かしい。サックス奏者ディック・モリッシーとマレンが組んだバンドが、モリッシー=マレンだった。80年代初めのフュージョン・ブームの時代に、シャカタクやレベル42のUKバンドが人気を博して、同じUK発のモリッシー=マレンも人気があった。モリッシー=マレンの作品「It’s about time…」(1983)は特に記憶に残っていて、「ブレードランナーのテーマ」のカバーを演っていたりと、その頃はかなり聴き込んだ記憶があるが、もう手元にCD(レコードだったか?)も無いし、残念ながら廃盤のようで、日本のiTunesにも無い。You Tubeで何曲かは聴けるぐらい。

さて、シトラス・サンだけれど、リズム・セクションはインコグニートのメンバー、マット・クーパー(key)、フランシス・ヒルトン(b)、ジョアオ・カエタノ(per)、フランチェスコ・メンドリア(dr)、そのまま。インコグニートがバタ臭いファンク・パワーだとすると、方や、ラウンジ・ジャズというのか、もっとソフトでメローなスタイルを追求しているこがシトラス・サン。陰と陽な感じといったらよいのか、ブルーイの音楽性の両面を聴いているようで興味深い。

マーヴィン・ゲイの名曲、M6「What’s Going On」は、マレンのギタープレイがフューチャーされているが、ベテランの味というのか、おおらかなプレイに、ほんわかとしたムードのカバー。M4「What Color Is Love」は、テリー・キャリアーの名曲をカバーしていて、歌っているのはヴァレリー・エティエンヌという人。このトラックはすばらしい。魅惑的なボーカルにうっとりする。沁みる、いい曲だなあ。

ボサノバのM1「Mais Uma Vez」、ラテン・ビートのM7「Tonight We Dance」は、いずれもキャッチーなナンバーで、どこかレトロなムードがあるけれど、リーピートしたくなる佳曲。M2「Cooking With Walter」は、パワフルなホーン・セクションに、ちょっとインコグニートを感じる一番ファンキーなナンバー。メローなムードに浸れる曲もあるけれど、でもヤワな感じはしない、硬派なリズムセクションがやっぱり本物という感じ。

それにしても、このブルーイという人のサウンド・ディレクションは、今や乗っているという感じ。偉大なるクインシー・ジョーンズあたりのポジショニングに、近づいている?

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