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2016年7月の4件の記事

2016年7月18日 (月)

Elan Trotman's Tropicality 「Double Take」(2016)

エラン・トロットマンの前作「#liveanduncut」は、「エラン・トロットマン・グループ」と名付けたバンド・メンバーとの作品だった。自身の出身地バルバドスのルーツに回帰するような、トロピカルなリズムとアンサンブルが溌剌とした佳作。この新作は、その時以来のメンバーと作ったスタジオ録音。バンド名も、「エラン・トロットマンズ・トロピカリティ」と改名して、パーマネントとして活動するのかな。曲は、トロットマンの過去作品からのナンバーの再演奏。新曲は無いものの、トロピカルでクールな演奏で、どの曲も新しく生まれ変わった。

メンバーは、エラン・トロットマンに、スティールパン奏者カリム・トンプソン、キーボード奏者マーク・コープランド、ドラム奏者アンソニー・スティール、ベース奏者ザック・ロチェスター、の5人。トロットマンの過去アルバム「This Time Around」(2009)から3曲、「Love and Sax」(2011)から3曲、「Tropicality」(2013)から2曲、シングル発表だった2曲の10曲が、アルバム発表順に並んだベストな選曲。

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2016年7月17日 (日)

The Rippingtons 「True Stories」(2016)

ザ・リッピングトンズ(下記リップス)の新作は、結成以来30年を超えて、アルバムは22作目となる作品。ギター奏者ラス・フリーマンの主役は変わらないけれど、久々にバンドとしてのアンサンブル・サウンドが活き活きとしていて、新鮮な秀作になった。

サックス奏者は、ジェフ・カシワが退いて、今作品からのサックス奏者は、かつてのメンバーであったブランドン・フィールズが復帰。ブランドン・フィールズは、リップスのオリジナル・メンバーで、デビュー作品「Moonlighting」(1987)から、「Welcome to the St.James’ club」(1990)まで、初期の4作品でメンバーだった。フリーマンと、フィールズ以外の現在のメンバーは、デイヴ・カラソニー(ドラムス)、リコ・ベルド(ベース)、ビル・ヘラー(キーボード)。でも、このアルバムには、ビル・ヘラーのクレジットは無い。アルバムの10曲中、フィールズのサックスが参加しているのは7曲で、それ以外はほとんどフリーマンのワンマン・トラック。

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2016年7月 3日 (日)

Bob Baldwin 「The Brazilian-American Soundtrack」(2016)

ボブ・ボールドウィンの新作、22作目にして初めてのCD2枚組は、「大作」にして「傑作」。前半は、ブラジルのアーティストが参加して録音もリオで行われたという、ブラジルがテーマの14曲。後半は、ニューヨークやアトランタで録音制作されたという、いわばニューヨーク・セッションの12曲。ちなみに、ボールドウィンは、2004年に「Brazil Chill」という作品で、ブラジルをテーマにアルバムを作っていて、今作品で改めてのブラジルというのも興味深い。

今作のブラジル・セッションでは、ブラジルのコンテンポラリー・アーティストのカバーを取り上げている。イヴァン・リンスの3曲、M9「Anjo De Mim」、M10「The Island」、M13「Love Dance」、ジャバンのM11「En Te Devoro」、クラシックと言っていいアントニオ・カルロス・ジョビンのM5「Corcovado」も。そのカバーも必聴だが、オリジナルのM1「Funky Rio」、M2「Ipanema Fusion」や、M3「Teardrop」は、出色の演奏。特に「Ipanema Fusion」と「Teardrop」は、強力なハイライト曲。サンバとファンクを彼流にブレンドしたような軽快なリズムに、華麗と言っていいボールドウィンの鍵盤インプロビゼーションの心地よさはこの人ならでは。

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2016年7月 2日 (土)

Dave Bradshaw Jr. 「Set Me Free」(2016)

フレッシュなキーボード奏者、デイブ・ブラッドショウ・ジュニアのデビュー作品は、注目に値する佳作。アタック感のあるピアノが終始印象的で、カリフォルニア出身だからか、爽快なサウンドと演奏は、カラッとした空気感と視野が広がるグルーヴに溢れている。ダーレン・ラーンがプロデュースと数曲でゲスト演奏に加わっている。

ハイライトはM2「Jumpstep」で、ブラッドショウのオリジナルに、ラーンが手を加えた合作。スロウなメロディーを奏でるピアノがクールな曲。M1「West Coast Jammin’」は、ラーンのサックスが絡んでファンキーな曲。M3「Guys’ Night Out」も、ダーレン・ラーンのサックスと、縦横無尽にスウィングするピアノが聴きどころのビート・チューン。

M4「Set Me Free」は、メランコリーなスロウ・バラード。ハートにグッとくるピアノも、健康的な表情なのが、この人の特徴。M5「Saboroso」は、哀愁的なメロディーのラテン・リズムの曲。この曲でも、バックのブラスセクションが印象的で、これもラーンのアレンジかな。M6「Back to the Top」は、ポップなメロディーの曲で、ボーカルのスキャットが絡んでピアノと掛け合って高揚する辺りはソウルフルでカッコいい。M10「Moon and Stars」は、リリカルな表情を見せたり、ゴスペル・ビートだったり、この人が多彩な才能のピアノ・プレイヤーであるところを認識できる曲。

デビュー作品といえ、全11曲、粒ぞろいの曲と演奏が並んだ秀逸な作品。アウトドアで聴くのにぴったり、爽快な作品。

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