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2017年1月の5件の記事

2017年1月30日 (月)

Brian Culbertson 「Funk !」(2017)

ブライアン・カルバートソンの新作は、「Bringing Back the Funk」(2008)の「続編」と言っていい、ディープな「ファンク」でリスナーを圧倒する快作。

会話やSEを混ぜて、曲もビートも途切れ無く続く、ファンク・パーティーを体験するような構成。演奏は、「Live - 20th Anniversary Tour」の演奏メンバーに、プリンス・ファミリーのバンド「The Time」にも在籍したことのあるチャンス・ハワード(ボーカル、ベース)が、演奏や曲作りでも中心的役割として参加している。

70年代のジョージ・クリントンのP-ファンクや、プリンスやジャム&ライスといったダンス・ファンクの世界を、カルバートソンならではの洗練された技量で料理した作品。

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2017年1月29日 (日)

Rumer 「This Girl's In Love」(2016)

ルーマーの新作は、バート・バカラックとハル・デヴィッド作品のカバー集。ルーマーの繊細な歌声はもちろん、オーケストレーションの世界観に魅了される秀作。

オーケストレーションとプロデュースは、ロブ・シアックバリの手による。シアックバリは、ディオンヌ・ワーウィックのプロデューサーや、バカラック自身のバンドのアレンジャーやキーボード奏者を務めた人。ルーマーとは、「Into Colour」(2014)、「B-Sides & Rarities」(2015)に続くプロデュース作品。

ルーマーのパートナーでもある。シアックバリこそ、バカラック・サウンドを知り尽くした現代の表現者だろう。弦や管の情緒的なオーケストレーションは、バカラックの黄金時代を蘇らせる王道のポップス・オーケストラ。

アレンジの中核となるのは、しっとりとしたピアノ演奏で、M1「The Look of Love」や、M7「Land of Make Believe」などで聞けるピアノ・フレーズが印象に残る。取り上げている曲のオリジナルは、ほとんどがディオンヌ・ワーウィックが60年代後半に歌った曲。M2「The Balance Of Nature」、M9「Walk On By」などのワーウィックの名唄曲も、ルーマーの透明感ある歌声で新鮮な趣き。

ルーマーは、カレン・カーペンターの再来とも評価されるけれど、M5「Close To You」のスローなテンポで丁寧に歌い込む歌声は、カレンとは重ならない。落ち着いたピアノの演奏と相まって、ルーマーらしい名唄のベスト・チューン。

アルバムを通して統一感のあるサウンドと、ルーマーのささやくような歌声をリアルに記録した録音も素晴らしい。

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2017年1月15日 (日)

Peter White 「Groovin'」(2016)

ピーター・ホワイトの新作は、全10曲すべてカバー作品集。卓越なメロディー・メーカーでもあるホワイトのオリジナル曲が無いので、残念ではある。それでも、彼のガット・ギター演奏は、いつも以上にリラックスして聴こえるし、選曲もポピュラーな名曲揃いで、オリジナルを逸脱しないアレンジも素晴らしい。どこを切っても、ホワイト流の「グッド・ミュージック」だから、気がつくと愛聴盤になってしまう。

M1「Groovin’」(ラスカルズ)、M2「Do I DO」(スティービー・ワンダー)、M8「Sleepwalk」(サント&ジョニー)、など、聴き慣れたメロディーを奏でるギターが心地いい。

M4「How Long」は、ポール・キャラックが在籍していた英国のバンド「エース」の隠れた名曲で、ジェフ・ゴラブの名演カバーが記憶に新しい。ホワイトのカバー演奏も、メランコリックで素晴らしい。サックスの客演は、ヴィンセント・インガラ。この選曲はゴラブへのオマージュかな。

ステファニー・ミルズのM7「Never Knew Love Like This Before」と、ザ・スリー・ディーグリースの名曲M9「When will i see you again」は、聴き逃せない演奏。いずれも超ヒットのオリジナル曲だけれど、ホワイトのギターで聴けるとは嬉しい。最後の曲M10「Here, There and Everywhere」(ビートルズ)も、心に沁みるギターの名演。

ピーター・ホワイトのファンには、彼からの「ギフト」のような作品。

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2017年1月 9日 (月)

Paul Brown 「One Way Back」(2016)

ポール・ブラウンの新作は、いつものポップな路線と変わって、ブルースやゴスペルなムードが特色の意欲作。

1曲目「Put It Where You Want It」は、クルセイダーズのカバー。クルセイダーズの初期作「Crusaders 1」(1972)に収められている曲。オリジナル演奏のギターは、ラリー・カールトン。ブラウンの、カールトンばりのブルージーな演奏が聴きもの。加えて、M6「Well Alright」は注目曲。サザン・ソウルの歌手で、レジェンドと言っていいドン・ブライアント(74才)がボーカルで参加した演奏。ブラウンのオリジナル曲のようだけれど、メンフィス・ソウルのクラッシックのようで、シブいブライアントの唄が聴きもの。

M10「Heaven」も、ゴスペル・ブルースな曲。オルガンもギターも、ディープなムードたっぷり。シブいボーカルは、ブラウン自身。M3「Hush」は、ソウル・ジャズと言っていい曲調で、ブラウンのブルージーなフレージングが光る演奏。

いつものメローなブラウンが聴けるのは、スムーズジャズ系のメジャー・ギタリスト4人が客演した曲。M4「Piccadilly Circus」(クリス・スタンドリング)、M5「River Walk」(マーク・アントワン)、M7「Take Flight」(ピーター・ホワイト)、M9「Riar View Mirror」(チャック・ローブ)、いずれもメロー・ムードのポール・ブラウンのファンなら安心できる佳曲。できれば、「Put It Where You Want It」で、ラリー・カールトンをゲストに迎えて共演してくれたらサイコーだったのに。

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2017年1月 3日 (火)

スムーズなシングル盤 ㉘

ホットなシングルを3枚。ヒットチャートを賑わしているダミアン・エスコバーの「Get Up And Dance (G.U.A.D.)は大注目の曲。エスコバーは、ニューヨーク出身のバイオリン奏者。かつて、兄弟であるトゥーリーと、バイオリン・デュオ「Nuttin’But Stringz」を組んで活躍。デュオとして、フルアルバム「Struggle from the Subway to the Charts」(2006)がある。デュオ解散後、ダミアンはソロ・アーティストで活躍中。ダミアンのソロ・アルバムは「Sensual Melodies」(2014)がある。R&B/ソウル、ヒップホップのクロスオーバーと言っていいユニークな音楽スタイル。この新曲は、題名通りのダンス・チューン。繊細なバイオリンの音色が、ダンス・ビートに乗って浮遊するかっこいい曲。

サックス奏者ライリー・リチャードは、クリーブランド出身の新人アーティスト。新曲「Family Ties」は、ダーレン・ラーンのプロデュース。ボニー・ジェイムスあたりのポピュラー路線のキャッチーなメロディがなかなかにいい。

ギター奏者ドゥリュウ・デヴィッドソンの新曲「East Moon」は、R&Bテイストのスウィートなメロディーにソリッドなギターと、ハートにグッとくる良質な作品。新作アルバムはかなり期待できそう。

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