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2015年5月24日 (日)

Vahagn Stepanyan 「Moonlight」(2015)

キーボード奏者、バハーン・ステパニャンのデビュー作にして、ダイナミックな作品。ステパニャンは、アルメニア出身のアーティスト、クラッシック音楽教育を受けて、米国では多くのミュージシャンと共演を経験してのソロ・デビュー作。収められた12曲は、フュージョンやスムーズ・ジャズのインスト曲、ゲスト・ボーカルを迎えたポップスやR&B、と幅広い曲想と演奏スタイルの佳曲揃い。キーボード奏者に留まらず、曲や編曲、プロデュースまで、タダならぬ才能を見せてくれる。参加ミュージシャンは、アメリカ、イタリア、タイ、ドイツ、アルメニアなど、多国籍な布陣で固められて、ミックスはイスタンブールのトップ・エンジニアの手によりトルコで行われたという、異色だけれど、クオリティの高い内容。

そんな背景から、曲想やサウンドのムードに、違いを感じるかな。ボーカルものの曲が5曲入っていて、いずれもドラマチックなムード高揚のR&B曲。スムーズ・ジャズ・ファンとして注目したいのは、この人のクリアな鍵盤フレージングが印象に残るインスト曲。M1「Gonna Fly」、M5「Someday」、M7「Moonlight」、M8「Lead Me Home」、M10「Journey」、が必聴のインスト・トラック。

サックス奏者エリック・マリエンサルが参加した「Moonlight」はベスト・トラックだし、「Gonna Fly」も同様に、フュージョン・スタイルのバンド・アンサンブルが爽快な演奏。ステパニャンのキーボードも、アタック感のある演奏がクール。「Someday」や、「Journey」の、スロー・テンポ、もしくはバラード曲であっても、ピアノ・ソロ演奏はダイナミックなところが、この人の特徴。M3「Give More」は、ハード・リズムなフュージョン・アンサンブルを聴かせてくれる、一転、M12「Passion」では、クレイダーマンのような劇場型ムード・ピアノ。

デビュー作だからだろう、歌ありインストあり多彩な曲想と、パワフルなエネルギーが伝わる演奏は、ちょっと方向性が散漫かな。でも将来性あるアーティストとして太鼓判。次作に期待したい。

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