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2014年12月の6件の記事

2014年12月25日 (木)

2014年のベスト3+1

今年聴いたディスクからのベスト3、

① リック・ブラウン「Can You Feel It」:ダンシング・ビートにホーン・セクションとポップなメロディー、三拍子が揃って、八面六臂なリックのトランペットがたまらない、完成度の高い作品。デイブ・コーズとリックがチェイスする「Get up and Dance」はベスト・ソング。こんなにクールな曲をフェイド・アウトするなんて、本当に酷だなあ。

② マイケル・リントン「Soul Appeal」:リントンのサックスが、サイコーにソウルフルな傑作。のっけから最後までパワフルなリズムも息をつかせない。R&Bのフォーマットで展開するリントンの吹くフレージングは、テクもさながら、パッションがびんびん伝わる素晴らしい演奏。サックスとリズム陣のインプロビゼーションの応酬は、コンテンポラリー・ジャズとしても秀作。ケニー・ラティモアがゲストで唄う「Gonna Love You Tonite」は、最高にクールなベスト・ソング。ライブさながらのソリッドな録音も秀逸。

③ エド・バーカー「Simple Truth」:エド・バーカーのデビュー・フル・アルバム、ほぼ1年前のリリースだから、時間が経ってしまって、ちょっと分が悪いけれど、バーカーの健康的でワクワクするサックスとヴァイブレーションに軍配を上げたい秀作。最近、バーカーは活動拠点をアメリカに移したとか。次のアルバムあたりでブレークするかな。デイブ・コーズの強敵になりそう。

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2014年12月23日 (火)

Mitchell Coleman Jr. 「Soul Searching」(2014)

ベース奏者ミッチェル・コールマン・ジュニア、の今作がデビュー作品というから恐ろしい。これが才能の片鱗だとしたら、なんとも期待が膨らむな強力な新人の登場。彼のチョッパー・ベースが全曲に渡って縦横無人に躍動する、現代的なファンク・ジャズのアルバム。

冒頭のMCトラックは別にして、13曲が収めれられているが、いずれのファンクなビート・ヴァイブレーションが魅力。チョッパー・ベースだからといって、単に、ソウル・ビートのそれにあらず。M4「Come up」、M8「Secrets」は、ピアニストのデロン・ジョンソンが加わった、ジャズ寄りの演奏で、ジョンソンの知的なピアノ演奏と、バックでチョッパー奏法でファンク・リズムを刻むコールマンのベースが素晴らしい。デロン・ジョンソンは、マイルス・デイビスのバンドで演奏していた人で、さすがのジャズ・スピリットが光っている。

シェリル・リンの名曲で、レイ・パーカー・ジュニアがプロデュースした「Shake It Up Tonight」(1981)という曲があって、その作者は、元モータウンのアーティストのマイクとブレンダのサットン夫婦。その、マイケル・B・サットンという人が、3曲を共同プロデュースして、この作品に関わっている。(ちょっとしたトリビア。)その中の一曲、M2「Flow」は、懐かしくて新しいファンク・リズムが炸裂のハイライト・チューン。ジョンソン・ブラザースを彷彿とするチョッパー・ベースが爽快な演奏。ディープなファンク・ビートの曲群に埋もれて、これはなんとも嬉しい、M9「That’s the Way of the World」は、アース・ウィンド&ファイヤーの名曲カバー。オリジナルよりさらにメロウに仕上げた秀逸なヴァージョンで、この辺りにこの人の音楽嗜好が現れているようで、(カビラ風に)ムムっ!と叫びたいほど。

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2014年12月14日 (日)

Eric Nolan 「Mood Swing」(2014)

スムーズ・ジャズではないけれど、最近ハマっているのが、このエリック・ノーランの新作。

エリック・ノーランは、フルネームをエリック・ノーラン・グラント、1995年からオージェイズのメンバー。そもそもオージェイズは、1958年結成のグループで、オリジナル・メンバーはエディ・レヴァートとウォルター・ウィリアムズ、の二人。長い変遷を経て、メンバーもかなり変わっているけれど、今は、そのオリジナル・メンバーの二人(二人とも70歳!)と、ノーランで現役活動しているらしい。

そのノーランの新作ソロ・アルバムがこれ。オージェイズを形容したらいいのか、オールド・スクールなソウル・ボーカルの秀作。サウンドを作っているプレイヤーやバックグラウンドはわからないけれど、ノーランのスウィートなボーカルは若々しいし、なんともスムーズなムード。オールド・スクール的なソウルだけれど、最高に心地いい好盤。

