Michael Lington 「Second Nature」(2016)
マイケル・リントンの前作「Soul Appeal」は、ソウルな躍動感が伝わる傑作だった。個人的にも、かなりヘビーローテーションしたので印象深いベスト級の作品だった。この新作も、前作に続いて、メンフィス・ソウルに、リズム&ブルースのバイブレーションが炸裂する爽快な作品。リントンのサックスは、パワフルなだけなく、洗練されたフレージングも聴けるし、前作超えの秀作と言っていい。
この2作のプロデュースは、バリー・イーストモンドで、アレサ・フランクリンやホイットニー・ヒューストン、アニタ・ベイカー、アル・ジャロウらを手がけたプロデューサー。前作同様、今作もほとんどの曲をリントンとイースモンドが合作している。
カバー曲は1曲、バーケイズの名曲 M7「Soul Finger」を演っているけれど、そのメンフィス・ソウルの名曲に負けず劣らず、11曲のオリジナル曲が秀作で素晴らしい。M1「Beale Street」は、ブッカー・T・ジョーンズが参加した曲。メンフィス・ホーンをバックにパワフルなリントンのサックスがガツンと来るハイライト・ナンバー。M3「Slick」は、まるでジェームス・ブラウンのカバー曲のような、これがオリジナル曲というから驚き。トロンボーンのソロ演奏は、なんと、ブライアン・カルバートソンで、リントンとの掛け合いは必聴。M4「Memphis Strut」は、懐かしいロカビリーのような曲。
M5「Some Kinda Wat」は、女性歌手サイ・スミスが歌うソウル・バラード。スミスは、ブランド・ニュー・ヘヴィーズでリード・シンガーを務めたキャリアのある人。前作で、ケニー・ラティモアが歌った「Gonna Love You Tonite」を彷彿するキャッチーな曲。歌伴もうまいリントンの演奏を再認識。M11「Wooh」は、レイ・パーカー・ジュニアがギターで参加した曲。作曲は、パーカーとリントンの合作。ツイストも思わせる懐かしいビート・チューン。ハッピーなコーラス、いや掛け声も楽しい、ロケンロールな曲。M12「Midnight Drive」は、アーバンな曲で、パワフルなメンフィス・ムードのフィナーレに、なんともメロウなムードがかっこいい。伸びのいい、リントンのサックスのフレーズがしびれますぞ。
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