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2016年8月の5件の記事

2016年8月27日 (土)

Stephen Bishop 「blueprint」(2016)

スティーヴン・ビショップの前作「Be Here Then」(2014)は、企画盤などを除けばおよそ20年ぶりのスタジオ作品で、長いこと待たされたファンとしては狂喜のカムバックだった。その後も、新録ライブ作品「Stephen Bishop Live」や、1989年の作品「Bowling in Paris」の再編リマスター盤の再発、アンドリュー・ゴールドの作品カバー「Thank You for Being a Friend」など、あの長い沈黙を忘れるような、積極的なリリースが続いて嬉しい限り。

そしてこの新作フルアルバム「blueprint」も、スティーヴン・ビショップらしいナイーヴな歌声と楽曲の並んだ珠玉の作品集。収められたほとんどの楽曲は、以前にデモ集などで発表していたもので、今回すべて新たなアレンジで新録音されている。アルバムタイトルは、かつての「青写真=Blueprint」の作品集というわけ。旧作品といっても、初期の作品だろう、かつての名曲を思い起こして、聴き込むごとに愛着の深まる佳作が並んでいる。

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2016年8月20日 (土)

Dave Muse 「FIREFALL Revisited」(2016)

フルート奏者デイヴ(デイヴィッド)・ミューズは、かつて70年代後半に活動していた西海外のロックバンド「ファイアーフォール」のメンバー。ファイアーフォールのデビュー作「Firefall」(1975)のクレジットにはミューズの名前は無いものの、この時から実質的なメンバーの一員。セカンド作「Luna Sea」(1977)では、6人のメンバーの一人としてクレジットされている。

ファイアーフォールのヒット曲には、「You Are the Woman」(1976)、「Just Remember I Love You」(1977)、「Strange Way」(1978)などが、ビルボードの10位あたりまでチャートインした。初期のアルバム作品は1980年まで5作品を残して一度解散。その後、再結成を経て、メンバーは変わったとはいえ今も、ミューズ自身もメンバーとして演奏活動しているらしい。70年代後半は、イーグルス、ドゥービーブラザース、など、ウェストコースト・ロックが人気を博した時代。同時代のファイアーフォールも、メジャーではないけれど、 初期作品は「隠れた名盤」。

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2016年8月14日 (日)

Oli Silk 「Where I Left Off」(2016)

オリ・シルクの「Razor Sharp Brit」に続く新作は、曲ごとに異なるゲスト・プレイヤーを迎えた、「アンド・フレンズ」企画のような内容。ゲスト陣はスムーズ・ジャズのトップ・プレイヤーで、曲も良し、演奏良しのベスト級の秀作。

M1「Ohh Baby!」は、トランペット奏者のリック・ブラウンが参加した、クールでファンキーな曲。M2「Take Me Away」は、爽やか系メロディーに、ピーター・ホワイトが参加してさらに爽快な演奏。

インコグニートダウン・トゥ・ザ・ボーンでもボーカルを務めた女性ボーカリストのキャティ・レオーネが参加したのは、M4「Burning up the Carnival」と、M10「Music Without the Sound」の2曲。「Burning up the Carnival」は、ご存知ジョー・サンプルの名曲のカバー。オリジナルではフローラ・プリムが歌った曲。レオーネの歌もいいけれど、シルクのピアノがフレッシュなフレージングで、あのジョー・サンプルにアプローチしているのが聴きもの。

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2016年8月 7日 (日)

Bobby Wells 「Back in the Day」(2016)

キーボード奏者ボビー・ウェルスの新作は、ソフトなサウンドだけれど聴き逃せない好盤。

スムーズ・ジャズ・ファンとしては、サックス奏者であるジェラルド・アルブライトが、このアルバムではベース奏者として客演しているのに注目。アルブライトは、キーボードやベースをこなすマルチ・プレイヤー。「Slam Dunk」(2014)でも、ファンキーなチョッパー・ベースを披露していたっけ。そのアルブライトのベースが聴けるのは、M4「Tee It Up」、M7「Bella’s Pier」の2曲。「Bella’s Pier」は、リラックス・ムードに溢れている夏のビーチといった趣の曲で、アルブライトのベースがリード・メロディーを奏でるトラック。ベースのアドリブも必聴。

M5「Count It All Joy」、M8「Oooh Baby」、はソフトなダンシング・チューンで、いずれもキャッチーなメロディーと、しつこくないビートがいい感じ。バック・コーラスは、ウェルス自身と、娘や妹が参加しているらしく、そのコーラスもソフト・ソウルなムード。M1「She’s Playful」は、ソフトなビートに乗るアコースティックなピアノが主役の、スムース・ジャズ・チューン。

M2「End Of Summer」は、このアルバムのテーマ曲と思わせる、ハイライト・トラック。ピアノとギターの奏でるメロディーが除湿系で心地よく、視界が広がるグッド・ミュージック。客演しているサックスはダーレン・ラーン。

酷暑でも、ビーチでも、夏にぴったり、涼しい気分になれます。

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2016年8月 3日 (水)

Rock Hendricks 「Can't Let Go」(2016)

ポール・ハードキャッスルの最近作品、「Hardcastle 6」(2011)、「同7」(2013)、「Jazzmasters 7」(2014)で、ほぼ30曲に及ぶトラックでフューチャーされているサックス奏者は、ロック・ヘンドリックス。ハードキャッスルお気に入りのサックス奏者というわけで、そのサックスは、ハードキャッスル特有のエレクトロな音世界にあって、時にまったりとして、時にファンキーであったり、エコーの効いた浮遊するフレージングがなんとも特徴的な音色だ。

そのロック・ヘンドリックスの初のソロ作品。全12曲、たっぷりとヘンドリックスのサックス・フレージングが堪能できる傑作。M1「Can’t Let Go」は、上質なポップ・チューン。この曲で、この人の魅力が伝わるヘビロテ必須のリード・トラック。M3「Mr.Marcus」や、これもキャッチーなM7「Bumpin」では、ハードキャッスルを思わせるエレクトロ・ファンクというような曲調でも、熱っぽく奏でるサックスに魅了される。

ソプラノを吹いているM6「God’s Nature」や、M8「In the Morning」、鳥のSEも入るM10「The Island」などは、自然讃歌のようなヒーリング・ムードの曲。ヘンドリックスは、長年ハワイに住んでいるというから、こんな曲想も生まれるのだろう。バラード曲M2「Smooth Ride」は、ピアノとのユニゾンで始まる「ハスキー」な音色のサックスに、耳を奪われる。アコースティックなサウンドも、アルバムの他曲とは違って新鮮な演奏。

今年のベスト級作品の一枚。ちなみに、ポール・ハードキャッスルの息子である、サックス奏者ポール・ハードキャッスル・ジュニアも、ソロ作品を製作中とか。こちらも、期待したい。

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