Jeff Gaeth 「Portrait」(2014)
サックス奏者ジェフ・ゲスは、ハワイ在住のミュージシャン。でも、ニューヨーク出身で、ロサンジェルスで音楽キャリアを積んだ人らしい。自己4枚目となるこの新作は、ハワイで活動している自己のバンドや、西海岸のミュージシャンが参加しての演奏。
ハワイ発というだけあって、この人のサックスの音色やサウンドは、乾燥した空気感が漂っていて、爽やかな音質を感じる。ジャズでもロックでも、西海外やハワイからの音楽というは、視界の広がるような空気感があって、何でだろうか、不思議なものだ。サックスのスタイルは、ウィルトン・フェルダーだったり、グロバー・ワシントン・ジュニアを思わせる、オーソドックスで、熱くもならず落ちついて聴ける音色。
M1「Tangled Up」は、アルバム中のベスト・ソング。テナーで奏でるメランコリックなメロディーや、ちょっとソウルっぽいノリは、クルセイダースの「ストリート・ライフ」的で、どこか懐かしい。M2「Portrait」や、M11「Keep It Simple」も、ちょっと胸キュンなメロディーと、爽やかなアルトが印象的なメローな佳曲。全11曲は自作曲で、なかなかの佳曲揃い。
メジャーな作品のような、ウェル・プロデュースされた作品では無いけど、ピュアな音楽性で、安心感があって、なんとなくほっとする。ハワイのクルーズの上とか、レストランのバック・バンド的な、ジャマしない演奏。おそらくそういったところで演奏しているのかもしれないなあ。
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