Dave Sereny 「Talk To Me」(2018)
デイヴ・セレニーは、カナダ出身のギター奏者。カナダのスムーズ・ジャズ系のギター奏者というと、スティーヴ・オリバーや、ロブ・ターディック、といった巧者が思い浮かぶ。このセレニーも負けず劣らずハートに響くアーティスト。ジョージ・ベンソンのフォロワーといったスタイルで、カラッとしたグルーヴが持ち味のブルー・アイド・ソウルのような趣き。
2007年に「Take This Ride」を出して以来10年ぶりというこの新作アルバムは、R&Bムードの曲からポップな曲も並ぶ多彩な佳作だ。
「About Her」は、ギブソンの骨太なフレージングや、コーラスが印象的な、メロウなソウル・ムードのハイライト曲。ファンキーなサックスは、同郷カナダ出身のウォーレン・ヒルの客演。セレニー本人が今回初めてボーカルを披露したというナンバー「Talk To Me」はキャッチーなメロディーが上質感を漂わせる佳曲。
「Spotlite」はビート・ナンバーで、スピード感のあるフレージングがかっこいい。「Freedom」では、ブルージーなパッセージを披露して、ギタリストとしての本領発揮を聴かせる。カバー曲は、ボブ・マーレーの「Jammin」、スティーヴィー・ワンダーの「I’d Be A Fool Right Now」の2曲。いずれも原曲のメロディーに忠実なプレイがなかなか良い感じ。
キャッチーなオリジナル曲の数々に作曲の才能も光る。ヒット性を予感させる好感度の高い作品。
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