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2014年8月の9件の記事

2014年8月31日 (日)

Richard Elliot 「Lip Service」(2014)

リチャード・エリオットのこの新作は評価が分かれるかもしれない、少なくとも個人的には。

プロデューサーにポール・ブラウンを迎えての作品で、これがもう、ほとんど「ポール・ブラウン・サウンド」。エリオットは、前作「In The Zone」(2011)の後に、「Summer Horns」(2013)に参加。そこで、ポール・ブラウンのプロデュースの元、デイブ・コーズ、ミンディ・エイベア、ジェラルド・アルブライトと一緒にヒット作品を作ったのだから、ブラウンの影響を受けて当然か。

「Summer Horns」のメンバーは、その後、エイベア、アルブライト、ブラウンと、それぞれソロ作品を発表して、エリオットの作品がこれで、デイブ・コーズがまだだけれど、まさかコーズもポール・ブラウンのプロデュースだったりして。ポール・ブラウンのお手並みで、メローでライトなダンス・スウィングというか、軽ーい「ノリ」が粋だし、エリオットのサックスは滑るような音色が心地いい、上質な作品ではある。

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2014年8月30日 (土)

Euge Groove 「Got 2 Be Groovin'」(2014)

ユージ・グルーヴの前作「House of Groove」は、相当にヘビー・ローテーションで聴いたフェバリット・アルバムだったので、この新作「Got 2 Be Groovin’」は、えっ、もう新作、と思ったのだけど、前作からほぼ2年も経っていたのですね。もう、この人の作るサウンドは、文句無し。スムーズ・ジャズと呼ぶより、上質なインストゥルメンタル・ポップスと呼びたい。

ダンサブルで、スウィート・ソウルな前作に比べると、この新作は、リリカルなソプラノで奏でるバラードや、彼らしい艶っぽいサックスが印象的で、ヒーリングなムードに浸れる傑作。ピーター・ホワイトのギターと、グルーヴのサックスが交差するバラード、M4「Rain Down on Me」は、7分もある曲だけれど、しっとりとハートに沁みるベスト・ソング。

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2014年8月25日 (月)

スムーズなシングル盤 ⑳

最近チャートインしているホットなシングル3曲。ビッグアーティストのゲスト・プレイヤーとして売れっ子、サックス奏者エラン・トロットマンの新曲「Smooth’n Saxy」は、「エラン・トロットマン・グループ」名義の新しいバンドによる演奏。スチールパンドラムの音がトロピカルなムードを盛り上げるスロー・ジャズ・バラード。トロットマンのサックスはとにかく艶っぽくて。彼こそグローバー・ワシントン・ジュニアの後継者だなあ。この曲のライブによるロング・バージョンビデオがトロットマンのホームページで見れたのだけど、なぜか最近になって見れなくなってしまった。同じメンバーによる「Funkalypso」はまだ見れます。グルーヴィーなこのバンドの新作アルバムが待ち遠しい。

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2014年8月23日 (土)

Paul Brown 「Truth B Told」(2014)

ポール・ブラウンの7枚目の新作。スムーズ・ジャズ・ファンとしては、新作が出る度に聴かなくてはならない「マスト」アーティスト。彼自身のソロ作品に限らず、最近は、プロデュース業やゲスト・プレイヤーとしても大活躍なので、彼が関わった「ポール・ブラウン・サウンド」が最近はそこかしこで聴けるという感じ。それでも、彼のクールなギブソン・ギターの演奏や、メロー・サウンドに、飽きることなく惹かれてしまう。

この新作は、今まで以上に洗練された「ポール・ブラウン・サウンド」の傑作。いつも、メジャーなゲスト・プレイヤーとの共演が注目だが、今回も期待通りのアーティストが参加している。

ダーレン・ラーン、ナジー、リチャード・エリオット、ユージ・グルーヴ、デイヴ・コーズ、ラリー・カールトン、という顔ぶれで、それぞれお互いに共演などで親交があるとしても豪華な面子。当然かもしれないが、ゲスト・プレイヤーと共演している楽曲は、完成度が高くて、ブラウンのギター・プレイも光っている。そして今回は、ポップな楽曲が多いところが、ポール・ブラウンらしくていい。

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2014年8月17日 (日)

David P.Stevens 「Mr.Guitar」(2014)

デビッド・P・スティーヴンスの新作はタイトルは、こともあろうに「ミスター・ギター」、と来ましたか。気恥ずかしくなるようなタイトルでも、相当な自信の現れなかな。でも、これが、タイトルに違わず、5スター級の素晴らしい内容の作品。シャープなギターの音色とフレージングは、それだけで一級だし、スウィート・ソウルのスピリットに溢れたサウンドは上質なアダルト・オリエンテッド・ミュージック。

スティーヴンスのギター・スタイルは、ジョージ・ベンソンのフォロワー。M8「Give Me the Night」は、言わずと知れた、ベンソンの名曲のカバーも演ってい、スティーヴンスのギターとスキャットは、もうそのまんま、ベンソンだけれど、終盤のアドリブはベンソン以上にパワフルで聴きもののトラック。そういえば、ベンソンには「Guitar Man」(2011)というタイトルのアルバムがあったっけ。ガチンコ勝負の意気込みなのかな。