ハイライトは、7分に及ぶM1「Do My Thang」。ソウル・パーティーのようなクールなMCの始まり、ファンキーなコーラスやサウンドをバックに歌う、ノーランのボーカルがかっこいい。7分があっと言う間のヴァイブレーション。この曲だけでも、スムーズ・ジャズ・ファンに聞いてほしい。M2「Reminds Me」も、スウィート・ソウルな秀曲。どこか懐かしくて、新しい、美メロのボーカルにうっとりします。M8「Give Her Your Love」は、オージェイズのウオルター・ウィリアムズがゲストでデュエットした曲。少しかすれた声のほうが、ウィリアムズ。古さなんて感じない、なんともスウィートなソウル・コーラス。M9「When You Cry」は、バラード曲。何十年も歌ってきたキャリアで、ナチュラルに歌いこなすファルセット・ボーカルが、いやあ、たまりません。

 

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2014年12月 7日 (日)

第57回グラミー賞ノミネート

第57回グラミー賞のノミネートが発表された。注目したいのが、「ベスト・コンテンポラリー・インストルメンタル」。このジャンル、近年はスムーズ・ジャズ系の作品が大勢を占めている。昨年のノミネートも、5作品が全てスムーズ・ジャズと呼んでいい作品で、結果、受賞に輝いたのは、ハーブ・アルパートの「Steppin’ Out」。さて、今回は、次の5作品がノミネートに選ばれた。(追記:受賞作★印)

「Wild Heart」ミンディ・エイベア

「Slam Dunk」ジェラルド・アルブライト

「Nathan East」ネイザン・イースト

「Jazz Funk Soul」ジェフ・ローバー、チャック・ローブ、エヴェレット・ハープ

★「Bass & Mandolin」クリス・シール&エドガー・メイヤー

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Eric Darius 「Retro Forward」(2014)

サックス奏者エリック・ダリウスは、スムーズ・ジャズ界の若きスター。両親もミュージシャンという一家で育ち、17歳でデビュー・アルバムを出して、その後4枚のアルバムをリリース。サックスに加えて、作編曲、ボーカルをこなし、プリンス、ジョージ・ベンソン、ウィントン・マルサリス、などビッグ・アーティストと共演している。ルックスもイケメンだから、俳優として幾つかのTVドラマにも出たことがあるらしい。

6作目となる新作が、この「Retro Forward」。ユージ・グルーヴも属するシャナキー・レーベルからのリリースで、メジャー級プロダクションだから、サウンドはリッチでトップ級のクオリティ。プロデューサーとしてサポートしたのが、ベビー・フェイスやビヨンセ、ジャネット・ジャクソンを手掛けたアントニオ・ディクソンと、ボーイズ・トゥ・メンを手掛けているブルートゥース、の2人で、ゴージャスなコンテンポラリー・ポップの作品に作り上げた。インスト中心だけれど、ダリウスのサックスは、一級のボーカリストに匹敵する強力な表現力が魅力。

M1「All Around The World」は、ポップス・ヒット・チャートを上がりそうな佳曲で、クリアーで開放感のあるサックスと、ディープなビートが交差するオーケストレーションにゾクゾクする。アルバム・タイトルのM2「Retro Forward」から、M4「Back To You」、M5「Broke Down」へと、ダンシング・ビートの連続で、ヒップにスウィングするダリウスのサックスが圧巻。M10「Forever Yours」は、バラード曲で、ソプラノで超美フレージングを聴かせてくれる。2004年のアルバム「Night on the Town」以来だという、ダリウスのボーカルにも注目。M3「Can’t Get Enought of Your Love」は、バリー・ホワイトのバラード曲で、女性シンガーのテリー・デクスターとデュエットしたカバー演奏。ダリウスのちょっと中性的な唄い方が、なかなかで、唄の才能も非凡ときてる。唄以上に、ダリウスのサックスは雄弁に聴こえるのだけれど、そこが魅力かな。

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2014年12月 6日 (土)

スムーズなシングル盤 ㉓

クリスマスなシングルを3枚。ドクター・デイブは、キャリアの長いコンテンポラリー・ジャズ・ギタリスト。EP「Two Christmas Songs」は、「Have Youself a Merry Little Xmas」と、「We Wish You a Merry Xmas」のクリスマス・ソング2曲入りEP。イージーリスニング・ポップスという感じの、マッタリとしたギターがリラックス気分にさせてくれる。

サックス奏者フィリップ・ドック・マーティンは、「This Christmas」。マーティンは、歯科医(ドック)でもあるというユニークな経歴のミュージシャン。既に4枚のソロ・アルバムも出している。いかにもの、スムーズジャズ・スタイルで料理した、季節の定番曲が楽しい。

ユー・ナムのホリディ・シングルも、「This Christmas」。こちらは、ユー・ナム十八番のファンキーな演奏。後半の、ユー・ナムのギターが炸裂して、パーティーのアゲアゲ・ムードにぴったり。この季節、クリスマス・ソングの演奏や、フル・アルバムは、アーティストからの名刺代わり(ホリデイ・カード、日本なら年賀状かな)という感じで、「季節物」ですね。音楽性より、ムードを楽しみたい。

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