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2014年6月の7件の記事

2014年6月28日 (土)

Tristan 「Full Power」(2014)

トリスタンは、オランダのバンド。ボーカルに5名のリズム・セクションを配した6人編成。ソリッドなバンド・アンサンブルの音は、ちょっと懐かしいフュージョンやファンク・ジャズ。爽快感と疾走感に満ちていて、久々にガツンとやられる。このバンドを聴いたスティーブ・ルカサーは、「良き70年代を2013年に蘇らせる(バンド)」と評したそう。インコグニートや、ザ・ブランド・ニュー・ヘヴィーズダウン・トゥ・ザ・ボーン、といった、アシッドやファンク・ジャズ系の老舗バンドを追随する、新世代バンドの登場だ。

今年のグラミー賞のベストR&Bパフォーマンスに選ばれたアメリカのバンド、スナーキー・パピーも、もっと骨太で複雑系だけれど、ホーン・セクションを配したスタイルで、R&Bやフュージョンを新しく解釈しているところは、このトリスタンと共通点がある。リバイバルのようで、この生き生きとした音こそ新しい潮流かな。

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2014年6月22日 (日)

Paul Hardcastle 「The Jazzmasters 7」(2014)

ポール・ハードキャッスルは、「Hardcastle」と、「Jazzmasters」の、別名義の代表的プロジェクトを定期リリースしている。初期の作品では、「Hardcastle」は、フロア・ダンスやR&Bのスタイルで、ボーカリストも多用したシリーズ。「Jazzmasters」の方は、サックスやアコピを中心に、今のスムーズ・ジャズを先駆けていたような、チル・アウトなムード・ミュージック志向。名義は違っても、いずれもシンセを駆使したエレクトロ・ジャズと形容できるハードキャッスル「節」で貫かれている。

「Jazzmasters」が93年、「Hardcastle」が94年に第一作を出して、20年も続いている定番人気シリーズだ。去年は、「Hardcastle 7」で7作品目、「Jazzmasters」もこの新作で7作品目。近作は、正直言って、シリーズの違いはあまり感じられないが、いずれもチル・アウトでメランコリーなムードに酔える、揺るぎないいつものポール・ハードキャッスルというところがいいのかな。最近は、作品ごとに、ポールの心酔するアーティストをオマージュするのがテーマのようだ。「Hardcastle 6」ではマービン・ゲイ、「Hardcaslte 7」ではクール&ザ・ギャング。そして、この新作ではバリー・ホワイト。

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2014年6月21日 (土)

JJ Sansaverino 「Waiting for You」(2014)

JJ・サンサヴェリーノは、ニューヨークで活動するギタリスト。マキシ・プリーストのツアーで、リード・ギターを担当したというキャリアもあり、デビュー・アルバム「Sunshine After Midnight」を2005年にリリースしている。この新作が2作目。

先行シングル「Gravy Train」は、キャッチーなナンバーで、スピード感のあるラテン風なフレーズが印象的な、なかなかの佳曲。個人的今年の「ベスト・ソング」候補にキープしたい曲。ストロークやシングル・フレージングは、ジョージ・ベンソン的な技巧派プレイヤー。

この人、ブラジルの家系のようで、どうりでラテンや、レゲエ、マヌーシュっぽいフレーズもあったりと、ジャマイカのギタリスト、アーネスト・ラングリンの影響を受けたような「味」を思わせる。サウンドは、アシッドやヒップ・ホップ的だったり、フュージョン風、という具合に都会的ミックス状態で、そこにJJのラングリン似のちょっとスカっぽいギター・フレージングが重なり、なんとも言えない魅力。

M5「Montego Bay」は、サックスが絡むラテン・メロディーの曲で、JJのギターの哀愁的フレーズがいい。M10「The Struggle」の、粗っぽいけれどファンキーなギターで、ジャズの理論的なアドリブも聴かせてくれる演奏。M2「Back Talk」は、スパイ映画のテーマのようなムードの楽曲で、ソリッドなギター・プレイがファンキー。このアルバム・ジャケットの、悪童っぽい感じ、ピッタリですな。

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2014年6月15日 (日)

Sam Rucker 「Tell You Something」(2014)

