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2020年3月 2日 (月)

Ronny Smith 「Raise The Roof」(2020)

ロニー・スミスは、アメリカ東海岸の都市、ボルチモアを拠点に活躍するギター奏者です。長年にわたり、米国陸軍軍楽隊で、キャリアを積んだそうです。

初期のソロ作品は、ローカルのレーベルから4枚の作品。その後近年は、サンディエゴのインディ・レーベル、パシフィック・コースト・ジャズから『Just Groovin’』(2009)と『Shake It Up』(2017)を発表しています。2作の間に、別レーベルから『Can’t Stop Now』(2013)も出しています。この新作は、通算8作品目のソロ作品で、ユー・ナムが率いる《スカイ・タウン・レコーズ》からのリリースです。

スミスの演奏は、ジョージ・ベンソンやノーマン・ブラウンの影響を受けたスタイル。オクターヴ奏法を操るところは、オリジナルのウェス・モンゴメリーより、ロニー・ジョーダンをさらに洗練したような味わいを感じます。ロング・フレーズを、小刻みに単音をつなぐテクニックが個性的です。

本作は、8曲のスミス自身のオリジナル曲とカヴァー2曲の内容です。ほぼ全曲、スミス自身の演奏(ギター、キーボード、ベース等)で作られています。アーバンなムードの楽曲とサウンド、メロウな音色のギターが都会的なムードで統一されています。

<A Brighter Day>は、メロウな主旋律が印象的。オクターヴ奏法で表情を変えながら、弾きこなすロング・フレーズに引き込まれます。
<Raise the Roof>は、オン・ビートで弾むリフがキャッチーな曲。<Cool Breeze>は、サックス奏者スコット・マーティンが客演した曲。マーティンは、ラテン・ジャズのコンガ奏者、ポンチョ・サンチェスのバンドに属したサックス奏者です。ラテン系の熱量のあるサックスが個性的です。
<Brazilian Dancer>は、琴線に触れるようなラテン系メロディーが耳に残るベスト・ソングです。流れるようにフレーズを刻む、アコースティックな音色のギターが爽快です。

カヴァー曲は、ビル・ウィザースのヒット曲<Use Me>と、カーペンターズの大ヒット曲<Superstar>。

<Superstar>のインストといえば、セッション・ギター奏者、デヴィッド・スピノザのカバー・バージョン(1978年のアルバム『David Spinozza』)が、フュージョンの名演でしょう。(ルーサー・バンドロスがコーラスに参加していたことでも、話題の演奏。)

粘着性のある個性的なスピノザに比べると、スミスの演奏は原曲のメロディをニュートラルに弾くところに、好感が持てます。オクターヴで弾くブリッジが、印象に残る演奏です。

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