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2019年12月29日 (日)

Joyce Cooling 「Living Out Loud」(2019)

女性ギター奏者、ジョイス・クーリングの新作は、なんと10年ぶりとなるオリジナル・アルバムである。クーリングは、1989年にデビュー・アルバム『Cameo』を出しているが、その10年後にメジャー・レーベルのヘッズ・アップと契約して出した2作目『Playing It Cool』(97年)と3作目『Keeping Cool』(99年)が当時のフュージョン・シーンで話題となり人気を博したギター奏者だ。デビュー以来、クーリングのパートナーであるキーボード奏者ジェイ・ワグナーと作曲からプロデュースまで共作している。

西海岸やブラジリアン・テイストのある音楽性は、90年代後半はまだフュージョンのジャンル分けだったと記憶している。メロウで爽快な音楽は、スムーズ・ジャズのスタイルの先駆けであり、クーリングの旧作は活き活きとして今でも古さを感じない名作が揃っている。

 

7作目の『Global Cooling』(09年)の後は、シングル曲『The Holiday’s On』(14年)以外は、録音作品の発表が途絶えていた。8作目となる新作は、5曲のミニ・アルバムのサイズだが、10年ぶりということで待ち焦がれたファンは感激だろう。以前通りに、ジェイ・ワグナーが、キーボードの演奏、曲編曲の共作、プロデュースも2人で担っている。

4曲のインストと、1曲のボーカル曲の構成で、いずれもオリジナル楽曲である。リズムを強調したアタックのあるアレンジが印象的な「It’s So Amazing」は、クーリングのフェンダー演奏もソリッドで力強い曲だ。タイトル曲「Living Out Loud」も、ドラムやパーカッションの疾走感が爽快で、浮遊するギターと力強いピアノがインパクトのあるインタープレイを聴かせてくれる。

Marina’s Dream」は、まったりとしたドリーミーな曲想で、フェンダーのロング・トーンや、エレピのフレージングがリゾート・テイストを感じさせて、以前からのクーリングらしい曲かな。

「Got To Find My Own Way」は、ブルーズなムードで、以前のクーリングのイメージを変える曲。ブルース・ノートのフレージングに、スキャットをユニゾンするあたりが聴きどころ。

最後の「Carry On」は、クーリングのボーカルが瑞々しく味のある爽やかなメロディのバラード曲。ジャージーなアレンジと、流れるようなギターのフレージングが美しい。

次作こそフル・アルバムの期待を膨らませる秀作だ。

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