M2「For You」はベスト・ソング。ベンソンばりのギターとスキャットのユニゾンや、早や弾きフレージング、ポップな曲想、なかなかかっこいい曲。先にシングルで出ていたM5「Innocence」も、胸キュンのスウィート・ソウル・バラード。ジャネット・ハリスのサックスと、ミディアム・テンポで紡ぐギターがセクシーでググッと来ます。

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2014年8月16日 (土)

Rob Mullins 「Soulful」(2014)

ロブ・マリンズ、70年代から活躍しているジャズ・ピアニスト。ストレートアヘッドなジャズから、クロスオーバー期はクルセーダースと共演したり、近年はデイブ・グルーシン、リッピングトンズ、マイケル・リントン (デビューアルバムに入っているボビー・コードウェルがボーカルの「Tell It Like It Is」のプロデュース)など抱負な共演経験のあるキャリアの持ち主。

この新作「Soulful」は、自身のアルバムとしては、28作目になるらしい。題名どおり、どの曲も、ソウルやR&Bのフレーバーで彩られたサウンドで、ジャズでも、少しヒップなスタイルのピアノやフェンダーのプレイが素晴らしい。ドラムスやベースは、リズム・マシーンを使った「ワン・マン・バンド」の作りだけれど、アコースティック・ピアノやエレキ・ピアノ、シンセの演奏がメランコリックで、アルバムを通してヒューマンで暖かいムードに溢れている。

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2014年8月 9日 (土)

Eric Essix 「The Isley Sessions」(2014)

ギタリスト、エリック・エシックスは、キャリア25年、20枚のソロ・アルバムを発表している、ベテラン・アーティスト。自己のインディー・レーベル「Essential Records」から、ほぼ毎年のようにコンスタントにアルバムをリリースしていて、スムーズ・ジャズのチャート・インでも見かけることがあったけれど、失礼ながら、聞き逃していた。

この新作は、アイズレー・ブラザースの曲をカバーしたバラード集。初めてエシックスのギターを聴いたけれど、これは素晴らしい作品。企画ものということもあるけれど、彼のギターに、ピアノ、ベース、ドラムスだけの最小ユニットのアンプラグドな演奏。オーバーダビングほとんど無しの、ライブな演奏は、全曲バラードということもあり、メローな音の世界が美しい。

エシックスのギターがもちろん主役で、セミアコで奏でるレイド・バックした、ささやくようなパッセージには、うっとりしてしまう。ピアノのコード・バッキングや、ドラムスのブラシやスティック・プレイ、控えめなベースなど、ジャズ・コンボのオーソドックスなバラード演奏のフォーマットで、演る曲がアイズレー・ブラザースの名曲だから、これは極上のバラード・アルバム。

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2014年8月 5日 (火)

Matt Marshak 「Lifestyle」(2014)

ニューヨークのギタリスト、マット・マーシャックの新作は、キーボード、ドラムス、ベースを従えた小編成バンドのライブ演奏のような生き生きとした作品。実際に、複数のスタジオでライブ録音されたようで、ほとんどオーバーダビング無しの、リアルなバイブレーションに溢れるコンテンポラリー・ジャズの秀作。

2011年の「Urban Folktales」は、メローでクールなマーシャックのギターと、レイドバックしたサウンドが魅力のなかなかの好盤で、個人的な色褪せないフェバリットな一枚。その次作の、「Colors of Me」(2012)は未聴だったけれど、あのクールなマーシャックのギターがまた聴きたくて、この新作は手を伸ばしてみた。期待を裏切らず、なかなかの作品。「Urban Folktales」のようなテーマ性のある作品ではないけれど、佳作の曲がメリハリ良く並んで、楽しいライブを聴いているようだ。

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2014年8月 1日 (金)

Ragan Whiteside 「Quantum Drive」(2014)

女性フルート奏者、レーガン・ホワイトサイドの新作は、アーバンなR&Bの秀作であり、彼女のクールなフルートの演奏に感激する作品。

ほとんどの曲(12曲中8曲)で、プロデュース、作曲とキーボード演奏で参加しているのがボブ・ボールドウィンで、サウンドはほとんどボールドウィン・カラーと言ってもいい作品。

ボールドウィンは、今までも彼自身の作品でホワイトサイドを重用している。最近作「Betcha By Golly Wow」や、「Twenty」でも、彼女のフルートが聴ける。「Twenty」では、「Chameleon 3000」でおなじみのテーマ・メロディーを奏でていた彼女のフルートが印象的。ホワイトサイドの過去作品、「Class Axe」(2007)、「Evolve」(2012)も、ボールドウィンがプロデュースで関わった作品なので、「秘蔵っ子」という感じだろう。

この新作も、ボールドウィンの路線を継承する作品だけれど、ホワイトサイドの硬派なフルート・フレーズが聴き所で、技巧派のジャズ・アーティストの作品だと感じられる。

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