サックス奏者、サム・ルカーのデビュー・アルバム。プロデューサーが、ノーマン・コナーズ。ノーマンは、70年代からジャズ、フュージョン、R&B、ソウルの名ドラマーとしてセッションやソロ作品も多数、リジェンドと言ってもいいビッグ・ネーム。ゲストも、ボビー・ライル(kbd)、トム・ブラウン(tp)や、演奏ではなくミキシングをユージ・グルーヴが担当したというから、デビュー作といえ、これは只者ではない。全編、コンテンポラリーなR&Bスタイルのサウンドで固められていて、完成度の高いスウィート・ソウルなアルバムになっている。

共作を含めたサムの自作曲が8曲と、カバーが3曲。カバーのセレクトが、これまた、70年代80年代のしぶーいソウルの名曲で光っている。M4 「You Are My Starship」は、プロデューサーのノーマンの同名ソロ・アルバム(1976)のタイトル曲(作曲とボーカルは、ベース奏者マイケル・ヘンダーソン)のカバー。アコースティック・ピアノはボビー・ライルで、トランペットはトム・ブラウン、だと思うが、いずれもハートフルなプレイが絡むところが秀逸で、ベスト・トラック。

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2014年6月 7日 (土)

Mindi Abair 「Wild Heart」(2014)

ミンディ・エイベアの新作は、なんと、”ロック”な意欲作。スムーズ・ジャズの範疇では異色な作品だけれど、内容はベスト級の傑作で素晴らしい。エイベアのサックス・スタイルは、女性サックス奏者にしてはもともとパワフル・ブローなプレイヤーだけれど、この作品のぶっ飛んだサックスとボーカルは聴きもの。

ボーカルは、過去アルバムでも何曲か披露していたが、コケティッシュな声質でちょっと可愛娘ちゃんっぽい唄声が特徴だった。一転、この作品の唄声のロッカーぶりに驚く。

白眉は、M11「Just Say When」で、オールマン・ブラザースのグレッグ・オールマンとのデュエット。曲は2人の共作で、ミンディは、サックスを吹かず、ボーカルに徹している。ミディアム・スローのサザン・ロック・バラードなサウンドと、レジェンドと言っていいグレッグの唄声もしびれものだが、エイベアがハモる箇所なんて鳥肌ものだ。

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2014年6月 6日 (金)

Jazz in Pink 「1st Collection」(2014)

「ジャズ・イン・ピンク」は、スムーズ・ジャズ系の女性アーティストだけのプロジェクト・バンド。中心人物でプロデュースをしたのはゲイル・ジョンソン(キーボード)で、旬な女性アーティストが集まったオール・スター・バンドだ。

他のメンバーは、アルシア・ルネ(フルート)、マリエア・アントワネット(ハープ)、ロビン・ブラムレット(ベース)、カレン・ブリッグス(バイオリン)、ダニエル・ブラウン(ドラムス)で、ライブでも他のゲストを迎えて演奏しているようで、キム・スコット(フルート)、カット・ダイソン(ギター)、パメラ・エレーヌ(ボーカル)、ジャネット・ハリス(サックス)、シンディ・ブラッドリー(トランペット)、ポーラ・アサートン(サックス)が参加している。

この作品が第一作集ということで、作品によって、リードするアーティストが変わる。

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2014年6月 1日 (日)

Vladimir Cetkar 「Heavenly」(2013)

ウラジミール・チェトカーは、ボーカリスト兼ギタリストの新鋭アーティスト。名前から想像できるとおり、東欧のバルカン半島に位置するマケドニア共和国の出身。現在はニューヨークで演奏活動をしている。マケドニアでもライブ・アルバム「Live at Ohrid Antique Theater」(2005)を1枚出しているが、スタジオ録音のデビュー作品は「We Will Never End」(2008)で、この新作は2作目のスタジオ・アルバム。

80年代90年代のディスコ・ソウル、そして近年のジャミロクワイあたりをブレンドしたようなポップな音楽性。ホーンセクションやストリングス、ファスセットを多用するチェトカーのボーカル、そのサウンドはダンス・ミュージックをベースにしたゴージャス系だ。そして、ギタリストとしての才能も、ジョージ・ベンソンの影響を受けたであろう、注目のプレイヤーだ。荒削りなところも見えるけれど、才能の片鱗が見え隠れして、この人はいずれビッグになるような気がしてならない。

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