Jacob Webb 「I'm Coming Home」(2018)
キーボード/ベース奏者ジェイコブ・ウェッブは、サックス奏者トッド・シフリンと、コンテンポラリー・ジャズ・ユニット、ザ・JT・プロジェクトを組んでいる。結成して10年になるユニットだが、特に近年作品の「Moments of Change」(2016)と「Another Chance」(2017)は、実力派の登場を強く印象付けた秀作だった。
この作品はウェッブにとって初めてのソロ作品。JTプロジェクトでは主にキーボードを担当しているが、このソロ作品ではベース演奏を中心に、JTプロジェクトとは異なるアプローチを志向した作品。ウェッブ自身が立ち上げた、「ネクスト・パラダイム(Next Paradigm)」という新レーベルからのリリースで、今後は新しいアーティストも発掘したいという。このソロ作品では、サックス奏者スタンタウン・ケンドリックや、トランペット奏者ランダル・ヘイウッドといった、交流関係のあるミュージシャンが参加している。ランダル・ヘイウッドは、女性シンガーのエイプリル・メイ・ウェッブと「Sounds of A&R」(S.O.A.R.)というジャズ・ユニットを組んでいる人。エイプリル・メイ・ウェッブは、ジェイコブの実姉であり、音楽的にも相互に共演し合う親密な関係だ。