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2016年3月 5日 (土)

Jeff Lorber Fusion 「Step It Up」(2015)

新生「ジェフ・ローバー・フュージョン」の作品は、「Now Is The Time」(2010)から、
「Galaxy」(2012)、「Hacienda」(2013)と続いて、この「Step It Up」が最新作。「Hacienda」までは、ジェフ・ローバーと、ベース奏者ジミー・ハスリップ、サックス奏者エリック・マリエンサル、の3人のアンサンブル演奏が中心で、ジャケットにも、3人並んでのポートレートが写っていたので、その3人によるパーマネント・バンドだと思っていたけれど。この新作では、エリック・マリエンサルが抜けて、ローバーとハスリップの2人による作品となった。

「Galaxy」から「Hacienda」へ至るに従い、プロデュースからアレンジ、作品の共作と、サウンド作りの中核は、ローバーとハスリップ2人になっていたので、この新作が2人による「完成形」なのかもしれない。この新作でも、ローバー特有のめまぐるしく変わるコード・チェンジや、ハスリップの疾走ベース、サックスも、エリック・マリエンサルに代わって、ゲーリー・ミークという人がほとんどの曲に参加しているので、サウンドのカラーは変わらない。「Hacienda」で、かなり尖ったグルーヴが、このユニットの「頂点」を極めたような演奏作品だったが、それに比べると、この新作はクールでレイドバックした「ノリ」が新しい方向性かもしれない。

M1「Get Up」や、M3「Mustang」は、そういったクールなグルーヴが新鮮な演奏で、どこか70年代のスティーリー・ダンを思い出してしまう。ローバーとハスリップの共作、M7「Starfish」と、M8「Tenth Victim」は、ゆったりとしたミディアム・テンポで、それでも重量感を失わないハスリップのベースや、ローバーのポップなフレージングが、それまでのJLFサウンドに比べて新鮮な作品。M6「Right On Time」や、M10「Soul Party」は、ローバーが狙うおそらくこのユニットのテーマである、ファンク・フュージョンの回帰を再現するような、ヘビー級のリズムとホーン・セクションが爽快な演奏。

ところで、ジミー・ハスリップは、「Timeline」(2011)を最後に、イエロージャケッツを抜けたけれど、それが残念でならない。後任のベース奏者フェリックス・パトリアスが参加した「A Rise In The Road」(2013)では、正直なところ失速感は否めない。M3「Mustang」は、イエロージャケッツの盟友ボブ・ミンツアーが参加した曲で、ミンツアーのフレージングが主役のコンテンポラリー・ジャズの秀作になっている。こんな音作りをイエロージャケッツもやって欲しいなあ。

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